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第50話 飛竜討伐(6)

 飛竜ですが、相手は象に翼が在るような大きな生き物です。

 オイラートの集落は西縁峠の登り口に在り、人口400人程の集落で主に山仕事で生計を立てている村です。


 集落に着くとオイラートさんが集落側の代表として出迎えてくれた。

 オイラート集落と名前が付いている様に代々この集落の長を務めている為長の名前で集落の名が呼ばれる習慣なのだそうだ。


 おばばからイガジャ族の話を聞いていたのでこの集落が傭兵の集落の一つだと思うと、急に集落の一人一人が闇魔術師の様な気がして思わず危機察知を行ってしまった。


 『ラーファ、何か危機が迫ってる?』マーヤが念話でラーファが危機察知を行った事を聞いてきます。


 『おばばの話ではイガジャ族の傭兵ってこんな集落の人達が雇われて諜報活動を今でも行っている事を思いだして、集落の誰もが闇魔術師かもしれないって思ったの』と経緯を説明する。


 『この集落には魔術師に成れるほど魔力の在る人は居ないわ、でも地面の下に岩で通路を作って後ろの山の中腹まで行けるようにしているよ』

 マーヤが調べたのだろう、集落の事を教えてくれた。


 『しかも中心に在る家の幾つかには隠し扉や抜け道の様な仕掛けが在るよ』

 集落の誰からも魔術師の様な魔力を感じ無いらしいので、魔術師では無くて普通の傭兵として家や村の作りはイザと言う時の抜け道なのでしょう。

 抜け道が在るとはやっぱり諜報活動している傭兵らしいとラーファは思う。


 イガジャ男爵様の村は昔からのお城なので地下に通路や貯蔵庫が在っていざという時に備えているのは知って居ましたが、こんな山の中の集落まで地下通路が在るなんてさすが傭兵の一族です。


 『さすが忍者の集落ね、この世界に忍者が住んで居るなんて吃驚びっくりした』

 マーヤが何やら彼の方の知識でブツブツ言っているのが念話に漏れています。


 オイラートの集落に在る広場に本部の建物と宿舎が数棟建てられています、2日前に着いている荷馬車隊による物でしょう。

 周りにはあまり人が残って居ないようなので、建物を建て終わったのでほとんど帰ってしまったのでしょう、残っているのは食事や身の回りのお世話をしてくれる数人と雇われている集落の人が何人か居るだけの様です。


 本部となる建物は入り口に広い部屋が用意されていて、奥に食堂やトイレなどの施設とイガジャ男爵様、領兵隊長、ラーファの3人用に個室が設けられていた。


 オイラートの集落までやって来た討伐隊は本部前の広場で解散して、明日から始まる討伐に備え隊を解散して各自の寝床を調べに散って行った。


 残ったのは、男爵様、隊長、ラーファと集落代表のオイラートさんです。

 本部の建物に在る会議室で、早速4人が集まり飛竜討伐現地打ち合わせを始める事に成った。


 何時もの様にイガジャ男爵様の言葉で始まった。

 「先ずはイスラーファ様、飛竜へのブレス無効化ポーションの使用は何時から始めますか?」


 少し考えて移動の疲れも無いので、ラーファは今日の夜からでも始めたい事を伝える事にした。

 「急ぐ訳では無いですが、ラーファとしては今日の夜にでも巣へ忍び込んで1匹づつ無効化して行きたいと考えています」


 「今日からだと毒餌や弩やロープなどの設置の用意が間に合うかどうか、ダンガー隊長その辺はどうなっている?」

 隊長さんの名前はダンガーさんと言う様です、顔を合わせてから数日経っているのに名前を始めて知りました。

 何時も隊長さんと呼んでいたので名前を聞くのを失念していました。


 ダンガー隊長が暫く考えてから発言した。

 「今日集落に付いた時点で餌の羊は集落に集めています、弩も現地で組み立てるのは直ぐですしロープの固定も時間が掛かる事は無いでしょう、明日から始めても十分間に合います。」


 報告書の様な紙の束から1枚を読んで報告します。

 「これまでの調べでは、飛竜が狩りに出るのは昼4時(午前9時)過ぎです。」


 「この集落を夜11時(午前4時)に出れば仕掛けを用意する時間も十分作れるでしょう。」


 ダンガー隊長の話を受けてイガジャ男爵様が決定した。

 「よし、では討伐は今日の夜から始める事にする、イスラーファ様よろしくお願いします。」


 「はい、任されました」神域に隠れながら巣へ近づけば飛竜の側まで近寄る事も出来るでしょう。


 飛竜の巣で行う任務の用意の為、ラーファ専用に用意して貰った自室へと入った。

 任務へ向けて今回も飛行服に着替える事にした、勿論神域へ行ってマーヤのお世話もする積りです。


 飛行服に着替えて神域から出た。

 ラーファは自分の部屋から出て食堂に用意されている夕食ジャガイモのパンケーキとグヤーシュを食べると、以外に美味しい味がして男爵邸で食べた食事並みの味をこの集落で食べれる事にイガジャ領の豊かさを感じた。


 食事の後、会議室に居た3人に出発を告げ、広場の土を使える場所で出したビューティに乗って出かけた。


 イガジャ男爵様達は静かに見送ってくれた。

 彼らにすれば闇に紛れてとはいえ5頭もの飛竜の群れの近くへと潜入する任務だ。

 生死を掛けた任務に出かける事は十分承知している、黙って見送るのは彼らに取って傭兵に出る村人を見送るのと心境は同じだろう。


 西縁峠へと続く峠道をゴーレム馬ビューティを駆って進む、あまり早く進むと音が響いて飛竜に聞こえても不味いので、峠道に差し掛かる頃ゴーレム馬ビューティから降りて歩く事にする。


 飛竜までは西縁峠を越えて道を下り、川に架かっている木の橋を渡り、薬の木の森を抜け、山の中腹から崖の上へと回り込みやっと飛竜の巣へとたどり着く。


 2刻(4時間)程時間はかかったが飛竜に気が付かれる事無く崖地の上の斜面に出る事が出来た。

 飛竜の巣が在る崖の上の小石だらけの平地へは、斜面から更に崖に成った段差を下へと降りなければ為らない。


 移動だけで結構時間が掛かりました。

 いよいよ次話はブレス封じを行います。

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