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奥からやって来た

後方からしてきたモンスターの咆哮に恐れを抱きながら、足早に今来た道を引き返す。


「御門、なんかやばくない?」

「ああ、どんなモンスターかわからないけど戦わない方がいい気がする」


距離はわからないが、なんとなく背に迫ってくるようなプレッシャーを感じる。

みんな、俺と同じくプレッシャーを感じているのか無言となり徐々に速度が上がる。


「グモオアアアアアアアアアアアアアアアアア〜」


やばい。

さっきよりも声が近い。


「御門くん……」

「ああ」


間違いない。俺達を認識して迫ってきている。

そして、その速度は俺たち5人を上回っている。


「ガアアアアアアアアアアアアアァァァア〜」


どうする。

このまま5人で逃げ切れるとは思えない。

他のモンスターもセイバーもいないせいで、隠れる事もままならない。

散り散りに逃げれば……

いや、それは得策じゃない。

相手の正体もわからない今の段階で戦力を分散させるのはダメだ。

逃げ切れないなら、迎えうつしかない。


「はぁ、はぁ、みんなこのまま逃げるのは無理だ。 迎え撃とう」

「そうだよ。私たちなら3階層のモンスターだってやれるよ。だって他のセイバー達はもっと奥まで行ってるんだし」

「わかった」

「はい」

「うん」


俺たちは走りながらそれぞれの手には武器を携えそして足を止めて振り返る。

まだ姿は見えないが、確実に迫ってきている。


「グモオアアアアア゛ア゛ア゛ア゛〜」


地が震えるような咆哮と共に現れたのは1匹のモンスター。


「英美里先輩、あれって」

「うそ……ミノタウロス」


そのモンスターは筋骨隆々の黒い体躯に牛の頭、その目は紅く血走り口からは涎を垂らしている。

あまりゲームに詳しくない俺でも知っている。

神話にも出てくるモンスター。

日本では牛頭と呼ばれる地獄の獄卒とも描かれることのあるモンスター。

ミノタウロス。

たった1匹、だけど圧倒的な強者のオーラを纏っているのが素人の俺にもわかる。

少し前に赤茶色のガーゴイルに対しあれほどの恐怖克服したというのに、それを遥かに超える明確な脅威。


「あ、あ……」


身体が硬直し口の中が一気に水分を失う。

な、なんで3階層にこんな奴がいるんだ。

いくら3階層とはいえモンスターのランクが一気に上がりすぎだ。

書き込みにだってミノタウロスのミの字も見かけた事はない。

それに、俺たちとそうレベルが変わらないはずの3階層に挑んでいるセイバー達がこんなのに挑んでるとは思えない。

2階層で戦っていたリザードマンとは違いすぎる。



だ、ダメだ。


勝てない。



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i902326
― 新着の感想 ―
[一言] 牛はパリィすればいいじゃない
[良い点] ハラミポディか、強いな!
[一言] グラビティからの急所に銃でイチコロでは?
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