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第47話 飛竜討伐(3)

 おばばにマーヤの事を話します。

 ブレス無効化ポーションを10個作った。


 夕食は久しぶりに神域の家で何時ものほのかに甘いパンと庭の畑から摘んできたレタスとキュウリ、食料倉庫に在ったハムとチーズを持ってきた。

 パンに切れ目を入れてハムとチーズを挟み竈で少しだけ焼く。

 レタスとキュウリはそのままサラダにして塩を振り掛ける。


 麦茶とホットサンドにサラダで夕食をいただく、畑の野菜が甘みが増してすごく美味しい。

 そろそろハチミツを仕入れてほのかに甘いパンを焼かないと残りが少なくなってきた。


 『ねぇねぇラーファ、ワイバーンが成長して飛べるように成ったら馬具のように乗れる鞍を作って移動に使える様に成ると良いね』

 マーヤはワイバーンライダーに成りたいようです。

 樹人の中には空を飛ぶ生き物を調教して乗りこなしている樹人もいるようですけど、別の太陽系の話ですし、マーヤがワイバーンで飛べたらこの世界初の事に成るのでしょうね。


 でもまだまだ早いよ。

 『マーヤが乗れるようになるには10年は成長を待たないと乗る事さえ出来ないと思うよ』


 『ラーファが乗れば良いよ』マーヤが怖い事を言ってます。


 ラーファにはワイバーンは恐怖の対象であって馬みたいに乗る事なんて怖くてできません。

 『怖いから絶対乗らないわ』


 『大丈夫、大丈夫、慣れてくれば絶対に大丈夫だよ』マーヤの言い方が胡散臭いです。

 ラーファにワイバーンへ騎乗させて不具合の洗い出しをさせる気なのでしょう。

 自分が乗れるぐらいに成長したら直ぐにでも乗れるようにする為と見たわ。


 『ラーファには飛行機が在るからワイバーンは必要ないわ』

 ここで断らないと何時ものように押し切られてしまいそうで怖い。


 『でもねぇラーファ、今度の飛竜討伐で卵が幾つか手に入りそうだよね、卵から飛竜を育てたら人が乗れる群れを作れるよ』マーヤが討伐後の事を言ってきます。

 確かに飛竜の卵が手に入りそうですが卵を孵して飛竜を育てる事は考えてもいませんでした。


 魔女のおばば達が飛竜に乗って各村を回る事を想像して、それは良いかもしれないと思ってしまった。

 女性の一人旅はとても危険だと注意された事がラーファには何度も在ります。

 飛竜に乗って村から村へと空を飛べば危険は無くなるのではないでしょうか。


 明日この件はマーヤを紹介する事と合わせておばばに相談しよう。

 『分かったわ、飛竜でもワイバーンでも乗る事にするわ』

 マーヤに勢いで宣言したけどやっぱり怖い。


 マーヤを何時までも引き籠りにしていたからワイバーンなんかを再生しようとするのよね。

 『おばばに明日相談するから、飛竜の卵の件は少し待ってね、その時にマーヤをおばばに紹介するからね』


 マーヤを紹介するのだから主役のマーヤには、紹介する時の心の準備をしてもらおう。

 『それでね、明日出かける時にマーヤを籠に入れて神域の入り口に置いて置くから、そこで大人しく待っててね』

 『わかった、おばば様に念話で挨拶するの?』

 『それはまだ秘密よ、他の樹人の赤ちゃんでも片言でしゃべれるように成るのは2,3歳からよ』

 『わかった、じゃあ寝たふりしておくね』


 愛想笑いぐらいしてくれても良いと思うけど、寝顔が可愛いからそれでも良いですね。


 翌日の昼3時(午前8時)にマーヤを籠に入れて神域の入り口に置き、マーヤに手を振って出かけた。


 おばばの家を訪れたラーファは家に居たおばばに飛竜討伐の話の前に別の相談がある事を告げた。

 「おばば、先日の男爵様宅で食事した時にお話があると言った事を覚えていますか?」


 ラーファの問い掛けにおばばはその事かと納得した様に頷いた。

 「覚えているよ、飛竜騒ぎで忘れていたが、今ここで教えてくれるのかな? わたしゃ出産にも豊富な経験が在るから、不安に感じている事が在ればいつでも相談に乗るよ」

 気の早いおばばが気を回し過ぎて空回りしています。


 「確かに子供の事で相談したいのですが、妊娠や出産では無くて出産して1月半になります我が子の事で相談したかったのです」

 おばばは口を開けたまましばらく固まってしまいました。

 「ほえぇ、出産して1月半じゃと?」


 ジロジロとラーファを見て首を振りながら「分からん分からん」とつぶやいています。


 彼の方に神力で癒してもらったのですから、出産後の体形の変化は最小限だと思います。

 でもマーヤを見せれば納得するでしょう、早いですがマーヤのお披露目をしましょう。


 神域を開けてインベントリから出した様に見せながらマーヤを入れた籠を取り出しました。

 「この子です、マーヤニラエルと言います」


 マーヤは眠った振りが本当に寝てしまったようでスヤスヤと寝息を立てています。


 「めんこい子じゃのう、女の子かえ?」おばばはマーヤを見た途端おばあちゃんに成ってしまった。

 マーヤを起さない様に籠ごと持ち上げて、マーヤの顔を覘きます。


 「はい、女の子です」マーヤの可愛さは誰にも敵いません。


 いよいよ相談の内容を話す事に成ります、ドキドキしますね。

 「相談したかったのはこの子を育てている事を大公様や王様に知られたくないことです」


 おばばの顔を見ながら話します、おばばはラーファの話の先が分かっているようです。

 「彼らから秘密にしてもらえないか、秘密に出来そうに無いなら黙って居た方が良いのかお聞きしたかったのです」


 「私に相談するって事は男爵様へ知らせるか知らせ無いかと言う事だね」


 「はい、そうです」おばばには知られても秘密は守ってくれるでしょう。

 おばばの人柄も在るでしょうが、おばばにとって大切なダキエ医療の習得と言う人質が在ります。

 ラーファが居なければ学ぶ事が出来ないのですから。


 問題は大公様の支配下にある男爵様です。


 竜騎士の目が出てきました。

 この事件が竜騎士と関係が在るのかは分かりません、今は遥か未来の千年先の話です。

 次はイガジャ男爵家の秘密が分かります。

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