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少女は不安を精一杯隠した。



ふと、窓の外を見ると夕焼けが綺麗だった。


ボンヤリと少し前に起こった元カレの裏切りを思い出す。私が自分の事情を怖くて全部伝えられなかった事も思い出す。


それでも私はずっと自分の幸せの為に頑張ってきた筈なのに。何でまだ他人なんかに振り回されているんだろう。中途半端に期待して、中途半端に諦めて、私ほど不誠実な人は居ないんじゃない?


次の休みまでの食事の作り置きを作っていた。

家族から離れる前の何も出来なかった自分から今はひとりで生活出来るようになった。それだけで充分じゃないか。


私はいつになったら幸せを感じる事ができるんだろう。


「お空、おそら、まっかっかできれいだな」


ふらふらと包丁を持ったまま窓に近寄る。

私はいつまで、自分の幸せの為に頑張らなくちゃいけないんだろう。


「疲れちゃったな、私、疲れちゃった。


私、頑張ったから、すごい頑張ったから、疲れちゃった。」


私の身体は予定されていたかのようにそう動いた。

それから私は最後まで綺麗なお空を眺めていた。


目が覚める。嫌な夢を見ていた。

くぅちゃんは…寝てる。よかった多分伝わっていない。

早く忘れないと、あの時の私の精神は他の人に見せていい物では無い。


一度頼ってしまったら普通に戻れなくなってしまいそうで怖い。本当はもう知られていて気遣われていたら怖い。いつかくぅちゃんが疲れてしまったら怖い。


声を押し殺す。早く泣き止まなくては。

くぅちゃんの尻尾がふさりと寄せられる。すこし縋らせてもらおう。ヨダレをつけてしまったと朝に謝ろう。


「おはよう、メーナ」

「…おはよう」


不安になっている事は伝わっているのだろう。

くぅちゃんは安心させるように微笑んで頭を撫でてくれた。

この気持ちを声に出して謝ったりお礼を言う勇気はない。今はまだ。



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