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魔術師、異世界をソロで往く 過去編 第1部  作者: 迷子のハッチ
第5章 魔女ラーファと竜騎士の卵達
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第68話・1 竜騎士見習いの戦(1)

 飛竜舎で竜騎士の卵たちと朝練に励むラーファに会いにイガジャ男爵様が来ました。

 飛行訓練が在った日の次の日は飛行訓練は無く、座学か軍事教練と成る。


 マーヤがラーファへ教えた彼の方の知識から飛竜の飛行方法に沿った内容を検討してラーファが飛行術や医学のカリキュラムを決めた。


 飛竜の事や医学以外の軍事面はラーファには教えられないので、教師として領兵からダンガー隊長が領兵と共に魔女の城塞にやって来て教えて貰っている。

 魔女コースの5名には領兵から身を守る護身術や戦略的な考え方を学べる貴重な時間に成っている。


 騎士コースのレイとアリスは飛竜舎での学び以外にイガジャ男爵さまのお城で領主の子供として専門教育が在る為、飛竜舎を休む日や時間帯が在る。

 ラーファは内容については知らないが、男爵様に依ると専門教育と言っても昔からのイガジャ家の子供へ行う修行だそうです。


 『絶対忍者の訓練だよ!』マーヤは楽しそうで良いわね、レイもアリスも内容は言わないけど厳しそうだしね。


 魔女コースの5名は飛竜乗りの魔女としての面が強く、魔女見習いが主で竜騎士が副として学んで居る。

 それでも飛竜に乗る以上、騎士として行動する必要が在るので軍事的知識も初歩的な知識や実践ぐらいは学んで居る。

 竜騎士の騎士として必要な知識は座学と実践で学んで行く。

 必要と思われるのは偵察の知識と方法、空からの攻撃方法と訓練、一般的な軍事的知識と戦いの歴史から学ぶ戦い方と補給の手段など、飛竜乗りと戦う騎士の両面を持つ為学ぶ知識は多い。


 飛行は座っているだけと思われているが、とても体力を使う。

 その為地上での柔軟体操や筋トレが朝晩の日課に組み込まれている、マーヤは飛竜と遊んで居れば自然に身についている様だけど、ラーファは鍛えないと直ぐにバテてしまう。


 『ラーファは体力無さすぎだよ、魔術師は鍛えなくても魔術が使えれば良いのだ!とか言ってるからだよ』

 マーヤに言われて鍛えている積りだけどなぁ。


 「日課の時は出来るだけ参加してトレーニングをしている積りだけど」

 魔女の仕事が多くたまにしか日課に参加できないのでラーファの体力はいまだに少ない。


 『いつまでも積りとか言ってるから身に付かないのよ、もっと遊べば体力も身に付くよ』


 「ラーファは大人なの、マーヤみたいに時間が在れば飛竜と遊んで夕ご飯を食べたらお風呂の中でも寝てしまう子供と違うのよ」


 『言い訳しない! 体力が無いのは事実よ』マーヤが容赦してくれない。


 マーヤに言われてラーファは毎日朝起きて直ぐに飛行場で竜騎士見習い達のトレーニングに参加して汗を流すことにした。


 その初日にトレーニングで汗を流していると、使用人頭のラスがやって来てイガジャ男爵さまがおばばとラーファに面会に来ていると告げに来た。

 「イガジャ男爵様が、こんな朝早くから何事なのでしょうか?」


 「分かりませんが、何か頼み事の様でございました。」とラスも思案顔です。


 ラーファは急いで部屋へ帰り神域で体を拭いて着替える。

 そのまま応接室へと行き、ドアの前で中のおばばに声を掛けた。

 「おばば、ラーファです中に入ってもよろしいでしょうか?」


 返事は直ぐにイガジャ男爵様から来た。

 「待ってましたぞ、早う中へお入り下され。」


 部屋の中に入ると、おばばと男爵さまがテーブルの上に地図を広げて向かい合って座っていた。

 どうやら地図の中の場所について話していたようです。

 おばばが少し横にずれて横に座る様に促すので、ラーファはおばばの隣へ移動した。


 「イガジャ男爵様おはようございます」と挨拶したら、「おはようラーファ様。」と軽く頭を下げて挨拶を返す。

 男爵様の様子は朝早くからやって来たにしては落ち着いているので、緊急事態では無いのだろう。

 ラーファは椅子に座りながら、男爵様から話すのを待つことにした。


 「ラーファ様も見えられたので、今日の要件を話す事にしますじゃ。」男爵様が居住まいを正して話し出した。


 「実は、イガジャ領の北、イルク山を超えた向こう側は西の大公領と成っておる。」と地図でイルク山の山頂北側一帯を指で示した。


 「その一帯にはイガジャ族と血縁のコガジャ族が住んでおるんじゃ。」

 ラーファにマーヤが念話して来た『伊賀に甲賀、やっぱり忍者だよ!』


 「元々同じガジャ族と言っていたらしいが分かれてからはイとコを付けて名を分けたんじゃ。」

 「今でも血縁の一族じゃから連絡は取り合って居る。」

 男爵様が顔を顰めてこれから話す内容を選んでいる様です。


 「実はな、コガジャ族の族長から救援の知らせが来た。」


 不穏な気配がします。

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