第14話 四面楚歌(3)
妖精族の変異の話が出てきます、後は今後の行動の話です。
マーヤがお腹いっぱいに成って寝てしまった。
ゲップをさせながら思う、
マーヤが寝付きが良いのもマーヤが大人並みの知性を持っていてスキルも使うからかな。
マーヤをベビーベッドへ寝かせる。
脱ぎ散らかした、服やタオルをかたずけて、服を着た。
マーヤの健康診断は毎日している、魔術での診断では異常や負荷の掛った様子は無い。
それでも先ほど思ったマーヤの体の事が気に成って聞いて見る事にした。
『ねぇ、マーヤ、体への負担が大きくて寝てるって事無いよね』
『寝る子は育つだよ、確かにスキルや魔術に神力を使うとエネルギーは使うけど体に負担に成る程じゃないよ』
マーヤも気にしていたのかな?
『そうなの、其れなら安心ね、其れと先ほどの中に神力ってあったけど何?』
マーヤは魔力では無くて神力を使うの?
『あのね、マーヤは神格が在るので神力を使ってスキルや魔術を使ってるの』
なんとも神格に神力とは理解が追いつけ無い。
『彼の方の知識に成るけど、妖精族は神格持ちなんだって、神力があるから変異出来るんだそうよ』
ラーファも初めて知った、妖精族に神格があるなんて。
『それでは、エルフもドワーフも神格が在るのね』
彼らも変異程では無いけど、お腹の中の子や連れ合いを変異させる能力がある。
『彼らは亜神格らしいわ、神格は持たないけど魔力が多いの』
そうなの、良く意味が分からないけど、すごいのね。
『ラーファは変異しても妖精族なのは変わらないわ』
マーヤの言ってる事は、ラーファはまだ妖精族?
『え、マーヤそうなの、ラーファはエルフに変異したよね?』
ラーファは変異したけど変異してないのかしら?
『体がエルフに成ってるだけ、神格も神力も変化してないよ』
マーヤの念話だとラーファは又好きな人が出来たら変異するのかな。
マーヤへ確認しなくては。
『それは何回も変異出来る事を言ってるの?』
『いいえ、1回だけよ、妖精族の体は変異しやすい体なの、だから幼児体形なの、だけど一度変異すると変異しない種族の体になるから変異は出来なくなるの』
マーヤの知識は思いもよらない驚きをもたらした。
マーヤの念話で分かった事は、妖精族は特殊な種族だと言う事、自分を含めてだけど。
ラーファも幼児体形だったから、今の体は気に入ってる、理想はもっとメリハリの在る体つきだけど。
マーヤが更に衝撃的な事を告げる。
『妖精族同士なら何度でも変異出来るけどね』
『それは衝撃的な情報だね、妖精族で結婚するとお互いに何度か変異するのかな?』
ラーファが受けた驚きをマーヤに聞く。
『変異するには神力を沢山使うからそんなに何度も出来ないよ』
どうやらあまり気にしなくても良いようだ。
マーヤが少しからかうような念話で言う。
『ラーファは今後誰かを好きに成ったら、体は変異しないけど生まれて来る子供は、長命な相手種族に成るから』
それは、なんとも言えない情報だこと。
マーヤはどうなのだろう、彼の方の知識を持っているマーヤなら知っていると思う。
マーヤは神格持ちの神力持ちだから妖精族のように変異して相手の種族の子が出来るのだろうか?
『マーヤもそうなの?』
考え込んでいるような念話が来る。
『んー、わかんない、ただ長命種族の子供に成る事だけは判ってるわ』
マーヤにも分からないらしい。
さらにマーヤから念話が来た。
『分かっている事はマーヤは変異しないし、出来ないって事だけ』
そうなのね、マーヤは変異しないのね。
此処までにしよう、これ以上はラーファの頭に入らない。
マーヤに念話で伝える。
『この事は此処までよ、これ以上知ってもどうしようもない事でしょうから』
それよりも今後の事を、特に川を渡る方法を考えなければ。
『大河ラニを渡る何か良い方法を知らないか?』
『簡単よ、ハンググライダーで飛べば良いのよ』
マーヤが言うと簡単そうなに聞こえるけど。
『ハンググライダーって、簡単に飛ばせるの?』
作っただけでまだ飛ばせて無い、だけど聞いた途端にやってみたいと思ってしまった。
『ラーファは空を飛びたい、飛ばせるのなら今すぐ飛んでみたい!』
ハンググライダーは、聞いた内容では簡単に飛べるらしいから。
『ラーファ、残念だけど雨の日は飛べないよ』
雨の日は飛べないのか、残念。
『あのね、ラーファ、これからの事でラーファに提案があるの聞いてくれる?』
マーヤが不安そうに聞いてきます、ラーファはマーヤの言う事は全部聞きますよ。
『ラーファに変装して欲しいの』
変装?
『変装するってなぜ?』
男にでも化けるのかな?
『今回の事もホレツァの町の事も根っこには、ラーファが目立つ事で人目を引いているのが原因の一つに成ってるとマーヤは思うの』
ラーファはそんなに目立つのかなぁ。
『だから、髪の色や服装を変えるだけで、目立たなく出来ると思うの』
『マーヤ、ラーファはお芝居は出来ないよ、男の人の振りとかした事無いから』
顔に髭とかつけるのかな?
『そんな事しなくても髪と服装を変えるだけで大丈夫だよ』
え、そうなのてっきり男の人に化けるのだと思ってた。
『髪は色を変える事でいいのかな』
髪型まで変えると又伸ばすのが大変なんだよ。
『うん、色素を増やせば栗色に成ると思うから』
色素?魔術医の魔術にあったかな?
『ポーションへの付加は、マーヤが出来るから任せてね』
ポーションへ付加した魔薬を使うのか、納得できた。
『そうか、マーヤが出来るのならお願いするわ、ラーファは付加前の空ポーションを作るから』
マーヤがいつの間にか魔術を行使できるように成ってる、マーヤ天才ね。
『次は服装だね』
ラーファは服は自分で縫うから要らないと思う。
『ラーファでも簡単な縫物は出来るけど、今布地が全然無いから布地を買わないと』
『上着は失敗すると着れないから、余分に買っておきたい』
『下着は縫えるのは知ってるから、作るのは服の上下と被り物だよ』
マーヤが言ってるのは上着や被り物を縫う事だったのか。
『上着はまだ縫った事があまりないから、自信が無いよ』
『あのね、彼の方の知識で使えそうな物が在るから、無理そうだったらその知識を使って作るのも良いかも』
そうか、一度作って見るかな。
『川を渡って、追手に見つかって、行方を眩ませたら、服を着替えて、髪を染めて、又川を渡って、東へと逃げればとりあえず追っては捲けると思うわ』
『マーヤの言う様にしてみるよ、今日のベロシニアって奴はいやらしいし、しつこそうだからその位しないと何処までも追いかけて来そうだね』
思わず、馬車の中の出来事を思い出してしまい、慌ててマーヤの寝顔を見た。
マーヤを見てれば嫌な事なんて全部忘れて、何時までも見て居られる。
妖精族が変異するには神力が必要だと言う、妖精族の秘密の暴露回でした。