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第37話 治療(5)

 治療が始まります。

 おばばの家を訪ねた次の日、昼2時(午前7時)にイガシャ男爵様の家へ行く。

 髪色を元の金髪に戻して宿の下へ降りると、カギを預ける時に宿の使用人と人違いだと問答に成ってしまった。

 宿を出る時そんな騒動が在ったけど、髪の色を元の色へ戻した事を説明すると納得してくれた。

 宿から広場を一直線に石橋まで来た。


 イガジャ男爵様の家へ行くと既に門は開いていて門番が2名、門の脇に詰めていた。

 その門番に挨拶をしながら状況を聞いて見る。


 「おはようございます、イスラーファと申しますがイガジャ男爵様と魔女殿の許可を得て今日お屋敷にて先日の騒動の時に怪我をされた方の診療をする者です」

 挨拶と目的を告げると、既に知って居る様で現状を知らせてくれた。


 「お聞きしています、既に魔女様はイガジャ男爵様邸へ来られております、今日の治療対象者も数名既に来ておりますので、どうぞ中へお入りください。」


 門番の兵士に言われて門の中へと入って行った。

 前回来た時と違って門を通った先の広場ではイガジャ男爵邸の前に長いテーブルを2つ並べて受付にしています。

 受付の使用人を前に家族とみられる人達に囲まれて数人の男達が杖を突いて立っていたり、腕を体に括りつけている人も居る。

 広場には荷馬車が2台在るので、其れに乗って来た人が居るのだろう。


 その様子を見ていると、横から声が掛かった。

 「イスラーファ様ですか?」


 見れば30代と見える男性が立っていた。

 「はい、イスラーファは私です、貴方様はどなたでしょうか?」


 「私は、イガジャ男爵の息子のサンクレイドルと申す者です、家の前がこのような状態ですからイスラーファ様を案内する為にお待ちしていました、どうぞこちらへ。」

 イガジャ男爵様の息子さんでした、彼の案内のままに広場からイガジャ男爵様の家の横へと周り、内玄関と思われる場所から家の中へ入りました。


 そのまま1室に案内され、そこで待っていたイガジャ男爵様とおばばに朝の挨拶をする。

 「おはようございます、イガジャ男爵様、おばば」


 「うんおはよう、今日は昨日のように髪の色を元に戻したままなのじゃな。」

 イガジャ男爵様が髪の色を見て不思議そうにしています。


 「レイ、ラーファは今の姿で診療して、村々も回るつもりなのじゃ」

 「そしてな、診療が終われば遠くへと行った事にするそうじゃよ」

 イガジャ男爵様にニヤッとした顔を向けて、手は二本指で歩くように遠くへと移動させる。


 「うむぅ、何じゃその意味ありげな指の使い方は?」

 イガジャ男爵様は分からなかったようです、首をかしげておられます。


 「父上、イスラーファ様は診療が終われば行方を眩ませるお積りの様ですよ。」

 イガジャ男爵様のご子息はこちらの意図を察してくれて、分かって居ないお父上に説明してくれる。


 「そして、魔女様に新しい魔女見習いが一人増えると言う事に成るのかと、魔女様の話を覚えておられるならイスラーファ様は今後3年は魔女の修行をされるのですよ。」

 息子の噛んで含めるような話の内容でやっと理解したのかイガジャ男爵様の顔が笑み崩れた。


 「そうでした、魔女見習いとして3年間この村に居られるのでしたな、ありがたい事ですじゃ。」

 魔術医が村に常駐する事に成るのは歓迎する事なのでしょう、ラーファの手を取り感謝した。


 「おばばに魔女見習いとして教えていただき、又魔術医としておばばへ出来るだけ多くの事を教えて行きますので、この村へ隠れ住む事をお許しください」

 深く礼を取りながらイガジャ男爵様にお願いする。


 「願ったり叶ったりじゃこちらからも是非お願いしたい。」


 おばばの所で魔女見習いとして最低でも3年過ごす事が決まったので、後はマーヤに更に変身できるポーションの魔術陣を考えて貰う事にしよう。


 「今後はイスラーファではなくただのラーファとお呼びください」

 最後に今後男爵様やご子息様にラーファは自分の名前をラーファとして貰う様に頼んだ。


 挨拶は終わったので、今日は予定通り怪我人の治療に専念しましょう。


 怪我の後遺症も考えて集合時間は余裕の在る昼7前(午前中)までに集まれば良いとして貰っていたので、もっと遅い時間に来ると思っていました。

 気がはやるのか集落に住んで居る怪我人の2人は、荷車で家族に連れられて昼前の夜12時(午前5時)にはやって来たとイガジャ男爵様が話されていました。


 広場に集まっている怪我人を治療用に用意して貰った部屋へ一人づつ連れて来てくれる様にお願いした。

 診療する部屋に椅子を3つ用意してもらい診療出来る体制を整えた。

 椅子はおばばとラーファそれに患者用です。

 今日は全員を治療する予定ですから、昼3時(午前8時)から診療を始めました。


 エルフを見て騒がれても困るので、闇魔術を患者には入って来る時に掛ける様にした、闇魔術は軽い混乱を押さえるぐらいにしている。


 最初に診療したのは足の親指を骨折した人です。

 闇魔術が掛かっているので、多少ボーとしているが、大人しくラーファの指示に従って椅子に座った。


 腫れていなかったので直ぐに治療魔術で完治させる事が出来た。

 基本ラーファの魔術療法は全身の体調を整えてから患部を治療するので患者は部屋を出る時は、闇魔術を解除した事もあって、前以上に元気になって出て行った。


 ラーファは魔女見習いとしての居場所を村に作る事に成功した様です。

 診療が始まりました、ラーファは騒がれない様に色々対策をして診療しています。


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