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鎮静

鎧のスケルトンは一体のみだ。

このまま手に持つ破岩でぶったたけばいける。

あれ……

脚が前に出ない。

明らかに先程に比べてスピードが乗らない。

だけど、スケルトンまではあと少しの距離だ。

三上さんと、岡島が注意を引いてくれているおかげでモンスターは背を向けている。

必死に脚を動かしスケルトンへと距離を詰め、破岩を振りかぶりそのまま振り下ろす。


「イタッ」


キレのない俺の一撃はスケルトンの鎧の隙間を捉える事ができず、鎧へとヒットしてその衝撃に思わず破岩を手放してしまった。


「御門くん!! 『ヒーリング』」


明らかにさっきとまでとは違う。

渾身の一撃を放ったつもりが身体の力が抜けていくいくような感覚があり狙いが定まらなかった。

ただ、神楽坂さんがスキルを発動してくれたおかげなのか、僅かばかり先程まで感じていた熱が戻ってくるような感覚と共に再び身体が動く。

地面へ落ちた破岩へとスライディングして拾い上げ、こちらへと向いたスケルトンへと刃を突き入れる。

今度は手元がズレないよう全身で刃を押し出しスケルトンの首を落とす。

やった。

どうにか目の前のモンスターを倒した。

そして、それと同時に全身から力が抜けていく。

なんとなく理解できる。

あの異常な熱さが普段ではありえないほどの力を与えてくれた。

その熱が急速に冷めていくと同時に身体の動きが鈍くなっていった。

おそらくは反動。

あの動きの代償。

目の前の敵は倒したけど、これで終わりかはまだわからない。

まだ、ダメだ。

破岩が重くて支えるのが厳しい。

手に持つ破岩を支えにして踏ん張るが、その場に立っている事もきつい。


「御門くん? 大丈夫?」

「あ、ああ……」

「御門くん、顔色が悪いよ。もしかしてまだ怪我が痛む?」

「いや、そうじゃない」

「御門〜! 助かったみたいだぞ! ヤバかったな」

「御門、本当に大丈夫? 舞歌の言う通り顔色悪いよ」

「あ、ああ」


本当に終わった? たしかに魔法陣が再び光を放つ気配は無さそうだ。

その状況に、どうにか繋いでいた気力が途切れ地面に尻もちをついてしまう。


「御門!?」

「ああ、ちょっと疲れたのかも」

「胸は? 怪我は大丈夫なのか?」

「ポーションが効いたんだと思う。もう痛みはないから多分治った。もちろん神楽坂さんの『ヒーリング』も」

「それならいいけど。それにしても今のは何だったんだ? 一階層でもあんなヤバいのが出るのか?」

「いや、あんなのは初めてだ」

「御門が倒したアイツがスケルトンを喚んでたって事だよな」

「そうかもしれないな」


岡島が言うように、新たなスケルトンが現れなくなったと言う事はそう言う事なんだろう。

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