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第9話 キラ・ベラ市(2)

ラーファの失敗談です。

前から思っていましたが、ラーファにポンコツ疑惑が出てきました。

 酪農の村以外に他の村にも行って買い物をした。


 ライ麦も売っていて安いし黒パンが作れるので、買えるだけ買い込んでいる。

 ダキエでもライ麦で作る黒パンが日常的に食べるパンだった。


 ラーファも酵母やヨーグルトを買って、酸っぱいパン種を使い自作の黒パンを作って楽しんでいる。

 ライ麦とヨーグルトと酵母から作る酸味のある黒パンが美味しい。


 ここオウミでは酵母を使ったパンの発酵も広く行われている。

 時期的に春に収穫した小麦が手に入りやすいので買い込んでいるのだが。

 品質が悪く粒が小さい物や実の入って無い物が多くて選別するのに余分に手間が掛かって困る。


 『その分安く買えているから良いじゃない』マーヤは村人の味方かな。

 『脱穀して見せないと中々安くならないのよ』村人もしぶとく粘るから。


 ダキエ国経由でこの大陸へ伝来した野菜も在って手に入る野菜は意外と多い。

 キャベツ、セロリ、辛子、にんじん、ブロッコリ、豆類なども村で作られていた。

 それ以外にジャガイモ、カボチャ、カブ、玉ねぎ、ニンニクなど取れる季節が違うけど保存の効く野菜が買えた。


 野菜は食事に彩りを添えてくれるし、栄養も有るので嬉しくなってしまう。

 ただ野菜の味が故郷のダキエで作られた野菜と違ってえぐみが強いのが不満と言えば不満だ。


 村ではハーブが道端や家の菜園に幾らでも生えている。

 ちょっと見ただけでオレガノ、セージ、ミント、ローズマリー、バジル、タイム、パセリ、他に行者ニンニクやディルと呼ばれているハーブで酸味と爽やかな香りが特徴な物などがあった。

 村の女性たちが売り物として加工して壺に保存した物を買い求めた。


 料理は野菜ゴロゴロなポトフに挑戦中だ、ポトフを美味しく作れるように成ればお嫁さんに成れると村のおばあさんから聞いた。

 ついでにハーブの使い方も教えて貰った、人によって違うらしいが、セロリのような香りの強い野菜とパセリ、セージも使う様だ、貴族の家では胡椒やグローブなどの香辛料を入れているらしい。

 おばあさんが言うには、辛子と酢を混ぜ合わせたマスタードと呼ばれる物を添えて出すと、男なら一発で落ちるそうだ。


 ニンジンは色味も良いので必需品らしい、カブも美味しくなるそうだ、信じられない。

 『この際、ニンジンとカブは苦手ですって認めたら』マーヤが何か言っています、違うからね。

 『ダキエで食べたニンジンもカブも甘みが有って匂いも良かったのよ』ほんとだよ。


 今日立ち寄った村ではポトフの話で盛り上がったし、良い話をたくさん聞けた。

 明日大きな町が旅する先に在るそうなので、少し奮発して香辛料を買う予定。


 村から離れ、夕方に川辺の土のある所でゴーレムを解除して、神域に入った。


 今は、マーヤのうんちの処理中です、マーヤのうんちは母乳しか飲んでいないので緑色でミルクの匂いがします。

 量も少ないので水魔術でお尻を洗って、風魔術で乾かしてあげて後はオシメをすればお終いです。

 オシメも熱湯洗いだと汚れが良く落ちます。

 うんちの出た後のマーヤはご機嫌で、手や足を動かして声も良く出てる。


 『誰でもそうじゃ無いの』マーヤが言いますが、排せつはデリケートな個人情報ですよ。

 『赤ん坊は人生で唯一排せつで悩まないからね』まぁ、そうでしょうね。


 気を取り直して、さあ今日もポトフに挑戦です、今日は牛肉を入れて見ましょう。

 閃いた、ニンジンの代わりに唐辛子が使えないかしら、同じ赤色だから。


 唐辛子は入れない事にしました。

 『あのね、唐辛子を食べるとお乳も辛くなるんだよ』お乳を飲んだ後、マーヤが泣き出しました。

 『マーヤごめんなさい』唐辛子を食べ過ぎました、ラーファも辛いです。

 『いや、泣く!』マーヤが泣き止みません、ラーファも泣きました。


 医療魔術でラーファとマーヤの体内から辛みの元を除去して、やっと泣き止みました。

 少しづつしか除去できないので時間が掛かって、授乳を再開できたのは深夜に成ってました。


 食べ物に気を付けないとマーヤに影響する事は嫌と言う程分かりました。

 今回はニンジンの代わりに入れたので結構な量入れてしまったのが悪かったと反省しています。


 翌朝話に出た町へ行って、香辛料を中心にダキエ銀貨と銅貨で買い物をしました。

 香辛料も母乳に影響しそうなので使う量は少なめにします。


 胡椒やグローブなどの貴重な香辛料を金貨より価値のあるダキエ銀貨で支払うと、お釣りに貨幣以外で棒銀や棒銅を貰えた。


 あまり見る事がなかったので、棒状の銀と銅について聞いて見ると。

 どうやら金銀銅貨の50倍の貨幣として棒金や棒銀や棒銅が日常的に使われているようだ。


 オウミ国では50枚の貨幣の価値が有る棒金と棒銀を、その1分(5枚)、2分(10枚)、4分(20枚)、5分(25枚)と同じ価値の重さに切った物に刻印を打って貨幣として使っている。


 棒銅は切らずにそのままで使われているが、銀貨半分の価値が在る。


 住む場所が決まったら、家を買うか部屋を長期で借りて何か職業に就くのが良いと思う。

 ラーファはお金を稼ぐ手段として、医者か錬金術師の仕事をするのも良いかもしれない。


 ダキエではエルフの長一族の者として、魔術医と薬師になる事は常識だと、厳しく教えられた。

 長命種ゆえに小児科の経験が無かったのは、不味かったと今痛感している。


 錬金と魔術での戦闘もレベルは高いと思うので、ダンジョンで材料を取って来る事も出来る。

 ただ、闇の森ダンジョン以外にこの国にはダンジョンは無いので、材料は手持ちの物ぐらいしか無い。


 ラーファは医療用魔術の経験は少ない(3千年ぐらいで、偶にしかしてい無い)が、薬の知識は豊富に持っている。

 マーヤが持っている彼の者の知識と合わせて医者や薬屋をするのは良い考えだと思う。

 マーヤも今は神域に居るが、後数か月したら外へ出してお日様の下で遊ばせる頃だと思う。


 3歳ぐらいまでは人も樹人も成長にあまり違いは無い。

 違いが出るのは其れからで、樹人は50年ぐらいかけて人族の10歳児ぐらいにまで成長する。

 それからは樹人毎に成長が少し違うけど、約千年で成人する。


 マーヤは妖精族系でもエルフですから千年で成人ですね。

 ラーファはその時まで生きられそうにありませんが、一人で生きて行けるように母として出来るだけの事はして上げたい。


ラーファは決断したら果断に実行する人だと思っていましたが、ただ何も考えていない状況に流された行動が運も在って果断実行の人に見えていただけかも。

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