少女は冒険者になった!
ギルド支部の受付けのお姉さんは信じられないと言った表情で私の手の甲とくぅちゃんの額を見比べていた。
「それで貴方の種族は…、人の姿をしているのは一体…、なぜそんなに小さい子供と契約を…」
キャパオーバーしてる。私はお姉さんに同情した。
気にせずくぅちゃんは質問に淡々と答えていく。
「前はフォレストウルフの亜種で登録したはずです。物心ついた時から森にいたからわかりませんね。人のいる場所で過ごすには人の姿が便利だと使って良いと言われたので、前の主人の姿を真似させてもらっています。メーナと契約したのは、」
そこでくぅちゃんは一旦言葉を切るとこちらを見てふわりと微笑んだ。だから何度もそんな事しなくていいから。
「放って置けなかった、からですね。」
ガタガタガタっと音がする。見ると受付けのお姉さんはデスクの横に置いた書類を崩してしまっていた。
なんて絵に描いたような。これはもしかしたらくぅちゃんに惚れちゃったやつなのではないか。
「それで今日は私の人権申請とこの子のギルド登録と故郷からの追跡調査拒否、従魔登録をお願いしたいのですが。前の従魔の証はこれで一定年数の条件はクリアしている筈です。」
「わかりました。今お調べします。」
くぅちゃんの従魔の証を受け取るとお姉さんは石板をタッチパネルの様に操作して調べた。意外とハイテクだ。
「確認が取れました。念のため前の主人の名前をお願いします。」
「アルフ・クックで登録しています。」
「…はい、大丈夫です。意思疎通も問題無いのですぐに人権申請も通るはずです。それと、提案なのですがメーナさんを養子にする事も可能ですよ。その、従魔登録をしてしまうと人権保証の中の婚姻だけ出来なくなってしまうので……」
そこまで言うと受付けの人はゴニョゴニョと語尾を濁した。垢抜けた化粧と染まる頬が可愛らしい。ジッとくぅちゃんを見あげるとくぅちゃんは顔を少し引き攣らせた。
「その予定は今のところ無いので大丈夫です。この子に私の財産を好きな時に使える権利をあげたくて。」
書類の記入と必要な手続きは全部くぅちゃんがやってくれた。
2日後全ての申請が通って晴れて私は冒険者になった。
従魔の証のイヤリングがくぅちゃんの右耳に光る。私は新品のギルドカードを眺めてニンマリした。




