戦争大好きな少年が異世界に転移して念願の兵器を召喚できるスキルを授かったのを外から見た話
特技?僕はね。日本で戦争の研究をしていたのだ。
CQBを練習し。キックボクシングをならい。戦術を研究して。友人達と議論を交わしていたよ。
毎日、毎日、動画を見て研究したり。サバゲの会場にもいったよ。
え、両親?ああ、もちろん、応援してくれたよ。
サバゲ教官からは意識が高いと絶賛されていた。
CQBとは近接戦闘術でかなりの腕前だったよ。
「お客様の異世界での身分は?」
「・・・中学生だよ」
「下等平民学校ですね。騎士団の幼年学校に行かれたのですか?こちらの世界では幼年学校という学校がございます」
「少年工科?い、行かないよ。行けたけどいけないよ。だいたいさ。趣味と仕事は違う。でも、」
僕は銃を10種類以上知っている。電動ガンでだいたい分かる。
今、持っているのは・・・
「これはベレッタARX160(ワンシクティー)、マグロとも呼ばれているよ。未来の銃と言われてグレネードランチャーも装備出来るしショートストークピストンで実にユニークだ。僕は形状の他にも・・」
「お客様?それはどうでも良いからその武器を短切にご説明下さい」
「あ?分かったよ。銃だ」
「銃ですね。既知です。では登録しましょう。出身地から言って下さいませ」
「日本だ!」
私は冒険者ギルドの受付を担当しているリサと申します。
時々、異世界から黒髪の種族が来られます。
強力な魔法や、進んだ文明の武具を持ってこられます。
「ご登録は終わりました。クエストは受けますか?」
「もちろん」
「F級は3人以上のパーティーを組んで下さい」
「僕はS級の実力があるよ!」
「それは貴方様が判断することではございません」
「グループを組んで下さいませ。何個が推薦できます。見習いからです」
「もう、いいよ!じゃあ、盗賊を討伐するよ!」
「やめて下さい。大変危険ですわ。これは最低、3人で依頼を受けるべきクエストですわ」
「馬鹿にしてF級の賞金首じゃないか?いいよ。結果だけを見てよ!」
登録だけされてパーティーを組まずに強引に賞金首の張り紙を奪っていったわ。
大丈夫かしら。
三日後、あの黒髪の少年が盗賊に捕まったと斥候から報告がきたわ。
「ギルマス、盗賊に強力な武器が渡った可能性があります。緊急指命クエスト行います」
「ああ、分かった」
盗賊は山に籠もる・・・F級討伐対象だが、それ故の厄介さがある。
この依頼をB級冒険者マツナガ氏に依頼する。
おそらく、あの少年と同じ故郷出身だろう。
しかし、この方は厄介さが分かっていた。
「ああ、どうも、マツナガです」
「エスダだよ」
黒髪の30歳くらいの男と14歳くらいの女子の2人組だ。B級の冒険者で64《ろくよん》使い。
あの少年が使っていた銃とは形状が違う。鉄と木の部品を使っている魔道具だわ。
「少年が捕まったか殺されたかしました。盗賊のランクはFです。盗賊というよりも追い剥ぎです」
「これは・・・厄介だな」
この方は厄介さが分かっている。
マツナガ様は説明をされたわ。
何故、あの少年が愚かだったかを・・・
☆☆☆松永視点
日本人というのは大陸系の悪人を知らない。
強盗は日本なら金を出せと脅すが、大陸系の盗賊は刺してから金を出せと脅すのが基本だ・・・・
そして、盗賊は優しい。時代劇のように地元で悪さをする悪人は想像の域を出ない。
本当の悪人は地元民に還元する。
大陸の馬賊が支配地域で子供が生まれた家庭に石炭を一年分プレゼントしていた逸話がある。
「盗賊は魚、民は水・・・とうことだ・・・盗賊に銃が渡ったら厄介だ。住民ごと皆殺しにしようか?」
「さすがに、それは領主案件です。民を殺しては税収が下がります」
「なるほど、じゃあ・・・エスダ、風魔法を使える者と何人か助手が欲しいな。駆け出しでも良いから言われたことをする人物だ。募集してくれ」
「分かった・・・」
俺は盗賊が潜む洞穴の前まで行った。
何となく分かる。見張りを洞穴の前に配置して如何にも的は事はしないタイプか・・・
しかし、奥にはいるだろう。
暗視スコープでほら穴をのぞくと、壁が削れている。
馬鹿だな。少年は洞穴の中で撃ったのか?跳弾か・・・
サバゲはそれを気にしないからな・・・少年は自爆したか。
俺は発煙機を出した。
「召喚!」
これはただ煙を出すだけの機械だ。
風の魔法を使える者に頼み。
指向性をつける。
つまり、洞穴に向かって煙を流す。
意外と思うかも知れない。スモークは最強だ。
軍隊用の防護マスクも効かないとされる。防炎マスク、酸素マスクが必要だ。
一酸化炭素中毒になって死にやがれ・・・・
「マツナガ、敵出てきたよ」
「分かった」
俺は洞穴の50メートル離れた木の陰に隠れて盗賊を撃った。
数発撃ったら、敵は大人しくなった。もう、いないか?
「皆、警戒しながら死体を臨検!」
「「「了解」」」
死体には、何か未来っぽい形状の銃を持っている奴もいた。これが少年の銃か?
俺は銃の種類は4種類しか知らない。64に89,M4にAK・・・まあ、どうでもよい。
普通にAKしか知らない傭兵とかいる。
「奥に黒髪いるよ!」
「ああ、行こうか・・」
奥に同郷の少年がいた。斥候職が見つけてくれた。
「ウウ・・・水・・・水・・・」
「だめだ。一酸化炭素中毒の奴に飲ますと肺に水がはいるかもしれない」
「そーなの?」
「ああ、可哀想だが、担架に乗せて運んでやれ。村は通らずにな」
「「「了解!」」」
「ヒィ、ヒドい・・・」
後の調査では少年は盗賊の縄張りの村を通り討伐にいったそうだ。
しかも、聞込みまでして・・・
領主の判断では、村人におとがめはなし。
しかし。
盗賊の首を村の広場で晒したそうだ。
「いいか、聞け!悪人を討伐した。供養をした者は同罪とみなす!」
村人たちは何とも言えない顔になった。
日本で言えば、優しいヤクザに支配された地域の住民か?
昔は治安維持の役目もあったそうだ。
そして、俺は報告書を書く・・・
「あれ、エスダ。あの少年の名前は何だっけ?」
「知らない・・・・」
そうか、聞きそびれた。確認しにいくのも面倒くさい。
戦争大好きの少年が戦争ごっこをするあまり。願いが叶って夢の中で戦争に参加する童話がナチス政権下では好まれた。少年の名はビリィ君。日本で言えば「のらくろ」か?
ただ、ドイツの少年は凱旋をして、日本の少年は運悪く死んだだけだ。
日本では夢ではなく異世界か・・・
「種別ミリオタで良いだろう・・・」
「ミリオタ?」
俺はすっかりこの世界の住人になってしまった。
最後までお読み頂き有難うございました。




