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第40話 飛竜の巣(1)

 イガジャ男爵に食事に誘われます。

 ラーファがお酒を飲まない事から妊娠中だと思われる事に。

 お酒の害に付いてはダキエ版樹人の知恵袋的な情報が在る様です。

 診療が終わった後、イガジャ男爵様の申し出で昼時と言う事もあり正餐を一緒にする事に成った。


 イガジャ男爵様の家の食堂で男爵様、奥様のボーデン様、御子息のサンクレイドル様と妻のエイシャ様とおばばとラーファの6人が出席者だった。

 サンクレイドル様には2人のお子様が在られるそうですが、まだお小さいそうで乳母と奥で食事していると奥様のエイシャ様が事情を説明してくれた。


 男爵家とラーファの顔見世と樹人から村人へ変装して住む事の秘密の共有を兼ねて信頼関係を今後作って行く為の正餐だった。

 イガジャ男爵様もサンクレイドル様もおばばさえも気軽に声を掛け合い、打ち解けた雰囲気を作り出してラーファを歓迎してくれる。

 お二人の奥様方も打ち解けた雰囲気を壊すことなく積極的に話に加わりラーファを気遣ってくれる。


 食事は飲み物としてワインを誘われたが、お酒は飲めないのでブルーベリーを絞ったジュースが在るそうなのでそれを貰った。


 ワインやリンゴの果実酒と共にベリージュースが出された。

 「お酒は嫌いなのかい?」とおばばが聞いてくるので。


 「いえ、嫌いではありませんが、今はお酒を控えているので半年から1年ぐらいは断酒する積りです」

 マーヤの乳離れが終わる頃を考えながら答えます。


 おばばを筆頭に女性陣はラーファについて何やら思いついたようだが、恐らくマーヤの事が知られるのは早いような気がする。

 おばばには近々マーヤの事を知らせて、くれぐれも秘密にしてもらう様に頼む積りだ。

 「おばばにはこの後、おばばの家で話が在ります、奥様方へはおばばの判断で話して下さい」


 「お酒を飲めない体質とかなのか?」

 イガジャ男爵様の遠慮のない声掛けが、女性達の内緒話を遮ってしまいました。


 「旦那様、後でお話があります、その事より食事を持って来る様に言って下さいまし」

 ギロリ、と言う表現がピッタリな目つきでイガジャ男爵様を見つめたボーデン奥様が言う。


 「おう、わ分かった。」

 男爵様は何か失敗した事が分かったようで、急いで使用人へ料理を持ってくるように言いつけています。


 正餐は何時ものように飲み物とカナッペが出て来る事から始まって、イガジャ男爵様が料理を運ぶように言いつけた後テーブルの上に幾つかの料理が並んだ。


 ジャガイモのパンケーキとスライスした黒パンが籠に入れられて各々が取りやすい位置に置かれた。

 グヤーシュと言うシチューが大きな金属の入れ物に入れられて持ってこられた。

 サイドテーブルに置かれスープ用の深皿へと注ぎ分けられて、主客のラーファを一番に次々と置かれて行った。


 「このジャガイモのパンケーキと共にグヤーシュを掬って一緒に食べるのがグヤーシュの食べ方じゃよ。」

 とイガジャ男爵様が先ほどの失敗をラーファへの助言でカバーする積りなのか説明してくれる。


 イガジャ男爵様が言われるように食べて見るとこれが肉のうま味とグヤーシュの酸味にジャガイモの油で炒めたうま味が混然一体と成って食が進んでしまう。

 「美味しいですね、ジャガイモのパンケーキとグヤーシュがとても良く合います」


 食後にセルニックと言う名のチーズケーキが出た、古くからのこの地方のお菓子らしい。

 お茶は家毎のレシピが在って奥様がその日の食事に会った物を選んで出すそうで、今日はフルーティな香りのするハーブティーを飲むようだ。


 正餐は打ち解けた雰囲気のままティータイムへと移り、ハーブティーとセルニックをいただき乍ら昼7前(午前中)に終わった診療の事へと自然に話題が移った。


 良い機会なので、イガジャ男爵様へは気に成っている怪我の治った人達の事を話そうと思った。

 「イガジャ男爵様、おばばからお聞きの事と思いますが、もし骨折以外で未だに痛みや不調が続く者が居たなら同じ様に治療したいのです」


 どう対応するのか、イガジャ男爵様の協力が必要なのでお願いしたい。

 「この村ならラーファが居ますからいつでも対応できますが、他の村の怪我人については診療に行く時に合わせて診療する積りです、他の村へお知らせ頂けるときに合わせて此の件もお願いします」


 「クリス(おばば)からも聞いておるよ、この村の怪我人はその都度対応して貰えればありがたい事じゃ、他の村へは一緒に診れるように連絡するようにするぞ。」

 快く引き受けていただけました、座ったままですが、一礼をして感謝を表した。


 今日の診療で怪我の治療は終わったので、今後の対応はおばばの所で行う事に成る。

 当分は宿からおばばの家へ通う事に成るだろう、そこでイガジャ男爵様からの連絡を待てば良い。


 さて、おばばの家へと一緒に帰ってマーヤの事を相談しようと思っていた時。


 ビェスともう一人の男がイガジャ男爵邸へ駈け込んで来て、その情報が耳に飛び込んで来た。

 「薬の木の群生地に飛竜が巣を作っています。」


 イガジャ男爵一家の家族構成の紹介です。

 女性陣は妊娠だと思っているようです、生まれた子供の姿が見えないのですから分からないですよね。

 またしても飛竜が出た様です。

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