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第31話 弟子入り(2)

早速の魔力の授業です。

 魔女のクリスティンに魔力が多い事を告げ、イガジャ男爵様に魔力の事を話した後、魔力を感じる習得方法を教える事に成った。


 「ラーファ殿私の事は弟子入りしたのじゃからおばばでもクリスとでも呼んでくれんか」


 魔女殿からの提案ですが、魔女殿の呼び方はラーファの師匠でも在るので。

 「おばば様と呼ばせてください、おばば様の弟子として色々教えていただきたく思っています、ですからラーファの事はラーファと呼び捨てでお願いします」


 「では私についてはおばばと呼んで下され、ラーファと呼ばせていただきますからの」


 「ハイ、宜しくお願い致します」


 「こちらこそ夢が叶うのじゃ、よろしくお願いしますじゃ」


 「まだ時間が在りますので、魔術行使の触りだけでも覚えましょう」

 今日の内に魔術行使の前提と成る魔力を感知して貰い、その後魔石への魔力充填で魔術の行使の触りを自主的に出来る様にして貰いましょう。


 「魔力を扱うにはラーファが魔術の行使をして相手の魔力を刺激すると、魔力を感じる事が出来て分かり安いのです」

 話しながら、おばばの手を取って魔力の行使を行う、簡単な皮膚に在る魔力への刺激なので刺激を受けた部分がむずがゆくなる程度です。

 しかし、行使されたおばばは魔力を感じて思う所が在ったようです。


 「魔力とは精霊の息吹と同じように感じられる」

 精霊術の経験が在る様です、魔力が高かったのは精霊術を行使している事で魔力も増えたのでしょう。


 精霊術とは樹人にとってはっきりと分かって居ない魔術の分野になります。

 簡単な予知や探し物を見つけたり、魔脈への干渉を行う事が出来る様です、ラーファにも良く分からない魔術です。


 予知と言ってもしばらく会って居ない知人が近く訪ねて来る事を事前に知ったりできるぐらいです。


 大きな特徴は魔脈に潜む魔物を使役出来る事でしょう。

 此の魔物はダンジョンと共鳴したダンジョンコアや魔脈に記憶されている魔物の事だと思われています。


 この魔物を使役する精霊術師の事を闇精霊術師と言います。

 魔脈に潜む魔物を闇精霊と言う人も居ますが、闇精霊術師の名前は闇精霊を使役する事から付けられています。

 使役した闇精霊を使って遠くの出来事を知る事が出来ますが、実体はありませんが魔力の塊なのでスキルや魔力に敏感な人ならば近くに闇精霊が居れば直ぐに分かります。


 おばばが精霊術をどのくらい使いこなしているのか調べたいけど、ラーファには精霊術の知識は魔脈に潜む魔物を闇精霊と言って使いこなすと色々情報を集めるのに便利だとしか知らない。

 おばばの精霊術についてはおばばに聞くことにしましょう、時間はあるでしょうから。


 ビェスとイガジャ男爵様にも魔力への刺激を行って魔力を感じてもらう。


 初めて魔力を感じて、二人ともむずがゆかったのか刺激した両手を終わった後しばらく摩っていた。


 「いやぁ魔力を感じるのは刺激的でしたな。」

 などとイガジャ男爵様は言っているが一度魔力を感じ取ればその独特の感覚は忘れにくいと思います。


 「此の感触は魔物と初めて対峙した時のピリピリした緊張感に似ているね。」

 ビェスは魔物と対峙した事が在るのでしょう。

 今回は皮膚の魔力を刺激したのでそのように感じているのでしょうね。


 「魔力は血液やリンパ液などの体液によって循環し皮膚や内臓や骨に蓄積されています」

 魔力は体中に在りますが、部位ごとの魔力濃度を感じ取るのにはしばらくかかると思います。


 「脳には体内で最大の魔力を蓄積しているので分かり安いかもしれません、今回知った感覚を体中で感じて見て下さい、体の何処にでも魔力は在りますから」

 魔力を感じる事が出来れば、動かす事も出来る様になります。


 魔力を感じ取る事が出来るようになった3人には、魔術行使について教えて行く事にした。

 と言って直ぐに魔術行使出来る訳でも無いので、魔術行使に慣れてもらう為、自習出来る空の魔石に魔力を込める事で魔力行使に慣れてもらう事にする。


 これはイガジャ男爵様やビェスも頑張れば出来るかもしれないので、イガジャ男爵様に頼んで空になった魔石を3つ持って来て貰った。


 「皆さん魔石を両手で包むように持ちましたか?」

 ラーファがビェスとイガジャ男爵様とおばばを見ると全員頷いてらーふぁに合図した。


 「では、今からラーファが皆さんの魔力を刺激して魔石に魔力を込めさせますから、その感覚を良く覚えてください」

 そう言った後、医療魔術を行使して3人の腕に在る魔力を移動させて魔石を通るように誘導した。

 両手を移動した魔力で魔石を包み込み魔力濃度と圧を高めてやると、魔力がじわじわと魔石に沁み込んでいくのが分かる。


 「おお。」、「ふむふむ」、「すごい。」

 などと声を出しながら3人共魔石への魔力充填の感覚を真剣に感じようとしている。


 暫く魔石へ魔力を込め続けた、イガジャ男爵様とビェスはまだだがおばばは魔石に魔力を充填できたようだ。


 「おばば、今の感覚を覚えて毎日魔石の充填をすれば、魔力行使に慣れるし魔力も増えるでしょう」

 おばばは頷いたが、しかし目は今魔力を満タンまで入れた魔石を捉えて離さない。

 精霊術では魔術行使の様に明確な魔力の動く感覚とは違うのかもしれない。


 「魔術の種類も陣の知識と基本の陣を覚えて行ってその組み合わせで魔術を行使する事に成ります」

 おばばが顔を上げると少し涙目に成っている。

 おばばが声を出さずに何度も頷いた。


 イガジャ男爵様とビェスの魔力の移動を補助しながら、少しづつ自分の感覚で魔力の移動を出来る様に補助を弱めて行く。

 「イガジャ男爵様とビェスは、先ず魔石に魔力が充填出来る様に成る事が目標です」


 イガジャ男爵様とビェスは何とか感じ取った魔力を動かす事に熱中しています。

 二人ともラーファの言葉を上の空で聞いているようです、おばばが聞いているからイガジャ男爵様へはおばばが教えてくれるでしょう。


 「魔石へ魔力を入れ続ければ魔力を増やす事ができます、魔力が増えてきたら定型の魔術陣を覚えて貰って練習しましょう」


手際が良いですがラーファは経験が在るのでしょうか?

魔力量の増やし方を習った彼らは進んで自習してくれるでしょう。

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