岡島のお願い
急遽、大量の作業が発生してしまい投稿が遅れ気味ですが、なんとか頑張ります。
よろしくお願いします。
「おい御門、おりいって話があるんだけど」
「そんな畏まってどうかしたのか?」
岡島に教室の外に呼び出され、人気のない場所まで来ると、突然真剣な顔で話しかけてきた。
「いや、実は俺もセイバー目指せないかと思って」
「岡島、セイバーに興味あったのか?」
「いや、なかったといえば嘘になるけど、先週俺の親戚がモンスターに襲われて亡くなったんだ。それでな」
「ああ……」
岡島は、普段の会話の中でセイバーに触れることはあったが、自分からセイバーになりたいというような話は一度も出たことはなかった。
親戚が亡くなったという話なので、それが大きく影響しているのは間違いないだろう。
「岡島、セイバーになるって事はモンスターと面と向かって戦うって事だぞ?」
「ああ、わかってる」
「思ってるよりずっと危ないんだぞ。俺だって何度か死にそうな目にあってるんだ」
「わかってる。だけど、俺の家族がモンスターに襲われたらと思ったらこのままじゃいられない。この前までは学校が襲われても御門達を見ててもどこか他人事な部分があったけど、もう他人事じゃない、それじゃダメなんだってわかったんだ」
「モンスターを倒したからって必ずしもステータスが発現するとは限らないんだぞ」
「わかってる。それでも。頼めるのは御門しかいないんだ。頼む、この通りだ」
岡島の思いは理解できる。
俺だって家族に何かあれば自分で守りたいと思う。
力を手に入れた今なら特にそう思う。
だけど、その一方で岡島がセイバーになる事のリスクにも思い至ってしまう。
俺の場合、段々と感覚が麻痺してきているのがわかる。
以前はゴブリン1匹倒すだけで恐怖だった。
それが今はミノタウロス相手に死闘を演じても、またダンジョンへと向かおうとしている。
完全にモンスターと戦う事に恐怖に鈍くなってきている自覚がある。
それだけに人為的に岡島をセイバーにしてしまう事に一抹の不安と抵抗を感じる
「御門、お前も妹がいるんだろ。俺にもいるんだ。わかるだろ?」
「それは……な」
たしかに岡島にも小学生の妹がいるのは聞いた事があったが妹か。
「岡島、期待しすぎるなよ。ステータスについては運みたいなもんだから。それと俺が手助けする事は絶対に誰にも言わないでくれ。誰彼構わず来られても責任が取れない」
「ああ、もちろんだ。絶対誰にも言わない」
「それにステータスが出現しても、絶対に無理はするなよ。モンスター相手に理屈は通用しないからな」
「わかってる。俺は家族が護れればそれでいいんだ」
「わかった。それじゃあ今日の放課後一緒にダンジョンへ行こう」
「ありがとう御門。本当に恩にきるよ」
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