65 色違い
「セイバーだっていつまでかわかんねぇし。どうせじわじわ減額されるか身体動かなくなったら終わりだし」
「お前、現実的すぎるだろ〜。こんな世の中じゃ今が大事だと思わね〜の? 今を生きようぜ!」
強敵だった3匹のガーゴイルを倒した事で、みんな緊張から放たれひと息ついている。
「神楽坂さん、大丈夫だった?」
「それは、こっちのセリフだよ」
「それは言えてるけど」
「ありがとう。怖いのは怖いけど御門くんたちにもしもの事があった方がずっと怖いから」
いや、自らのトラウマをおして俺のことを優先して考えてくれるとは、神楽坂さんはやっぱり天使か。
「私だって御門が吹っ飛ばされたのを見た時は心臓が止まるかと思ったんだからね」
「三上さんもありがとう」
「能瀬」
「ん? 大前どうかしたのか」
「あれ」
「あれ? なんだ? なにかあるのか?」
大前が外を指さしていた段階でなんとなくは察していた。
でも、まさかなという気持ちもあって認めたくない自分がいた。
大前の指す先には2つの黒点が動いているのが見えた。
「おい、おい、おい。どうなってんだよ。あれってガーゴイルなのか? なんでまたこっちに向かってきてんだよ。ふざけんなよマジで! 俺のファイアボールも無限じゃねえんだぞ! くそっ」
「もしかして、最後の奴が呼んだんじゃ」
「嘘でしょ〜あの叫び声〜。俺は1匹倒してガーゴイルスレイヤーの称号はもう十分なんだって」
冗談抜きでさっきの叫び声で仲間を呼んだとしか思えない。
明らかにこちらに向けて飛んできており、段々とその姿が大きくなってきている。
「スキル切れたのは1人だけか?」
「俺もです」
「他は?」
「回数は減ってますけどまだいけます」
「私もまだ残ってます」
どうやらスキルが切れたのは2人のようだ。
それならガーゴイル2匹は十分いける。
このメンバーでさっき3匹倒せたんだから焦る場面じゃない。
「大丈夫だ。ガーゴイルは2匹だけみたいだし、三上さんそっちに回って。2チームで当たれば問題ない」
「おい、御門仕切ってんじゃねえって。言われなくてもわかってんだよ。2匹程度俺が燃やしてやるぜ」
俺の言葉で少し落ち着きを取り戻したセイバー達は武器とスマホを構えて新たなガーゴイルの襲撃を迎え撃つべく待ち構える。
「御門、気のせいかもしれないけどちょっと大きくない?」
「う、うん、そんな気もしなくはないけどまだ距離があるからなんとも言えない」
近づいてくるガーゴイルの姿に感じた違和感。
三上さんも同様の違和感を感じたらしい。
距離を考えても今向かってきている2匹のガーゴイルのサイズが先程倒した個体よりも大きい気がする。
それとなんとなく、身体の色もさっきのよりも赤茶けている気がする。
その違和感は、眼前へとガーゴイルが着地したのを見て確信に変わった。
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