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魔術師、異世界をソロで往く 過去編 第1部  作者: 迷子のハッチ
第1章 私はママで、ママは私?
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第7話・2 ホレツァの町(5)

傭兵もそうですけど、冒険者も悪役ヒールとして出て来る事が多いです。

 翌朝、昼2時(午前7時)に朝食に下へ降りると、食事をしている何人かから見られているようです。

 危機察知では、赤ではないけど黄色でも無い、オレンジ色なので悪意はあるけど襲う程ではなさそう。


 ウエイトレスに案内されてテーブルに着くと直ぐに朝食を運んで来た。

 朝食はナンとアヒルの肉とジャガイモを蒸した物にバターが付いてます。


 ジャガイモはダキエで作られている作物で、西の大陸から持ってきたのが始まりだそうです。

 今では大陸の国々で救荒作物として広く植えられています。


 たべる前に危機察知に食堂の奥に居る何人かの男達がオレンジから赤くなりかけているのを察知した。

 美味しく食べる積りが、警戒しながら味わうゆとりの無い食事に成ってしまった。


 今日はこの後町を散策する積りだったが、危ないかもしれない。

 昨日の買い物で当面必要となる物は買えたから、今日買わなくても困る事は無い。

 食事もゆっくり出来ないようでは、この町を早めに出た方が良いが、おかみに麦茶を頼んでいる。


 味気ない食事の後に出された麦茶を飲みます。

 美味しくて良い出来ですが不穏な空気がおいしさを台無しにしています。


 麦茶が出来るまで部屋で大人しく籠って、今日は出歩かない様にしよう。

 危機察知が嫌になる程危機を伝えて来る。

 此方を見ている5人組の色が赤っぽい色から真っ赤へと変化している。


 『昨日注意したけど、早速狙われているよね』マーヤも警戒して居る様ね。

 『神域に籠ってやり過ごすわ』最悪でも神域までは入って来れないでしょうから。


 急いで食事を終えて部屋へと帰り、カギをしっかり掛けた後カギをテーブルに置いて神域へ入る。

 『今日一日神域に引っ込んでいれば安心ね』

 居留守を使えば、出かけたと思いお金も持って出ると思うでしょうから、部屋に誰も居ないと分かれば襲って来る事も無いでしょう。


 今日は旅に必要なゴーレムを錬金しましょう。

 必要な魔石は手に入れてますし加工も難しくありませんから。


 マーヤを見ると良く寝ています。

 『お乳が欲しい時は言ってね』


 『まだ大丈夫だよ、グッスリ寝てるから』とマーヤ。


 作業用に、鏡台を使います。

 加工する魔石はビューティと言う黒い馬の魔物です。

 闇の森ダンジョンで出会いましたが、気性が荒い魔物で襲って来たので氷槍で倒しました。


 此の魔石は7級なので良いゴーレムに成るでしょう。

 ゴーレムに加工する場合、元の姿を変えない場合が一番加工しやすいのです。

 姿を変えて行くほどに加工は難しくなります。


 ゴーレムへの加工は私のやり方は、初めに起動と終了の文言で魔術陣を行使するように作ります。

 次に魔石に起動で周囲の土を取り込み、終了で土へ戻す魔術陣を作る、此処までは定型の魔術陣が在るのでそれを使う。


 取り込んだ土を錬金術師の指定するゴーレムの姿に作る。

 この時外見だけでなく関節や動作の基に成る筋肉などを組み込んで置く。

 この動作が滑らかに動くように、魔核の持つ魔物の情報から姿形を写し取り、変形させて魔術陣にする。

 この時に魔印章で魔紋を使って情報を取るのが一般的ですが、私は魔核から直接情報を取り出します。


 後は制御する命令の魔術陣を作って付与すれば終わり、これも定型の魔術陣が在るのでそれを使う。

 基本魔石の基となる魔物の体に倣った動かし方が作りやすい。


 ゴーレムにする為には、魔物の姿から変えないと使いにくい部分が在る。

 人が乗る部分や命令の伝達方法です。

 ゴーレムへの命令は魔力を込めた制御を、普通は手綱伝いにゴーレムへと伝える。

 ゴーレムの魔石展開時に、魔物の姿から手綱と鞍を付けた姿を基本として加工している。


 ゴーレムを作り終えるとマーヤが待っていたように泣き出しました。

 『お乳を頂戴、後おしっこ出たよ』とマーヤ。


 「はいはい、おっきましたかぁマーヤ、今オシメを替えて上げますね」

 手早くオシメを替えると、お乳を上げます。


 マーヤは私の髪と同じ金髪っぽい髪色をしています。

 まだ生まれたてなので、髪の毛も薄く色も分かりづらいですが、恐らく金髪に成るでしょう。

 目はまだ明かないので分かりませんが、マーヤが見せてくれた映像では碧眼でした。

 私も金髪碧眼なのでマーヤもエルフの血を引き継いでそうなるでしょう。


 私は元は妖精族でしたので、髪も目も茶色でしたが結婚により変異して、今の姿に成りました。

 妖精族は一度だけ、思いを寄せた人と同じ種族の異性に変異できます。

 変異によって幼児体形からスレンダーな成人女性に成れて満足しています。


 授乳が終わるとゲップをさせます。

 マーヤは直ぐには寝ないで手をゆっくり開いたり閉じたりしています。

 「あーぅ」とマーヤが可愛く声を出しました。

 「まぁ声を出したわ」


 『ご機嫌だからね、少しは体を動かさないと』とマーヤ。


 マーヤはしばらくすると寝てしまいました。

 私は美味しかったナンを作って見る事にします。

 でもその前に洗濯をしましょう、オシメの替えも沢山必要ですからね。


 洗濯物を風魔術で乾かすと、棚に他のオシメと一緒に畳んで置きます。

 手を洗ってナン作りを始めますが、その前におかずから先に作ります。

 先ず野菜のゴロゴロ煮を作ります。


 昨日買ってきたソーセージを水を入れた鍋に入れて火にかける。

 後は皮を剥き終わった物から順に鍋に入れて行き。

 ジャガイモ、ニンジン、カブなどの野菜、ハーブが在れば良いのですが無いのでバターを入れている。

 水から一緒に煮て灰汁取りと味加減を見ながら沸騰したら火を弱めて野菜に火が通るまで煮る。

 ソーセージとバターから塩味が出て来るのでほとんどお塩は入れません、逆に塩味が強すぎて水で薄める事の方が多いです。

 汁が多めのポトフのような野菜のゴロゴロ煮の完成です。


 ナンは麦の粉が無いと作れません、そこで買って来た小麦を風と土の魔術で脱穀する。

 実の入っていない物も多いので脱穀は念入りにして籾殻を取り除く。


 次に粉に引いて行きます。

 石臼の代わりに土魔術を使い上下で挟んで、熱くならないように温度管理しながらすり潰す。

 小麦粉として使えそうな物に成るまで何度か繰り返して粉に引きました。


 食事を作る合間に授乳します、飲み方もしっかりしてきて授乳量も少し増えたかも。


 小麦粉が用意出来たら、先ほどのポトフの汁で小麦粉を捏ねて緩いぐらいの粥上の物を作る。

 時間が無いので発酵はさせないまま、風魔術で細かい気泡を練り込みます。

 後はフライパンで薄く延ばしてバターで焼くだけです。

 十枚程焼くとお昼用として1枚をポトフと一緒に食べる、ごま油は無いのでバターを塗ってます。


 ポトフはあまり美味しくは無いですね、でもナンは良くできたと思います、バター味ですがそれが美味しいです。

 ポトフは私が作る料理は薄味なので、野菜などの素材特有のえぐみを感じますね。

 特にニンジンとかニンジンやニンジンに後カブも。

 それはそれで慣れると美味しさに変わるのかも、ハーブが在れば違ってくるかな。


 『ラーファは舌がおこちゃまなのよ』マーヤがからかい気味に言ってきます。


 『マーヤの離乳食はニンジンで献立を作るからね』離乳食はニンジンのくたくた煮にしよう。


 『エーッ、ヤダーァ、ラーファのお乳をずーと飲むの』マーヤが泣き言を言ってきますが知りません。

 『マーヤは離乳するのを6ヶ月としましょうかね』断乳は断固として行わないと。


 『ごめんなさい、もうからかったりしませんからお乳を止めないで』

 マーヤが念話の画像で器用に土下座してます。

 よく古い時代の土下座で謝る最大級の謝罪を知っていたわね。


 マーヤの知識の基となった彼の方について考え込んでいると、危機察知が働いたのを感じた。


不穏な空気が漂い出しています。

ラーファは不用心でしたね、魔術師として強くても油断しているとあっさり死ぬ世界です。

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