68 レベル10
「きゃあああ〜」
「ぐあああっ」
「む、無理だ」
「ふざけんな! マジで死ぬ」
精根尽きたと思えるほどに先程までの戦いで出し切ったので、本当はゆっくりと回復する時間が欲しい。
だけど赤茶色のガーゴイルを倒してもひと息つく間はなかった。
まだもう一方のチームが戦っていたガーゴイルが残っている。
野本さんの棘も引きちぎられ、3年の2人もボロボロだ。スキルを使い切った1年も剣を手に戦ってはいるが相手にはなっていない。
このままでは、後方でスキルを発動している三上さんも危ない。
状況を見る限り俺たちが苦戦した以上に苦戦を強いられており、すぐにでもサポートに入らなければ、いつ全滅してもおかしくない状況に陥っていた。
「くそっレベルアップしてもたった2回じゃ、あれは無理だろうが! ふざけんなよ。無理ゲーじゃねえか」
岸田がレベルアップしてスキルの回数が増えたようだが、残数2回か。
確かに赤茶色のガーゴイルを相手にするには心許ない。
逼迫した状況と濃すぎる疲労ですぐに気づくことはできなかったが、岸田の言葉で意識すると俺自身の身体も少し軽くなっている気がする。
この感覚は今までに既に何回も味わったことがある。
レベルアップ。
俺は慌ててステータスを確認してみる。
能瀬 御門
LV9→10
HP23/51→29/57
ATK43→47
VIT39→42
INT3→3・0
AGI54→60
スキル『ガチャ+R0UR1』
やはりレベルアップしていた。
ついにレベル10
レベル9に上がってからそれほど時間はたっていないが、岸田もレベルアップしたようだしやはりガーゴイルの経験値が高いのだろう。
急いでステータスの数値を確認する。
レベルがキリのよい10になったからなのかステータスの伸びは今まで1番高い。
AG Iに至っては60に到達していた。
そしてステータスがいくつか見慣れない変化を起こしていて突っ込みどころはかなりあるが、今はそんなことを突っ込んでいる暇はないので急いで新たなスキルを発動する。
『ガチャ』に新しく加わったURこれが俺の新しい力。
普通に考えてRの上位に位置する能力のはず。
おそらくは、今つかっている武器よりも高性能な武器が手に入る可能性がある。
今の俺に最も必要な能力。
俺は急いでスマホをタップする。
UR これは流石にゲームにそれほど詳しくない俺でもわかる。
「頼む! 当たってくれ! ウルトラレアガチャ!」
……。
なんだ。どうした。スマホの表示に変化がない。
URは1のまま。賞品が当たった気配もない。
どういうことだ?
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