24 覚悟
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くそおおお〜!
絶体絶命とはこの事だ。岸田の攻撃が止みガーゴイルのターゲットは完全に俺と岸田に移った。
だけどここはまずい。
三上さんや神楽坂さんもいるし、クラスのみんなも巻き込まれる。
俺に英雄願望はない。
俺は普通に暮らせればいい。
家族と向日葵と仲良く普通に暮らせればそれでいい。
特別、尖った正義感も目立とうという精神もない。
ガーゴイルを前に何を置いても1番に逃げ出したい。
だけど、俺だけは知っている。
レベル3に到達した俺のステータスがこの中の誰よりも高いであろう事を。
目の前のガーゴイルを留める事ができるとすればショートソードを手に持つ俺だけであろう事を。
くそっくそっくそっ。
多分全力で走れば俺だけは逃げられる。
だけど……
野島も、三上さんだって、そして神楽坂さんだって見殺しにできない程度には知ってしまっている。
こんな事なら誰とも親しくならなければばよかった。
俺は素早くスマホをタップし死蔵リストから脇差を選択し、それを岸田へと渡す。
「お前、これって」
「岸田、お前セイバーだろ! 月に100万もらってるんだろう。根性見せろ。人類の剣なんだろ! スキルがなくても戦えるだろ!」
「言われなくても! お前こそぶるってるじゃねえか」
「そんなの当たり前だろ。俺はセイバーじゃないんだ。あんな化け物相手にびびらないわけないだろ」
「違いねえ」
「三上さん、神楽坂さん、みんなと一緒に逃げろ!」
「でも能瀬くんは?」
「俺がなんとかするから! 逃げてくれええ!」
「わかった。舞歌行くよ」
「でも」
「私たちは邪魔になる」
「……うん」
できれば、みんなが逃げるまで待って欲しかったが、ガーゴイルがそんな気を使ってくれるはずもなく、翼をはばたいたと思ったら一瞬で距離を詰められた。
「速っ」
極限まで集中した状況で、ステータスの上昇は動体視力と反射神経にも影響を及ぼし、高速で向かってくるガーゴイルの動きをどうにか捉え、回避する。
「岸田ああああ〜!」
「くそがあああ〜!」
俺に攻撃を躱されたガーゴイルはそのまま岸田に襲いかかった。
岸田は俺の渡した脇差でガーゴイルの攻撃を受け止めるが、そのまま吹き飛ばされ攻撃を受け止めた脇差は折れた。
無茶苦茶だ。刀が折れるなんて無茶苦茶だ。
「うおおおお〜!」
すぐ横にいるガーゴイルに向け渾身の力で剣を振るう。
俺の振るった剣はガーゴイルの左の翼を捉えそのまま切り裂く。
「ギャアアアアアアア!」
ガーゴイルが腕を振るいバックブローを浴びせかけてくる。
必死で剣を引き剣の刃で攻撃を受ける。
「ガハアアッ」
まるでダンプカーにでも衝突されたかのような衝撃が伝わり、俺は剣ごと弾き飛ばされる。
防いだ剣は確かにガーゴイルの皮膚を裂き肉を断った。
だけどショートソードの刃は完全に潰れて、剣が歪んでしまった。
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