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ミノタウロス戦3

ミノタウロスのダメージは軽微だ。

どうにか戦うことはできているが、俺では攻撃力が足りない。

棘の楔を引きちぎったミノタウロスがゆっくり考える時間を与えてはくれない。


「ああああああああ〜!」


大振りな初撃を躱し、必死に斬りつける。

確かに皮は斬れている。

だけど肉が斬れた感覚はない。

こうやって攻撃を繰り返す間も覚悟なんか決まらない。

恐怖に抗うために腕を振る。


「『グラビティ』 お兄ちゃん! あれ貸して!」


向日葵のスキルで僅かばかりのインターバルができた。

あれ?

あれってなんだ?


「お兄ちゃん! 早くして!」


戦いに頭のリソースを割いているせいで、向日葵の言っている意味がわからない。


「向日葵〜!! あれってなんの事だ!」

「銃! 銃に決まってるでしょ!」

「ああ!」


目の前の戦いに必死で完全に頭から抜け落ちていた。

確かに剣では歯が立たないミノタウロスもあれならいける。

俺では難しくても向日葵なら当てられる。

さすがは向日葵だ。

これがINT 15の力か!

いや、前衛の俺と違って後衛で俯瞰してみる事ができたからか。


「みんな、時間を稼いで!」

「任せて。『アイスフィスト』」

「私だって」


三上さんと神楽坂さんが時間を稼いでくれている間にポケットからスマホを取り出してストレージからSFP10タップして取り出し、急いで向日葵に手渡す。


「え!? 先輩それって」

「お兄ちゃん、弾をこめる時間を稼いで!」

「ああ」


もう力を残す必要もない。

この刹那に全てを注ぎ込む。


「硬いんだよ! 斬れろ、斬れろ斬れろ! おああああああ!」


いける。このままいけばいける。向日葵ならしとめられる。


「グルウウウウウウウアアアアアアア〜!」


俺が一方的に斬りつける状況の中でミノタウロスが吠えた。

吠えて雷刃の影響を受けているはずの右腕を無理矢理振るってきた。


「あ!?」


俺の振るった雷刃とミノタウロスの戦斧が交差する。

雷刃を持つ手と腕に千切れそうなほどの圧が襲いかかりそのまま地面へと薙ぎ倒されてしまった。

雷刃は折れずにミノタウロスの一撃を耐えてくれたが、戦斧が当たったところから完全に曲がってしまっている。


「ゴガフッ」


あ……

意識が飛びそうになる。

これはまずい。

おそらく、骨が折れたか肩が外れた。

腕が上がらない。


「御門〜! 『アイスフィスト』」

「先輩逃げて〜! 『ゲルゼニウムバイト』」


わかっている。わかってるんだ。

このまま寝てると、ミノタウロスの戦斧の格好の的になる。

こんな時だけ妙に頭がクリアになり、ミノタウロスの動きが冷静に追えてしまう。


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