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天国

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よろしくお願いします。

1階層は天国だった。

いや、普通にゴブリンがいるので天国なはずはないけど、そう感じてしまった。

人間って不思議だ。

ストレスなくゴブリンを倒し地上へと向かう。

すれ違うセイバーとも笑顔で挨拶して地上へと向かう。

マップ上で終わりが見えてる事も気持ち的に大きな助けとなっているのは間違いない。


「あああっ」

「ついにか」

「やったっす」


その階段を目にした時の感動は一言で言い表す事はできない。

全てから解放されたかのような今までに感じた事のない感覚。

その階段を一歩一歩歩いて登る時の高揚感。

登りながら、中学の時に国語で習った蜘蛛の糸という話が頭に浮かんだ。

糸はどこにもないけど多分同じような気持ちだったんだなと。

あの時は、そこまで感情移入できなくてテストは57点だったけど今なら80点は堅い。

きっと登場人物になり変わってズバリの解答を書ける自信がある。

そしてついに地上へ。

外はまだ明るい。

来た時と同じ風景なのに何故か輝いてみえる。

生きてるって素晴らしい。

地球って美しい。


「帰ってきましたね」

「ああ」

「もうここには来たくないっすね.ここがホームじゃなくてよかったっす」

「私ももういいかな」

「うん」

「キツイです」


みんな意見は同じだ。

今冷静になって思うのは、向日葵がいなくてよかった。

このダンジョンは向日葵には刺激が強すぎる。

中学生ではトラウマになってもおかしくない。

出ると、怪我の確認をされてから係の人の誘導で来た時同様にバスで事務所まで運ばれた。

事務所では、6人一緒に報告を行った。


「このダンジョンはヤバいっす。いつもこんなんですか?」

「いえ、最近活性化しているようで。こちらのセイバーだけでは対応しきれなくて他にも応援に来てもらってる次第です」

「活性化って、あんなのなんすか?」

「そのようです」

「マジっすか」

「はい」

「こっちの人達アレを相手にしてるんすか」

「はい、頑張ってもらってます」

「マジっすか」

「はい」


山田さんは想いが止まらなかったようで、事務所の人に感情のまま報告しているけど、担当の人は塩対応というかいたって普通だ。

もう、この状況に慣れてしまっているのかもしれない。

だけどこの状況に慣れるって。

慣れって怖いな。


「これって溢れることあるんすか?」

「そうならないよう、皆さんに頑張っていただいている次第です」

「じゃあ、溢れる可能性もあるってことっすか」

「そうならないように頑張ってもらっています」

「マジっすか」


つまりは、数が増えすぎるとアレが市中に出回るという事だ。

普通のゴブリンでもヤバいのにアレはまずい。

アレが出回ったら一気に世紀末状態だ。

そう考えると、今日はキツかったけど頑張った意味はあったのかなとも思う。

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