少女はズボンを握りしめて辺りを窺った。
3日程歩いて着いた村は街道沿いの少し森が開けたところにあった。大規模なキャラバンが領都へ向かう途中に立ち寄る場所らしく貸しコテージを村で運営しているそうだ。牧場が多く牛を放牧している土地が目立った。
キャラバンが立ち寄るのと被ったらしく村は賑わっていた。
くぅちゃんは今回、冒険者の姿で村に入った。
商店街のような通りは肉屋や革物屋、チーズなどの乳製品を売る店が多い。
商魂逞しい肉屋のおじさんが店の前へ焼き台を出し、串に刺した肉を焼いて売っていた。ネギと肉を交互に刺して焼いている串がちょっと懐かしい。
「ねぎま…」
くぅちゃんは私が興味を惹かれているのに気づく。
「食べるか?」
「うん。」
くぅちゃんは鞄からお金を取り出し支払いを済ます。
お金持ってたんだ。串は塩味で肉の旨味とネギの甘みが引き立っていて美味しい。
「子供で冒険者か。嬢ちゃんしっかりしてて偉いな。」
急に話しかけられて咄嗟にくぅちゃんの陰に隠れてしまった。くぅちゃんのズボンを掴みそっとおじさんの方を窺ってから気づく。ちょっと最近幼い行動しすぎじゃないかな!?
これはいけないと思い挨拶をしようとくぅちゃんの陰から隣に移動する。串焼きの感想も言えば満点の挨拶のはずだ。
「メーナ。ななさい。串焼き美味しいよ。」
……………。
なにかが違う気がして来た。考えるのをやめた。
「そうか、そうか。ありがとうなぁ。本当にしっかりした嬢ちゃんだ。にいちゃんも助かっているだろ」
「ええ、とても助けられています。」
くぅちゃんは答えると私の頭を撫でる。恥ずかしがっているの伝わっている筈なんだけどなあ!?
「干し肉も扱っているから旅に出る時はぜひ寄ってくれ。キャラバンが居る間は串焼きもやってるから。ちなみに使っている野菜は向かいの八百屋から迷惑料として買わされたやつだ。」
「わかりました。しばらく滞在する予定なのでまた寄らせてもらいますね。」
くぅちゃんに手を差し出れて気がついた。ずっとくぅちゃんのズボンを握りしめてた。…考えるのはやめておこう。
役場兼ギルド支部でコテージの手続きをした。コテージは吹き抜けのある2階建で結構広々としていた。




