表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/120

第45話 飛竜討伐(1)

 ブレス対策を決めます。

 マーヤが念話でラーファに突然話しかけて来た。


 『毒は効かないと思うよ、魔石生物の特徴は魔石による肉体強化だから毒毎消化しちゃうと思う』

 毒餌がマーヤの考えでは効かないのなら毒ポーションなら効くのでは?


 『マーヤ、毒を付与したポーションで倒せない?』ラーファは毒の効果を付与したポーションなら魔石生物にも効くかもしれないと思ってマーヤに聞いて見た。


 『毒を付与したポーションは作らないよ、ラーファも分かると思うけど、毒付与ポーションを作ったらその先には人への使用へとつながる事に成るよ』マーヤが強く念話して来た。


 『そうだった御免ねラーファが浅はかだった』後先考えずにマーヤに頼んだことをラーファは恥じた。


 『でもブレスを封じる弱体効果を付与したポーションぐらいなら作っても良いよ』マーヤは今さっき言った言葉に矛盾するような事を言って来た。


 『マーヤ、それは毒じゃないの?』ラーファは恥じ入ったばかりなのにマーヤの言動に振り回されてめまいがした。


 『毒じゃ無いよ、生物の特定の機能を制御する事は医療にも農業にも通じる事だよ』マーヤの言い方だとそうなのかもしれないけどラーファは毒と弱体効果が同じに感じられてどうにも納得がいかない思いだ。


 弱体ポーション以外でも土魔術を使えばブレスを防ぐことが出来る。

 でも、土魔術で防壁を作って中に籠る事は出来ても攻撃が出来ない、村人を守るには良いだろうけど。

 現状ブレスへの対処はマーヤの言う事ぐらいしか対処方法がなさそうだった。


 では、ブレスを使えなく出来れば1頭づつ対処する事も、巣に居る群れを丸ごと倒す事も考えられるだろうか?


 崖の上だから人数も多くは投入出来ないだろうし、飛竜に有効な攻撃手段が弩ぐらいしか無い。

 ブレスを封じた群れを襲っても良くて半数を倒せれば良い方だと思う、1頭も倒せず怪我を負わせるだけの可能性の方が高い。

 空に逃げられればお終いだし、網などで翼を使えなくすれば良いのだがそれも難しいだろう。

 群れを全部覆うような網は大きくなりすぎて実用的では無いし、1頭づつでも飛竜は大きいので網を掛けるのに4,5人がかりに成るだろう。


 近寄って網を掛けたり、切りつけるなど死者を量産する無謀な戦いでしかない。

 現状、弩ぐらいしか有効な攻撃方法がない。

 結論としては、ブレスを封じても1頭づつの討伐が最も良い方法だろう。


 ラーファが色々考えているとマーヤが念話で割り込んできた。


 『ラーファ、ブレス無効化ポーション作成に飛竜の生命情報が必要なの、イガジャ男爵様にラーファが倒した飛竜の部位が手に入らないか聞いて見て』

 マーヤが飛竜の部位が欲しいと言って来たけど、マーヤなら手に入れた部位から飛竜かワイバーンを再生しそうで怖い。


 男爵様に頼むのは良いけどマーヤの意図に疑念を拭えないよ。

 でも頼むしか無いよね、飛竜の肉を調べればポーションを作るのも早いかもしれない。


 毒餌を使った飛竜討伐をラーファ以外の皆で詰めていた男爵様に向き直って手を上げて視線を惹く。

 「イガジャ男爵様、ラーファが倒した飛竜の喉の部位は手に入りますか?」


 「いや、飛竜の首から上は吹き飛んでいて残ってなかった。」落下した飛竜を見た男爵様が教えてくれた。


 「あ、そうでしたね、ラーファが吹き飛ばしたのでした」

 ラーファは飛竜に火球を撃ちこんだ時の事を思い出して納得した。

 ブレスを出そうとして口を開けた飛竜の口の中に火球を撃ちこんだのでした。


 「他の部位でしたら手に入るでしょうか?」

 体の一部でも残って居ればマーヤが解析してくれるでしょう。


 『神域に飛竜を飛ばしたら楽しいよね』マーヤがとんでもない事を念話してきました。


 ラーファはあの恐ろしいワイバーンが神域の空を飛ぶ姿を想像して震え上がった。

 『飛竜とかワイバーンの様な危険な生き物を神域に住まわせるのは止めて欲しいわ』


 『そんな事無いよ、可愛いと思うけどなぁ』

 マーヤはワイバーンを危険だと思わないのかしら、あれが可愛なんて絶対思えないとラーファは思った。


 男爵様がそう言えば山狩りへの参加の褒美で貰ったのがあったなと呟きながらラーファに言う。

 「尻尾の部分は私が貰ったので在るが、塩漬けして保存している、これは使えるかな?」


 『塩漬けで10日以上たっているけど如何思う』とマーヤに念話で聞いて見る。


 『魔石が在れば一番だけど、塩漬けしてからまだその位なら生命情報は取れるよ』

 マーヤが自信満々に念話して来る、自信が在るのだろうがマーヤのご機嫌な様子に疑念が湧いてくる。


 疑念は置いて、男爵様に飛竜の肉を貰い受ける方が先だ。

 「塩漬けでもまだ大丈夫だと思いますので、一部で良いので下さい」


 ラーファは貰い受けたいと男爵様に強請った。


 『一部でも塩漬けでも手に入れば元の体を復元して神石魔物に出来るよ』

 マーヤがワイバーンを神域で飛ばす事を夢見て念話して来るけど、ブレス対策で貰うのだからポーション作成を先にして欲しい。


 ワイバーンが神域を飛ぶ事への抵抗を諦めたラーファが、男爵様に礼をして感謝を表す。


 「分かった、今持ってこさせる。」男爵様が壁に控えている使用人へ飛竜の尻尾を持ってくるように言いつけた。

 マーヤの毒に対しての意見は彼の方の考えをそのまま受け継いでいます、まだまだ知識だけのおこちゃまです。

 男爵への飛竜の分け前が尻尾だけなのは多いのか少ないのか、残りの量からすると少ないけど、部位丸ごとなので希少性からすると相応かもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ