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魔術師、異世界をソロで往く 過去編 第1部  作者: 迷子のハッチ
第5章 魔女ラーファと竜騎士の卵達
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第58話 プロローグ3年間(1)

 飛竜騒動から3年間の出来事(1)

 ラーファは飛竜が退治されて領兵達と一緒にイタロ・カカリ村に引き上げてから最初にした事は、イガジャ男爵様とおばばにラーファを入れた3人で今後の事を話し合い、決まった事の詳細を打ち合わせる事だった。


 基本は今後の数年間をラーファとマーヤが安心して過ごす為に幾つかの懸念する事柄を解決する事だった。

 イガジャ領に蔓延する風土病や肺の病気などの疾病対策、北の大公などのラーファを狙う輩からラーファ達を隠す事、などの対策をして安全に過ごす為どうするかを決めた。


 基本はイスラーファは行方不明に成り、新たにラーファと言う魔女見習いがおばばの家で修業を始めることに成る。

 魔女見習いに成れば疾病対策は魔女の仕事と成るので都合も良い。


 安心できる住処すみかが決まれば次はマーヤのお披露目と飛竜の卵をどうするかだった。


 マーヤの事はイガジャ男爵も奥様方からしっかりと教えられていた様なので落ち着いたら男爵家の方々へ披露する事に成った。

 問題は飛竜の卵が導く空への道だった。


 「「竜騎士じゃと!」」おばばも男爵様もラーファの提案にその意味する所を知って大声で叫んだ。

 やがて最初の驚きが収まり、少し冷静になって気持ちが落ち着くと二人とも飛竜に乗って空を飛ぶ事に強く心が引かれた。

 熱心な検討の末、イガジャ領で竜騎士の育成を始める事と成り、最初の仕事として飛竜の卵を孵す試みに挑戦する事に成った。


 ラーファの新たな身分を作る為、おばばの元で修業する新人として魔女見習いの入門許可を貰った娘に成った。

 使用人頭のラスから手紙とお仕着せの服とマントを貰った事にして魔女見習いの予備のお仕着せを頂いた。


 その後ラーファは、宿「山鳩の塒」をチェックアウトしてイガジャ男爵宅の前の広場から再び皆に見送られて飛行機で飛び立った。

 これは大公家や他のラーファに用事が在りそうな人達の目をイガジャ領から引き離す為だ。

 飛竜討伐でラーファは目立ちすぎた為、再び北の大公が目を付けてくるかもしれなかった。


 飛行機で飛び立てば何処へ行ったのか容易に知る術は無いだろうとの判断から、わざわざ目立つ飛行機でイガジャ男爵家を挙げての見送りや村人の見送りを受けて飛び立ったのだ。


 イガジャ領から南へ大きく離れた後西へと回り込み飛竜が居た崖の上に飛行機を着陸させた。

 神域へ飛行機を入れた後、家でマーヤと話し髪色変色ポーションの改良を行った。

 色素の量を大幅に増やしたので、ラーファの毛の色が焦げ茶色っぽくなった。


 外見も変えたいので耳を隠していた魔道具を改良して闇魔術から光魔術へ変えて耳の見え方を変える変装ミラージュの魔術を作った。

 新しいイスラーファの姿はイガジャ族の肌色と似た少し日に焼けたような色合いに成った。


 着ていく服装も変えた、下着は見えないけれど念の為おばば達と同じズロース(かぼちゃパンツ)とブラジャー代わりの胸紐を改良して下から支える様にした胸元までの短いシャツ。

 下着の上に新しく作った生成りに近い薄茶色の丸首シャツとキュロットスカート。


 上着は少し上等な物を用意して貰った、魔女見習いが着る灰色に染めたリネンに何かぐるぐる繋がった草か蔦の様な刺繍がされた丈が腰まで在るシャツだ。

 ラーファが着ると胸元や腰辺りがぶかぶかだったが、ラーファは何も言わずに下着に詰め物を入れて調整した。

 更に頭からくるぶしまで在る白いマントを羽織るので魔女見習いの姿は良く目立つと思う。


 その後ゴーレム馬で村の近くまで移動し降りた後は歩いて村へ帰った。

 村へ入る時に門番へ使用人頭のラスから貰った手紙を見せて村へ入る許可を得た。


 今後も門番には出入りでお世話に成るだろうと思い門番へ、

 「魔女のおばば様へ弟子入りした魔女見習いのなので何度も利用する事に成るので宜しくお願いします」とあいさつした。


 おばばの家までに村人から「誰れ?」と疑問の視線を向けられた、目立つ魔女見習いの服装だったので村人には気になる存在だったのだろう。


 おばばの家では総出で新たな魔女見習いの歓迎会と言う名目で帰還を歓迎するお祝いをしてもらった。


 翌日からラーファの新たな生活が始まった。


 最初に取り掛かったのは飛竜の卵を孵す為の孵卵器を作る事。

 神域のワイバーンから卵の孵化するまでの情報をマーヤに調べてもらった。


 マーヤから必要な温度と卵をひっくり返す間隔を得て飛竜の体温位に保った部屋に孵卵器(木の箱に麦わらや布を敷いた)を置き、竜騎士候補が卵を1刻(2時間)に1回程度の間隔でひっくり返す事にした。

 夜は2刻か3刻に1回位で良いそうなので卵の中の赤ちゃんも寝るのだと思う。


 竜騎士候補には、魔女見習いと其の候補の十代の4人とイガジャ男爵家の二人のお孫さんが任命された。

 ラーファは竜騎士の長を任命されたが、竜騎士見習いから見習いが取れたら彼らの中から隊長が選ばれる事に成っている。

 飛竜が成体に成るまで十年かかるらしいので飛竜に乗って飛べるようになる5年ぐらい先の予定になっている。


 マーヤのお目見えは竜騎士発足式に合わせてイガジャ邸で外部には秘密にして行った。

 男爵様の妻のボーデン様、息子のサンクレイドル様の妻のエイシャ様、二人の子供で竜騎士見習いとなったトークレイ君とアイリスちゃん。

 騎士見習いはラーファの部下なので名前は敬称を付けず呼び捨てだそうです。

 竜騎士見習いには他に魔女見習いのポリアンナとジャスミン、魔女見習い候補の共に12歳のベアタとダグマラが出席しています。


 他にもおばばとダンガー隊長、イガジャ男爵家のバンドル家宰などの秘密を守れる主だった使用人がその場に居てマーヤと竜騎士見習いとなった6人を祝福してくれました。


 3年間を一気に書く積りが最初から数日位しか書けませんでした。

 後数回プロローグが続きます。

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