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魔術師、異世界をソロで往く 過去編 第1部  作者: 迷子のハッチ
第5章 魔女ラーファと竜騎士の卵達
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第68話 竜騎士見習いの飛行訓練(2)

 竜騎士学園? 学び舎での学習内容です。

 マーヤには飛行服も専用の鞍も無いので、ラーファが特別に鞍へ座れる様な型の着ぐるみを作った。

 着ぐるみは背中部分に落下傘が入った背嚢を付けて厚みを出し、鞍のベルトで締め付けてもマーヤがきつくならない様にプロテクターが入っている。


 頭にすっぽり被るヘルメットはプロテクターに直接固定されているので外が見えるのは前面に在る樹脂製の風防だけに成る。


 マーヤには空間把握のスキルが在るので全然見えなくても把握できるけど、色は把握出来ないので前だけでも見える様にしてみた。


 ヘルメットには耳が二つ付けてある、他の竜騎士見習いだと肩の位置に当たる部分でベルトが体を固定しているが、マーヤは身長が足りないのでヘルメットに耳を付けて其の耳にベルトを通して着ぐるみ毎体を固定している。

 竜騎士見習いも大人の体格よりだいぶ華奢なので肩の位置を下げて対応できるようにしているが、マーヤには対応できなかった、それでヘルメットに耳を付ける事に成った。


 マーヤが着ぐるみを見て、見た目が胴体と頭の大きな手足が短い猫に見えるので猫ぐるみと名付けた。

 ラーファはウサギだよね、と思っているがマーヤが猫と言うなら大きな耳の猫なのだろう。


 落下傘は彼の方の知識からラーファが作った。

 マーヤ自身は飛空で空を飛べるのでいらないと言ったのだが、ラーファが強引に作ったのだ。


 ラーファは其の内落下傘を竜騎士の標準装備品にしようと考えている。

 今は訓練する為の設備も知識も足りないので、飛空が使えるマーヤにお願いして色々試してみたいと思っている。


 マーヤを猫ぐるみに放り込んだ後、ワイバーンの鞍にベルトで固定する。

 ビースィはマーヤが乗るので嬉しそうだ、「ふんふん」鼻を鳴らして首を動かしている。


 ビースィにはマーヤの後ろへ後2人乗れるので待機中の竜騎士見習いの中から2人を選ぶ。

 ラーファもキーグへ乗る為後ろに乗る2人を選んで、各自が鞍にしっかり安全帯を付けたか確認をして行く。

 全員の飛竜の乗騎を確認し終わって、ラーファもワイバーンに乗る。


 メスのピースィにマーヤが乗り、後ろにアリスとポリーが乗る。

 オスのキーグにラーファが乗り、後ろにレイとミンが乗る。


 アタ、タマラ、リナは次の飛行まで地上で待機だ。


 全員革の飛行服にゴーグルをしている、魔女見習いはその上に魔女のマントを羽織っている。


 アリスがゴーグルをした頭を振って飛行服を引っ張っている。

 「わたし、ゴーグルは虫が目に入らないで済むから助かるけど、この革の服は暑すぎて嫌いよ」


 ポリーがすかさず反論する。

 「そんなこと言って空高く上がれば革のありがたみが増してくるわよ」


 マーヤはラーファがゴーグルを作った高空の風と冷気対策と言う理由を知っているので、二人の話を聞きながら地上近くを飛ぶ事が多い飛竜と高い高度を飛ぶ飛行機の違い思った。


 地上近くを飛ぶ時は飛竜の飛ぶ速さは4コル(1時間)で20ワーク(30㎞)位が巡行速度なので、ゴーグル無しでは正面から吹き付ける風に虫が居れば見て避ける事は難しいし小さい虫だと無理が在るだろう。


 革の飛行服にしても1/3ワーク(500m)の高さまで飛べば夏と言えど涼しい、更に上昇すれば革の断熱効果が発揮されるだろう。


 でもそんな事をアリスが分っていないはずが無い、恐らく革の手入れが面倒なので嫌なのだろう、常にクリームを塗って手入れする必要が在る為、すぼらな面のあるアリスは面倒だと思っているのだ。


 後ろの二人もピースィも用意が出来た様だ、「ラーファ!いいよぅ」マーヤがラーファに出発の準備完了の合図を出す。

 それを受けてラーファが「ピピピーッ」とワイバーンと飛竜達へ出発の合図を出す、飛行開始だ。


 ワイバーンも飛竜もメスの方が体が大きく群れのリーダーはメスが成る事が多い。

 今回も群れのリーダーのマーヤが乗るワイバーンのビースィが先に飛び立つ。


 魔女の城郭に作られた滑走路から僅かな助走で空へ飛び立つ。

 後から飛竜も次々と飛び立ち、飛竜が飛び立った最後にラーファの乗ったワイバーンのキーグが飛び立つ。


 ビースィを先頭にしてカカリ村の上空を円を描いて飛ぶ、その後ろへと上空で互いに鳴き交わしながら編隊を組んで行く。


 最初に教官としてラーファとマーヤが飛行し、後ろで見ている竜騎士見習いが次に前の席へ座って同じ航路を同じように飛行する。

 ラーファもマーヤも後ろの席に移ってその飛行を見守っている、ラーファは教官としてマーヤは群れのリーダーとして、又何か事故が起こった時に飛空を使って救助する為に居る。

 ラーファの合図に従って飛行し終わった竜騎士見習いから待機している者と入れ替わって行く。


 飛竜達は何度もワイバーンと飛行して編隊飛行の練習を繰り返し行い、様々な編隊の組方を学んで行く。

 飛行中に何度か口笛の命令で編隊を組み替える訓練を行う、ここでもラーファが後ろから見ていて列を乱す飛行をした飛竜を口笛で誘導して正していく。


 飛行訓練は昼7前(午前)と昼7後(午後)の2回合計3刻(6時間)も飛ぶ。

 一日が終わるとワイバーンを除いた竜騎士見習い達と飛竜達のどちらも疲れ果てた体で夕食の席に着く事に成る。


 飛行訓練を早めに切り上げていた竜騎士見習いの当番が、飛竜舎に帰って来た飛竜達のお世話をする、体を1頭づつ調べて異常が無いか調べ食事を用意する。


 竜騎士見習い達の訓練は結構きつそうですね。

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