表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/120

第46話 飛竜討伐(2)

 ブレス対策のポーション作成です。

 持ってこられた飛竜の尻尾は大きな桶に入れられて、2人掛かりで運ばれてきました。

 飛竜の尾の全体がぐるりと丸く輪に成って桶の中に塩漬けに成っている。


 「イガジャ男爵様この尻尾の根本の部分を切り取って、頂いてもよろしいですか?」

 ラーファは尾の付け根を持ち上げてイガジャ男爵様へ言った。


 「元はイスラーファ様が狩った飛竜じゃよ、好きなようにされるがよろしかろう。」

 男爵様はラーファの好きにさせてくれるようです。


 必要なのは飛竜の生命情報が取れれば良いので一番太い部分の肉と骨を切り取れば大丈夫でしょう。

 「ありがとうございます、この尻尾の根本を1キュビテ(30㎝)ほどいただきます」


 神域の入り口に置いて在る棚からミスリルのナイフをあたかもインベントリから出したように装って取り出すと。

 塩漬けされていても生命情報はまだ残って居ると思われる厚みのある部分を1キュビテ(30㎝)ほど切り取った。


 切り取った尻尾の肉とナイフを神域の入り口に置いてある棚へと仕舞う。

 男爵様から見るとインベントリへ肉やミスリルのナイフを仕舞ったように見えていると思う。


 『マーヤ、いただいた尻尾は棚に置きましたよ』マーヤへ飛竜の肉が手に入った事を伝える。


 『ありがとう、今神域に取り込んでいる所だよ、直ぐに分析を始めるから終わったら神域にワイバーンを住まわせるね』

 ラーファはワイバーンが神域に出現する事が確定してしまった事をやっぱりかとあきらめの心境で聞いた。


 せめてポーションの作成は早めにしたいのでマーヤに釘を刺しておくことにした。

 『いや、ワイバーンの事は別にして、ブレス無効化ポーションの魔術陣を作って欲しいのだけど』


 マーヤはワイバーンが手に入ったのでとってもご機嫌の様です。

 『分析が終われば付加をどうするか決まると思うよ、直ぐに終わるから待っててね』


 ラーファは飛竜のブレス対策はこれで何とかなると思った。


 「イガジャ男爵様、飛竜の肉をいただけてありがとうございます、この肉を調べればブレス無効化ポーションが作れるようになるのでしばらくお待ちください」

 男爵様にポーションの作成を請け負う事を伝える。


 「おお、ブレス封じが出来るのか、ブレスさえ封じる事が出来れば近寄る事も出来るし飛竜を倒すのも容易になる、だがポーションを作るのにどの位かかるのかね?」

 男爵様は大変喜んでくれたが、ポーションを作る時間が気になるようだ。


 「はい、そうですね、今すぐ作り始めれば明日の昼までには作ってきます」

 そろそろマーヤの事が気になるので、ラーファは早く作り始めれば明日にも出来ると請け負った。


 「それは素晴らしい、討伐に付いては儂らで大まかな事は決めておくから、イスラーファ様は直ぐにポーションの作成に取り掛かって欲しい。」

 男爵様がラーファの意を察してブレス無効化ポーションの作成の為にこの場から出て行く事を了承してくれた。


 「ありがとう、イスラーファ様にはとても感謝していますぞ。」

 男爵様はとても喜んでラーファの手を取り、ブンブン振り回しながら感謝の言葉を繰り返した。


 「ポーションの使用方法ですが、風に乗せて飛竜にポーションを振り掛ける事に成ります、効果が続くのは魔力が抜けるまでの10日間です、飛竜のブレスを無効化する事はラーファで請け負いますので、後の事はお任せします」

 男爵様に振り回されて少しふらふらしながら、執務室の4人に後の事を任せて部屋を出る事にした。


 「では、ブレス無効化ポーションを作成する為に宿へ戻ります、飛竜討伐には参加しますので明日の朝におばばの家へ行きますからその時に討伐の詳しい内容をお聞きしますね」

 ラーファはブレス無効化ポーションを作る為に宿へと帰る事にした。


 飛竜を倒す方法は彼らに任せて大丈夫だろうと思う。

 ラーファがブレス無効化ポーションを作って飛竜に風の魔術で振り掛ければ、降ってわいた飛竜騒動も収まるだろう。


 ラーファは直ぐに男爵様の執務室を出ると、宿へと引き上げた。

 マーヤのお世話をしないと偵察の前にしてから2刻(4時間)近く経っている。

 マーヤがとてもご機嫌だったのが気になる、マーヤはうんちの後で機嫌が良い事が多いのだ。


 宿に帰って、神域に入ると家へ急ぐ、部屋に入った瞬間から匂いで分かった。

 マーヤから着ている全てを脱がせて汚れはトイレに流し、熱湯で洗濯した。

 汚れてご機嫌なマーヤもお風呂へ入れる、マーヤは終始キャッキャッとご機嫌だった。


 マーヤに授乳を済ませ、ベッドへ寝かせた。

 マーヤは寝ないで肉片の細胞からワイバーンを再生をするそうだ。

 ブレスを無効にするポーションへ付与する魔術陣は念話で画像として送って来た。


 魔術陣は、魔力の行使を不発にする部分とナパームの様な油性唾液を吐き出す機能を止める部分から出来ている。

 ポーションが掛かると体内に入り、魔石と唾液をコントロールする神経に作用し効果を発揮する。

 効果は魔力が抜けるまで10日ぐらい続くだろう。


 回復や魔力回復ポーション作成で作った空ポーションの残りを倉庫から出してきた。

 空ポーションにブレス無効化の付与を施して10個作った。

 5個は恐らく使う事は無いだろうけど、今後同じことが在る場合に備えて取って置こうと思う。


 ビェスや男爵達4人は執務室で夜遅くまで話し合うのでしょう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ