マッパー
マッパオークを倒してどうにか3階層への階段までやってきた。
これでようやくこのマッパ地獄を抜けられる。
6人で急いで3階層への階段を降りていく。
本来ならもう少し注意を払った方がいいのは分かってるけど、今は時間の短縮を優先する。
「もらったマップもこの階層で終わりなんで、ある程度活動したら帰りましょう」
もらったマップはここまでだし、帰りの時間を考えても、探索出来るのはこの階層までだ。
4階層の手前まで行く必要はないだろう。
ある程度モンスターを間引いたら終わろう。
そう心に決めて3階層へと臨む。
3階層もフロア自体はそれ程特別な感じはない。
マップを手に慎重に先へと進んでいく事にする。
俺達のホームダンジョンを基準とするなら、十分に3階層でも活動する事は可能だ。
ただ、ミノタウロスなんていうイレギュラーもいた事があるし、2階層より格段に緊張感は増している。
しばらく歩くとダンジョンの先にモンスターの一団を確認することができた。
「能瀬くん、あれは……」
「ホブゴブリンですね」
「確かに普通のゴブリンよりは大きいようだ」
「海江田さん、それは下ネタですか?」
「いや、真面目な話だ」
今までホブゴブリンとは何度か戦った事がある。
確かにゴブリンよりも強く、そしてサイズも大きい。
間違いなくあれはホブゴブリンだ。
ただ、今までのホブゴブリンと決定的に違う点がある。
それは、マッパ。
本来隠すべき所に何も無い。
2階層のオーク同様にマッパだ。
そして、海江田さんが大きいと言っていたけど、この距離からでも確認できる。
確かに大きい。
2階層のオークに勝るとも劣らない。
しかも完全に臨戦態勢だ。
……なんでだよ。
ようやく2階層を抜けても、またマッパ。
このダンジョンはいったいどうなってるんだ!
「嘘でしょ」
「また……」
「流石にちょっと……」
女性陣の心の叫びが聞こえてくる。
もう、やるしかない。
「海江田さん、山田さん、いけますか?」
「いかざるをえないだろう」
「俺は正直もうお腹いっぱいっすね」
「じゃあ、いきましょうか。英美里達もフォローは頼んだ。必要ならスキルも使って!」
俺達は覚悟を決めてマッパーゴブリンの群れへと走る。
距離が近づくにつれ、その大きさもハッキリと識別できるようになるが、あれだけ丸出しって事はオーク同様アレは弱点ではないのだろう。
そういえば、今回の強制依頼、このダンジョンのモンスターの駆除と沈静化という文言があった気がする。
特別な文言ではなかったので特に気に留めることもなかったけど、まさか沈静化とはそういう意味だったのか?
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