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マッパは御免

12/20発売 モーニングスターブックス 俺はこのモンスター溢れる世界をスキル『ガチャ』で生き抜く 最初に出たのは美味しいパンでした 

各サイトで予約受付中です。

たぶん電子も発売日までにはでるんだと思います。

よろしくお願いします。

メスマッパが飛びかかってきた。

速い。

水月を振るうが、人ではありえない動きを見せ躱された。

残念ながら身体能力は圧倒的にメスマッパが上。

俺はタイミングよく水月の刃を滑り込ませるしかない。


「ギャギャギャギャギャ」


メスマッパがこちらを見て声を上げその顔に嫌な笑いを浮かべた。

俺の身体を悪寒が走る。

次の瞬間、メスマッパが再び飛び込んできた。

一歩下がり水月を振るうが、今度は完璧に避けられてしまった。

そしてそのままこちらへと迫ってくる。

タイミングを読まれた。


「うああああっ」


思わず声をあげてしまうが、迫りくるメスマッパの恐怖を思えばそれも止むを得ない事だろう。

必死に後方へと脚を動かし距離を稼ごうとするが、メスマッパはそれ以上に迫ってくる。

瞬時に頭を切り替える。

まともにやり合っても厳しい。

覚悟を決める。


どんっ


脚を踏ん張り、メスマッパのタックルを受け止める。

クウっ!!

身体がもっていかれる。

まるでバイクか車にでも衝突されたかのような衝撃がくるが、ここで倒されたらヤラれる。

必死に踏みとどまるが、更に押し倒そうと押し込んでくる。

メスマッパの顔が近い。

その顔はまさに血に飢えた獣。

しかも、その顔は俺の下半身にロックオンされているような気がする。


「うわあああああああああああああああああああ~!」


さっきまで、漫画の主人公補正で力が跳ね上がるようなことは無いと思ってたけど、この瞬間、俺の力が跳ね上がった。

人間極限まで追い込まれるとリミッターが外れる。

いわゆる火事場の馬鹿力の発現。

メスマッパを力づくで引き剥がし、ゼロ距離から水月を脇腹へと差し込む。


「ガギャアアア」


差し込んだ水月の刃を奥へと振り切りメスマッパの背骨を断ち斬る。


「ふぅふぅふぅふぅ」


やった。

メスマッパを倒す事に成功した。

全身に疲労感が押し寄せてくる。

息が乱れ肩が大きく上下する。

きつかった。

よかった。

本当によかった。

無事でよかった。

俺の下半身も無事でよかった。

やはり、メスマッパはダメだ。

これは戦ってはダメな奴だ。

高校生の俺には刺激が強すぎる。

海江田さんと山田さんは、まだ戦っている。

本当なら、俺もサポートに入るべきなんだろうけど、どうしてもその気力が湧いてこない。

見る限り、2人がかりなら十分やれてそうなので俺がいなくても大丈夫だろう。


「御門くん、大丈夫?」

「う~ん、大丈夫といえば大丈夫だけど、大丈夫じゃないと言えば大丈夫じゃないような」

「念のために回復しておくね。『ヒーリング』」


あぁ……。癒されていくのを感じる。

『ヒーリング』には肉体だけではなく心を癒す効果もあるのかもしれない。






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