適性
あけましておめでとうございます。
モーニングスターブックスより1巻が絶賛発売中です。
よろしくお願いします。
「御門、聞いてくれ」
「どうかしたのか?」
「昨日もらったダチョウ肉だけどな、めっちゃ美味かった」
「美味いのか」
「ああ、脂なしの牛肉みたいで煮込んだら最高だった」
「そんなにか」
「ああ、次は絶対食べた方がいいぞ」
ダチョウ肉がそんなに美味しいとは知らなかった。
「それと昨日野良のゴブリン出た」
「どこで出たんだよ」
「俺の家の近く。学校の帰り道でな」
「大丈夫だったのか?」
「ああ、俺1人でも問題なく倒せたよ」
「1匹だけか?」
「いや、3匹いたけど陰からコソッと倒したらいけた」
「すごいな。1人で3匹か。もしかしたらもう岸田より上なんじゃないか」
確かに岡島のスキルは遠距離いけるので、そういう戦い方にも向いている気がする。
見えないところから一方的に攻撃するなら複数もいけなくはないだろう。
「まともにやったらまだまだだって」
「だけど無理すんなよ。1人の時は危ないからな」
「わかってるって。危なくなったらすぐ逃げるから」
「いや、追い詰められてモンスターから逃げ切るのはほぼ無理だから」
「御門が言うんならそうなんだろうけど、そこら辺の判断って難しいよな〜」
岡島の言うように撤退の判断は難しい。
最初から逃げ出すような状況なら判断を誤る事はないけど、戦っている最中に余力を残しつつ逃げるという判断を下すのは簡単ではない。
基本、モンスターの方が移動速度は速い。
攻撃手段を失った状態で逃げ切る事はほぼ無理。
今回の岡島のように1人で遭遇してしまえば戦うしかない場合もあるけど、ゴブリン相手であっても危険度は跳ね上がる。
「そういえば、岡島はダンジョン潜らないのか?」
「俺はまだいいかな。とりあえずお金はもらえるようになったし、メンバー集めないといけないし、焦ってもな」
「メンバーの相性もあるだろうし強制かかる前に慣れとけよ」
「御門のところは空きなさそうだし、俺が知ってるフリーのセイバーって岸田とかなんだよな〜」
「あ〜岸田か〜」
「御門は仲がいいみたいだけど、俺はあんまり絡みないんだよな〜」
「う〜ん、話してみれば悪いやつではない気はするんだよな〜」
岸田のやつ、確かによく絡んでくるけど仲がいいのかと言われるとなんとも言えない。
あのキャラクターだし、独自というか孤独路線を突っ走ってるからな。
それもあるのかセイバーになってそこそこ経つけどパーティを組んだという話は一度も聞いた事がない。
今までの戦いをみても、根性はあるしそれなりに戦えるのは間違いないので勿体無いとは思う。
ただ、人の言う事聞かないしパーティとして機能するかと言われれば厳しい気はする。