在るべき形の神王堕雄
七万文字予定でしたが、面倒くさくて書きませんでした。仕方ないよね、色々リアルが忙しかったんだもん。本編の在るべき形へ・A story for everyoneもよろしく!物語は...おかしな所いっぱいだから、脳味噌殺して見て下さい。やりたい事を書いただけなので。満足させて貰おうか!って気分で見るものではありません。https://ncode.syosetu.com/n9376hd/
「在るべき形へ・A story for everyone」
#narou #narouN9376H
世界は異能者と言う異端児が3割の差別社会。異能者は平安初期から存在が確認されているが、今も異能者の差別は続いている。テレビでは良く異能者の人権問題が取り上げられてはいるが、現在も人権を持つ者は極々少数。持つのは日本の象徴である天皇の直属の御三家、そして古くから戦に参加していたと思われる四家。コレを含めて現在は御大七家と呼ぶ。御大七家は法律と憲法が適用されない貴族達で、外国も含めた国の平和を護っている家系。一般の異能者は親が自分で育てたく無いと書類に書くと施設に送られ、十二歳に成るまで施設生活をおくる。施設は子供に優しく接する場所もあるが、子供に暴力_最悪の場合は自身の欲求を満たされる道具にされ、樹海に捨てられた事例もある。現代は異能者が虐げられる世界。この物語は、本編開始前の2020年の12月21~26日の話。
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周囲は暗闇で鉄臭く、囚人の声が遠くの方から聞こえる。視界は目隠しをされているので、何も見えない。嗅覚は眼が見えた時よりすぐた様な気がする。そして、周囲の人間や気配察知能力が上がった気がする。人間は何かを喪うと、何かが補う様に上がると聞いた事がある。
はぁあ、目隠しが無ければ瞬間移動が出来る。が、今は視界が暗闇で何も見えないし出来るのは独り言を呟くだけ。...他には、囚人の悲鳴を聞くくらいだな。希は何をしているだろ、他の男に襲われなければ良いが。こうなったのも俺の所為、捜月と一騎討ちなどしなければ良かった。いや、タラレバか。捜月と戦闘を行わなければ希は死んで、俺達は壊滅的ダメージを受けていた。今は誰も死なず、俺以外は東京に...俺はアメリカの深海にある、刑務所に入れられている。
誰もS級犯罪とは相手してくれず、会話も成り立たない。悲しい、ここ...何時から捕まってたんだっけ。もう感覚がおかしい、朝日も拝んだ事さへ忘れそうだ。
溜息をついていると、コンコン_っと鉄が響いて俺の耳に入ってくる。数は4人程か、恐くこの王の覇気、王の力を保有する能力者は俺が知る限り5人。桜満黒兎と紅井捜月、熾焔紅爐と黒神音昏亥、百鬼無黒のこの5人は未知や人類等の王の力を保有している。王には種類があるり、一つ一つ特有の能力を持っている。この牢獄に入って来れ、アメリカとイギリスを護衛を担当する御大七家は一人_紅井捜月一人だけ。
「よぉ、一年ぶりだなぁ。如月加具執こと_紫夜加具執。御前は俺達に協力して貰う」(?)
聞き覚えのあるまだ幼い声、予想どうりの人物_紅井捜月。イタリアでの戦争を思いだすと、無性に腹がたつ。俺の計画を「まぁ、何となく倒さてもらうぜ」っで無茶苦茶にした捜月はハッキリ言って嫌いだ。
「何のなんの用だよ、ここから出してくれるのか?」(加)
「大正解!」(捜)
目隠しで見えないが、悪戯心が生み出すムカつく笑みが脳内に再生される。ガチャガチャっと鎖をちぎろうと動くが、矢張り動く事すら出来ない。平均の重り寄り重い鎖と手錠、これは鍵が無い為に自分で解くしかない。
「俺が解いてやるよ、失敗した復讐鬼」(捜)
「失礼だぞ、御前...」(加)
パキンっと甲高い音が牢屋内に響くと手足が軽くなり、目隠しを外すと周囲がボヤけてふらつく。恐く視力を一年程使って無かったからだろう、中二の時に立てたリベンジャーズを使った、俺の復讐は12月24日に全て終わった。俺は一年で大きく世界を恐怖させ、アメリカの監獄に投獄され一年程此処に居た。
手足をブラブラっと動かし、首の骨をポキポキ鳴らす。矢張り体がヤケに訛っているきがする。まぁ、当たり前の事と言えば当たり前のことなんだけども。数秒間血液が体を巡ってか、体が痺れる。感覚が殆ど無かった手足が生き返った様に、痺れるのは何故か嬉しい。感覚が可笑しくなってんな、壊死しなかったのはこの手錠や重りに書かれた護符のお陰か。
景色もボケて見え、フラフラだ。微かに見える全て白くそ染まった捜月の髪を糸目で確認し、目をこすりながら二度見する。一年と言わずに数年居た、何十年居たんじゃないだろうか。奴は半吸血鬼ながらの吸血鬼の王、なら吸血鬼単位の一年何じゃないか?なら説明があう。
「気付いたら数百年経っていた件」(加)
「ストレスでこうなった、老化じゃねぇよ」(捜)
「まぁ良いや。終わったら此処に戻れとかは言わないよな?名探偵」(加)
「お前はまぁ、うん。島流しか他の国に送り付けてやるから安心しろよ」(捜)
「島流しは止めろよ...俺北海道とか鬼ヶ島は嫌だぜ、北海道の地名読みにくいしな、当て字で」(加)
さて、十二個ある能力を利用して逃走するか、捜月を倒して逃走するだよな。いや、これは昔の俺の考えだ、今の俺はあの時の俺とは違う。まぁ此奴なら俺が逃走しようと、予測して俺を利用するんだろう。なら、計画に従おう。でも此奴今は俺と一緒だよな?ならこいつ高一か、って事は。
「彼女出来たか?」(加)
「いるが?当然だろう?子孫を残さなければ継に託せず、ソイツの遺伝子は潰えてしまうからな」(捜)
「死ね!俺寄り一つ歳下の癖に...」(加)
「自分で聞いて、怒るとは失れな奴だな」(捜)
捜月に連れられ客室であろう場所に移動させられる。客室と言っても牢屋と変わりなく、壁は両隣が牢屋であるからなのか、レンガ的な灰色の鉱物で出来ているのは変わりない。
部屋にあるソファーに座っている男は異様な雰囲気を醸し出し、殺意に近い感情を感じる。王の力は明確な殺意や感情をエネルギーとして周囲に剥き出しに出来るが、此奴にはソレに近いモノを感じる。
その男の姿は髪色が黒く、一部が赤い。首には包帯が巻かれ、腰には赤と白に分かれた仮面と二本の刀が吊るされていは。見た目はスーツを着た二十歳前半ってとこか、若すぎる気がする。まぁ只者じゃないな。男はフゥっと息を吸い込み、俺に言葉を掛ける。その声はドスの効いた声、いや威圧している。
「先ずは名前からだな。俺の名前はウィリアム・テイラー_イギリス人だ。ホーにイレギュラーズに入れらる前はMI6に所属し、見た目で分かるだろうが日本人とイギリスのハーフだ。まぁ正確に言えばクォーターだがな」(ウィ)
「は、はぁ...上から目線野郎が多過ぎやしないか?」(加)
「犯罪者に敬語何ぞ使わん。犯罪者と協力する事に成るとは、俺達は紳士だぞ?それを忘れてないか?ホームズさん」(ウィ)
「紳士なら紳士的な感じで俺に話し掛けてこいやコラ!てめぇのイレギュラーズも似た様なもんだろうが!」(加)
「じゃあウィリアムの事を宜しく頼むよ犯罪者君」(捜)
「死・ね!」(加)
イギリス人はこんな奴ばっかりなのか?一発ずつ顔面殴ってやりたい、一々顔が整った野郎ばっかりいやがるな。此奴らだって犯罪者だろ!御大七家は憲法や法律聞きませんっとか無理あるだろ。捜月の様な恐喝や窃盗とかやる奴が居なかった分まだマシか?いや、俺の家系はこんな奴らに仕えて来たのか......苦労人だらけじゃないか。
捜月達に船に乗せられ好きな様にして良いと言われて、ベットで一日寝るとイギリスに到着。甲板はびしょ濡れになり、雨でも降ったのかっと思う程濡れている。イギリスの街は霧に囲まれて、ホラーゲームの様な雰囲気。
「ロンドンには向かわない、先ずはイレギュラーズに会ってもらう」(ウィ)
「ロンドンってまだ存在していたのか...」(加)
「吸血鬼もイギリス人って事だよ。異能で人間から化け物に成っても、思考回路自体が変わらい、まぁ中身は変わらないからね。変わった所で街は必要だよ。でも、大きく動く事は出来ない.........分かるかね?」(捜)
「どうも早口で説明ありがとう。分かってるよ、吸血鬼はハッキリ言って真正面から戦うのは俺でもキツイ。タイマンなら負ける気がしないが」(加)
タイマンなら負ける気がしない、っと言っても中級程の吸血鬼の場合だ。吸血鬼は契約者と元から吸血鬼の二種類が存在し、大級の場合は契約者と吸血鬼の能力が常に二人で行動する為に、連携がとれ凄まじい強さを発揮させる。それに加えて大級は固有能力を持っている可能性があり、吸血鬼も他の異能を持っている可能性がある。簡単に言うと、紅井捜月の様な元々異能持ちを吸血鬼にした方が良いと言う事だ。
「何処に向かう?」(加)
「決まっているだろ?排水溝を通るんだ」(捜)
「目指すは森、俺達は植物園で生活している」(ウィ)
「犯罪者集団が、綺麗な所に住んでいるだと!?」(加)
「驚くとこか?」(ウィ)
「洞窟やら廃墟で住んでたからな」(加)
「汚ぇ、自身の事をゴキブリやネズミと勘違いしてないかい?」(捜)
「排水溝を平然と使う奴には言われたくないわ!と言う寄り、掃除は希達や他の奴等がしてくれたから綺麗だった。ちゃんと布団もあるし」(加)
「ハイハイ、要らない説明アリガトウ。もう終わったかね?つまらな過ぎて十三時間以上のも聴いた気分だよ」(捜)
「ムカつく!」(加)
排水溝は以外に綺麗に掃除され、誰かが利用しているのが一目で分かる。吸血鬼達が利用してるのか、地下にお追いやられた人間が使用しているのか。まぁ、今は吸血鬼に会いたくないから人間が、使用していて欲しいけど。
「何か静かですねぇ」(加)
「車来そう」(捜)
「発砲には気お付けて下さい」(ウィ)
「ネタで返して来るだと...!」(加)
「そうそう、今回の任務を教えてなかった。これは失礼失礼」(捜)
「忘れるなよ...そして、絶対悪かったと欠片も思ってないよな!」(加)
「君は心理学者か何かかね?僕の心を読み切るとは、嘸かし素晴らしい精神科医なのだろう」(捜)
「うぜぇぇぇ!」(加)
「本題に入る、俺の護衛だ」(捜)
「は?お前に護衛何て必要ないだろ。ウィリアムも俺も必要ない、だってお前は血人形があるだろ」(加)
「例外、イレギュラーは必ず存在するモノだよ。シャル・リーク王が俺の暗殺を狙っていると、シャヌ・マクローが連絡して着た」(捜)
「でも今日はロゼッタさんが来てくれますよ」(ウィ)
「まぁ、今回だけだからな...ヤッパリ、もふもふされるの辞めて、日本に帰ろうかな」(捜)
「早く行きますよ」(ウィ)
着いたのはガラス張りの植物園。芸術的な装飾が施され、噴水やらベンチが設置されている。中には十四人、一人一人が人間の気配じゃない、中級以上の吸血鬼達か。
「来ましたか、僕の名前はアイヴィ・ジェームズと申します」(アイ)
「此奴はまだ九歳で、性別は分かりずらいが、女だ」(捜)
「僕がこの植物の世話をさせてもらってます」(アイ)
「なるほど、九歳って若いなぁ」(加)
「情報を植物から手に入れる優秀な奴だ、警察1ダース寄り優秀だ」(捜)
「ひでぇ言われよう」(加)
「その子が先日言っていた、紫夜加具執君か」(?)
車椅子に乗る、白髪の美少女。隣には点滴スタンドフックに、血液パックが三つ吊るされている。服装は白いワンピースに、上着に男物のコート。白タイツとミニスカート、誰の趣味だ?見たとこ捜月寄り一つか二つ、歳下か?でも妙に落ち着いているな。
「そうそう、名前をまだ名乗って無かったね。私はシャーロット・ワトソン。姓は殺した者から、名前はアーサー・シャーロット・ホームズから貰った」(シャ)
「へぇ、その服は捜月の趣味?」(加)
「ま、まぁ...ロゼッタさんの趣味ですね」(シャ)
「可愛いでしょ?この白タイツ何て最高よね。捜月は私嫌いだし、血を貰って契約を無理矢理引き伸ばしているのに、酷くない?」(ロゼ)
「ロゼ...」(捜)
「可愛いね、昔の様に抱き締めてもいいかな?」(ロゼ)
「近寄るなショタコン!」(捜)
「ロゼッタさんって普段何やってるんだ?」(加)
「此奴の様な頭のキレる変態は、小学教員になれる何て余裕の事だ」(捜)
「普段は先生やってまーす♡」(ロゼ)
「うわぁ[ドン引き]」(加)
植物園の中を見回り、仲間を紹介して貰った。色々とキャラが濃い奴らで、皆が名前がないから苗字は捜月が考えた事を聞いた。円状のテーブルに、シャーロットさんと俺、捜月とウィリアムが囲んで作戦会議。まぁ、作戦知らないけど。
「俺まで仕事内容知らないんだけど、知ってるだろと通さないでもろて」(加)
「分かってる、お前の為だけに教えてやる」(捜)
「ホーちゃん優しい♡」(ロゼ)
「口を閉じろ」(捜)
「はーい♡」(ロゼ)
「今回の奴らの目的は今の内閣総理大臣、葉化島三郎の殺害と、俺の暗殺。それと、神の降臨だ」(捜)
「何言ってんだ?お前って、神話とか信じるっけ...」(加)
「ガイア理論に似た様なモノ、地球を一つの生命体と見るアレだ。他にも意見はあるが、今回は生命体の方で話を進める。あの理論の進化系がガイア神王理論、超端的に言えば...地球は俺達人間を生み出した神の姿何じゃないかって奴だ」(捜)
なるほど、ガイア理論は聞いた事はある。人間の中には白血球などの悪い細胞等を殺すモノがある、地球が一つの巨大な生命体なら寄生虫の人間を殺すモノがあるんじゃないかってヤツで聞いた。
「恐らく、魔術的な何かで地球の意志を堕ろすつもりだろ」(捜)
「地球に意思なんてあるのか?」(加)
「馬鹿か?ある訳ねぇだろ。神は人間の信仰、思い込みで完全する理想の偶像だから、堕ろされるのは皆が地球のイメージの塊だな」(捜)
「で、その堕ろされる対処は...女だろ、ガイアって女神を聞いた事がある」(加)
「馬鹿ではないのか。そうだ、ガイアとはギリシャ神話の中に登場する女神、という事は...女が器にされて堕ろされる。堕ろされたら最後、世界が終わる」(捜)
「そんなモノ堕ろして、奴らにメリット...自己満か」(加)
「そして、堕ろされるであろう女の子が分かった。もう誘拐されたが」(シャ)
「名前は?」(加)
「空星〇〇だ」(シャ)
「聞いた事ないな」(加)
「俺は知ってる、奴とは...深い関係だからな」(捜)
捜月は二枚の写真を二秒程見つめると、台へと放り投げる。そこには、水色の髪のこちらも美少女と、男装?をしている美男子?にも見える灰色の髪をした中性的な人。女顔にも、見える...男か。
「たのんだぞ」(捜)
「へいへい」(加)
「なら、仕事の準備に取り掛かるぞ」(ウィ)
「ちょっと休憩!」(加)
「少し痩せたんじゃないか?ちゃんと寝てるかい?もふもふするコッチ側は少し心配だよ」(ロゼ)
「...あと、一年...なんだ。だから、終わったら...沢山寝れるさ......」(捜)
「今回は寝なよ、私の体液を入れておく...まだ、彼等の為にその命を燃やしてちょうだいね」(ロゼ)
「少し...悪い...眠......く......成...て......き............」(捜)
「ホーちゃんが眠たそうだし、我々はワインでも飲みましょうか」(ロゼ)
「酒なんて久しぶりだ」(加)
「美味しのよ、このワイン」(ロゼ)
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金曜日の何故かワクワクする、帰宅最中。俺の名前は灰神零人は今友人達とシェアハウス中で、今全員と家に帰るんだ。明後日は皆で仕事が終われば、豪華客船を満喫するんだ。
「何も起こらなければ良いけど、楽しみだな」(零)
「あるんだろうけど」(黒)
「確信がなければ俺達呼ぶはずがないだろ?」(捜)
「一様仕事だよ、零君」(衣)
「違う、衣明!楽勝だなって思ってるだけで、仕事だとは思ってる」(零)
「油断大敵」(歌)
「歌檎まで...」(零)
「帰ったら何しようかな〜」(朝)
「先ずは、宿題片付けますよ」(七)
「そうだった、課題終わらせないきゃ」(零)
「寒い、もうちょっと着込んで来るんだった」(黒)
「寒いか?」(捜)
「普段はベットから出れないクセに!」(黒)
家に帰ってテーブル[コタツ]を囲みながら、皆で宿題やらゲーム、仕事を終わらす。テーブルにはお菓子やジュース、課題や参考書、タブレットやノートパソコンが置かれている。
「じゃあ私はココアを持ってくるね〜」(朝)
「私も、七ちゃんも手伝って。ついでに御飯作るから」(衣)
「分かりました」(七)
「七家の中はさ、男女差別酷いじゃん。実力主義な所あるかもだけど、何故七家の人間は女性に料理を作らせるんだろう?」(零)
俺の一言で、空気が凍った。理由は分かる、世界の制約で常人以上の頭脳と身体能力を持っているのに、何故か料理が出来ない人達が多いからだ。
「いや、俺達男は外で働くからな...女は家でいるから料理できるし、俺達の料理は殺しだし...仕方ないと思うぞ」(捜)
「役割分担だよ、うん...一人一人得意な事違うし」(黒)
「まぁ、女性陣も料理好きだし、何言われても何も感じないんじゃない?」(歌)
「俺、見てて嫌になるんだけど」(零)
「今も昔も異能者差別は酷いけど、その人達は旦那を愛してるし、好きな人が差別される寄りマシじゃないです?」(歌)
「なるほど、愛か。これまた非科学的な理由だな、分かんくもないが...」(捜)
「何も言えなくなるわ〜」(零)
「まぁ、声が大きければ大き程に七家では良いからね」(黒)
何だ、このなんとも言えない雰囲気は。俺の所為か!?しまったな、この雰囲気は求めてない。明るい雰囲気を取り戻せ、じゃないとこのなんとも言えない雰囲気で飯を食う事にねる。
「皆で一度料理とか」(零)
「料理か、誰が喰うんだその暗黒物質」(捜)
「死人がでるよ」(黒)
「お兄ちゃん達...料理って概念しってる?」(歌)
「斬って焼くんだろ?」(零)
「三分レンジって幼香の奴が得意料理とか言ってたな」(捜)
「未知の領域だよね」(黒)
「うん...お兄ちゃん達が料理の"り"の字も知らないのは分かった」(歌)
「料理って女の人か、執事かメイドが作ってくれてたから、料理してる所見たことないんだよぁ」(零)
「いや、お前は施設ぐらしだったろ?一回くらいはあるだろ」(捜)
「施設では先生が作って、俺ら夜中吐いて。飼われてた時もメイドさんが作ってくれたから、そんな料理を知らない人生だった」(零)
「何に話してるの?」(朝)
料理と書いて新たな素粒子、暗黒物質を創る話してる。何て言って、理解でにるのか。俺だったら無理だ、そもそも料理を作る素質がゼロと言う壊滅的な奴らの料理話なんて聞きたいのか?
「光学的に直接観測出来ないモノ?で、な?」(捜)
「なるほど分からん」(朝)
「分からないのが普通」(黒)
「学校が終われば仕事だからねぇ」(黒)
「それでも一円も入らないとは、究極のブラックなのでは...?」(捜)
「法律も憲法も受けないから、人権ある的なこと言われてるけど、実際は僕らが死ぬ何て当たり前と考える人が大半らしいからね」(黒)
「そのクセ様付けなんて、昔の様な心の底から慕ってくれる奴らの為なら頑張れるが、今の人間に人柱扱いは気に食わねぇ」(捜)
「俺は人を救えたら良いけど、救う人は決めたいよなぁ」(零)
ありがとうと喜ばれた方が良いよな、気持ち的にな。等と考え愚痴を吐いていると、料理が出来たらしく、衣明達が料理を運んで来てくれる。今日はカツカレーと人参とモヤシの炒め物。そして、少しクリスマスケーキだ。捜月はモヤシ炒めが無く、カツカレーが半分くらいだ。少食の人って、多めに喰えないのは栄養って大丈夫なのか?
「捜月って飯食う必要あるの?」(零)
「実はない、血で栄養素を補給するば問題はない。でも精神的にな」(捜)
「便利な身体だなぁ」(黒)
「食べる事って意外ルーティン?的なものなんじゃないの?」(衣)
「案外そうかも知れないな」(捜)
「そうなんだ」(朝)
「豪華なディナーって、捜月さん達って食べれるんですか?」(七)
「毒味って事で、結構食う事がでにる。全ての料理だから無理矢理腹に入れるしかない」(捜)
「大変そう...」(朝)
「だいたい僕と零人だよね、食べるの」(黒)
食ったな、一品づつ。途中から味が消え、スポンジとか何食ってんのか分からなくなる。初めは美味しんだけど、後半味が消えるんじゃなくて、噛みごたえが嫌な物に変わる。下手な大食いタレント寄り食うかも......。
「僕何てこの前、食べて動いてを繰り返したよ」(黒)
「良く太らないね」(衣)
「直ぐ太る体質は七家にはいない、制約と...居たとしても辛い」(黒)
「何故です?」(七)
「食べない時が三日続く時もあるからさ」(黒)
「サーモン食った後、四日間何も食べずに水だけで過ごした事もあった」(零)
「皆死ぬよ」(朝)
「俺は制約とは...入ったら制約を強制的に結ばされるんだっけ」(零)
「養子でも嫁でも旦那でも、例外なく強制だね。異能者じゃなくても結ばれるのはどう言う原理なんだろうか」(黒)
「不思議な事はあるさ」(捜)
「もう今年も終わっちゃうね」(衣)
「だなぁ」(零)
今年が終わる、将来なんてもう決まってる。高校二年に成っても夢も何を俺にはない、強いて言えば...実家的な所に帰るくらいだ。エシリアの所に帰って、久しぶりに執事ポイことをやって、シェアハウスに二日くらいいる。これだな、ヤッパリ。でも、近々引っ越すって言ってたな。また住所を聞いておかないと、遊びに行けなくなる。
「クリスマスか、やはりサンタ」(黒)
「ブラックサンタ」(捜)
「懐かしい、そう言う奴を動画でみた」(衣)
「まだ完結してないらしいよ」(朝)
「子供の頃が一番面白い物語が広がってたなぁ」(零)
「良く見てました、でも一番好きな物語が消えちゃってました」(七)
「うんうん、あの動画だよね」(歌)
「あの動画?」(零)
「世界が化け物の世界に成って、最後は天使を倒すんだぁ」(歌)
「何だそれ」(捜)
「面白かったんだよね、零人は知らないの?」(朝)
「|lostmemoriesって言う絵本を良く見ていたから、俺は動画投稿サイトは見てない」(零)
「失った思い出?」(衣)
「確か...記憶を失ったヒーローが、友達や仲間の手を借りて記憶を思い出すんだけど、最後は負けるんだ」(零)
「ヒーローの敗北は、護りたいモノを喪った時...だっけ?」(黒)
「製作者は孤独死した、組網桜って人だったはず...」(捜)
「何してたの?」(朝)
「子供達を集めて、絵を見せたり遊んだりしていたらしい」(捜)
男の人が書いて何いんだ。男の子の夢を合わせた様な主人公に、王道ストーリーだった。最期は相打ちなんだけど、あれは作者死も表現してたのかな。孤独死、俺達とは最も身近な死に方。でも、家で誰もいない所で死ぬのは嫌だな。
「チーズケーキから食べようよ」(歌)
「捜くんは何から食べる?」(衣)
「好きに選んでくれ」(捜)
「じゃあチーズケーキから」(朝)
衣明が二つのケーキを七等分に切り、配ってくれる。ケーキを食べながら、電子書籍になっている、lostmemoriesを片手に皆なとだべる。四時前には迎えに来てくれるから、それまではダラダラ過ごそう。
「今日も寒いから気おつけてね」(衣)
「分かってるよ」(零)
「美味いな、このチーズケーキ」(捜)
「有名なケーキ屋さんで、一年に三つ限定のチーズケーキとチョコケーキだから美味いのは当然だよ!」(朝)
「一年に三つしか作らないとは、嘸かし列が並ぶだろうな」(捜)
「そこは僕の力で、特別に作って貰ったんだよ」(黒)
「七家様々の力だな。俺も財布に余裕がある時に、寄って見ようかな」(零)
「毎日凄い列が並んでるよ」(衣)
「まじかよ」(零)
食事を終え、身体を伸ばして普段着のチェスターコートを羽織る。今日の夜の仕事は空港の格納庫に向かい、夜中の二時頃に怪しい動きをするフードの男がカメラに写ったと報告があった。ウイルスを入れられて事故など起こさせては、株価下落する。それと工業地帯にもそのフードの男の目撃情報、今夜中には帰れそうにないな。今日は機械に強い桜満秋影さんと、その彼女の来投白檜さんと行動予定。
二人は桜満と言う七家を指揮している、リーダー的存在の家の生まれだ。桜満の仕事は警察等の仕事、桜満は20以上になることで公安第零課に入る事ができる。公安警察の中でも最も入るのが難しく、対異能テロリスト専門の課。第壱課から第肆課までは協力しながらテロリストを捕獲_殲滅を行うが、第零課は絶滅専門の組織で、課を越えた友人でなければ協力しない。
「じゃあ行ってくるわ」(零)
「夜勤頑張って!」(朝)
「いや帰って来れない事もあるんだわ」(零)
この仕事で戦闘及び、護衛の仕事が長引くと睡眠が取れないまま客船に向かうはめになる。だから死ぬか延長は遠慮したい、それに客船に向かえない事もありゆる。サッサと終わらせて帰ってくるか、と言いたいけど機械関係は秋影さんだから俺は護衛するしかない。
「行ってきます」(零)
「「行ってらっしゃい」」(全)
外に出ると、黒く塗装されたワンボックスカー。車に乗り込むと、秋影さんと白檜さんが既にいる。と言う事は俺が最後、いや仕事終か。秋影さんはヤッパリ服装が...黒いな、それに白檜さんはピンクと白の冬服。
車内はパソコンやタブレットPC、大きい機械等が並んでいる。秋影さん達以外にも数人の白衣を着た女性や男性が、パソコンと睨めっこしていた。恐らく秋影さんのメイドと執事さんだろう、秋影のメイドさん達は機械系が得意だと聞いた事がある。
秋影さんの服は黒く、赤いラインが入ったコートを羽織り、それと同様の服とスボン、靴を履いている。ゲームに取り込まれる事件に二人とも巻き込まれ、その時にゲームで愛用していた服装を着ているらしい。背中には洋風の黒い剣。光に反射し、紫色に見えるのは赫兵器_ツクヨミ。異能を奪われた秋影さんに渡された、武器。
「こんばんは、零人君」(秋)
「こんばんは、今回はよろしくね」(白)
「こんばんは...お二人共仕事終わりですか?」(零)
「ある少女、まぁ零人君と同い年の子なんだけど、失踪してね」(秋)
「失踪事件なんて頻繁にあるのでは?」(零)
「その子、ストーカー被害にあっていたそうなの」(白)
「もう死んでるんじゃ」(零)
「いや、ストーカー被害と言っても、男一人の追跡じゃないんだ。団体が絡んでいるらしくてね、テロリスト達に狙われていた事が分かったの」(白)
「は?」(零)
「何でって顔してるな、その気持ちは分かる。そいつらは異能保護団体の会議や、異能者の人権国会の邪魔をする組織。通称アリ_集団行動が得意な連中でね、俺達も何度か幹部を取り逃している。そんな組織が地海さんを襲う理由は俺達が知る限りない、でも何かある。明後日の海上会議が漏れた事は分かってるから、アリ達が何かを起こそうとするのは目に見えてる」(秋)
何を使用ってんだ?地海、何処かでその名前を見た気がする。どこだっけ?何かで聞いた事がある。なんだ?
「そして、今回は探偵と行動してもらう」(秋)
「探偵?捜月みたいな殺人専門の...諮問探偵ですか?」(零)
「あの探偵とは違うんだよ。諮問探偵は相談された事に対して回答するみたいな仕事、普段の捜月君は殺人事件や七家の仕事をしているから殺人専門の探偵は諮問探偵と勘違いされやすいの」(白)
「って事は殺人専門の探偵?それとも殺人意外の専門探偵ですか?」(零)
「あぁ、今回は器械探偵だ」(秋)
「なんです?それ」(零)
「機械系の仕事を行える専門の探偵。まぁ、今回は継ぎ接ぎの皮膚を持ち、身体の一部が機械だから付けられた2つ名的な呼び名。捜月と共に一つの固有名を持つ、とてもとても優秀な探偵だよ」(秋)
へ?諮問探偵って彼奴の事を指していたのか。職業を答える時に、彼奴が諮問探偵だと話していたのは、世界で一人だから紅井捜月の証明。まさか、探偵って俺が知ってる寄り多いのか?
「今からその子の家に行くよ」(白)
「まさか女性ですか?」(零)
「中学二年性の女の子だよ」(秋)
中学二年の、継ぎ接ぎの女の子。探偵だから強いのか、彼奴と同様の二つ名を持つから実力はありそう。探偵としても優秀じゃないと二つ名は貰えないよな、いや彼奴の所為で探偵と言う職業が分からない。
「すぐ着くよ」と言われ、二十分程高速を走って着いたのは普通の一軒家。ドアが開いて出てきたのは、カボチャのクッションを抱える継ぎ接ぎ縫い目が目立つ美少女。黒髪ロングで、斜め上から鼻にかからない程度の皮膚が違う。オッドアイ、そして目立つ白衣。白衣のしたには中学の制服が見え、ブレザー姿からは少し縫った継ぎ接ぎの痕。女の子はワンボックスカーを見ると、「はぁ」と溜息を付いた。ドアを開けた秋影さんが「不服かな?」と質問するも、少女は膨れっ面で「別に」と溜息混じりで答えた。
「一体どういう事かな?解放者」(少)
「いや、空夜の剣士と言った方が馴染み深いかね?」(少)
「ラスタードゲーム組以外の所でその名は辞めてくれ」(秋)
「今回の依頼、僕は必要なのかな?紅井捜月が居ない時のセカンドプラン的な感覚で使わないで欲しいな」(少)
「今回は機械系の話で、捜月じゃ駄目なんだ」(秋)
「それは違うね。奴は僕との二人で協力した時に、監視カメラのハッキングを余裕で行っていたよ。本人曰く「面倒臭いじゃん?」らしいが、もう一度聞くが僕は必要かね?」(少)
「必要なんだって!彼奴と違って一人...するな。捜月と比べて性格面がマシだし、女の子というのは仕事で便利じゃないか」(秋)
「なら協力してあげようじゃないか!でも、私と捜月は仁が書く探偵譚の物語でかなり有名だぞ?」(少)
探偵って、自分が納得しないと働かない奴等なのか。捜月も自分が思った事を刑事に馬鹿にされると、キレし。以外にプライドが高く、自分が納得した事でしか素直に聴かない。そして、どうもキャラがこいヤツらが多いなあ。
「俺達はまだ飯が間だだからレストランに寄ってもr」(秋)
「昨日も食べただろ!そんなモノより犯人を探す方が人々を数多く救え、地海女性も一秒でも早く救って貰える事を君達に期待しているのではないかね!」(少)
秋影さんの言葉を遮り、とても早口で喋る少女は膨れっ面から、何故か楽しそうにしている。こんな状況を、俺は知っている。捜月も黒兎に対してこんなセリフを並べて、仕事に向かって行った。二つ名を持つ優秀な名探偵は皆、空腹寄り自身の好奇心を満たしたい様だ。
「コンビニを少し寄ろう、まだ夕方の五時だ」(秋)
「接技理、御前も腹はすぐだろ?」(秋)
「ぺろぺろキャンディを二ボックス、下の名前の継葉と呼んで貰っても構わないよ、諸君」(継)
「どうも、灰神零人です」(零)
「なるほど、灰神零人君。いや、さんか。零人さんは二頭一対の剣、いやナイフだね。違う、捜月と一緒の左利きで偶に右でナイフを持つ。もしかして両利きだったりするかね?」(継)
「よく分かるね」(零)
捜月と初めてあった時を思い出す。確か、手に着いているマメで推理したんだっけ。似ている、探偵は皆変人が多い。いや、変人でないと命に関わる仕事の探偵なんてやらないか。
「マメで、いやその反応からして、奴がもうしているらしい。これはこれは、何とも言えない気分になるな」(継)
「すげぇ嫌そう」(零)
「僕は二番煎じが一番嫌いなんだよ、奴の様な二番煎じを踏む事を信念としている奴とは合わないよ。決して、ね」(継)
と、言いながらも案外嫌いじゃない?捜月なら嫌いな奴の名前を出すと「出すな」と言うから、結構好き?似た者同士か。
「僕からも探偵を紹介しようか?」(継)
「頼める?」(白)
「出来るとも、僕は奴に比べれば友人が沢山いてね」(継)
「有り難い、継葉」(秋)
「疾風探偵...いや、迅は仕事で忙しいだろう。青空探偵の青空は...朝で無いと来ないから、探偵ではないが、引き籠もりの彼女を連れ出そう。彼女なら手伝ってくれるだろうし」(継)
「引き籠もり?」(白)
「まぁ、我々探偵が知識がない事もある。窓のない見えないビルが有ってね、それは魔術も異能の通さない者でね。元々人だった...これは必要ないね、必要な情報はその高層マンションレベルの図書館がある。そこに住んでいる女性は、我々探偵に尽くしてくれる」
仁さんの小説に出てきたビル、そして継ぎ接ぎの少女が今何となく分かった。そう言えば接技理は苗字だけ、小説に出て来てある事件を解決していた。二人の共闘、在れば架空の探偵では無く、本物だったのか。
「もはや何でもさんの様な者だよ、探偵も似た様な者だがね」(継)
「優秀なのか?」(秋)
「勿論だ、プロなのだから。僕や捜月が君達に頼らず、司書に任せているのが寄り良い証拠だ。我々探偵が頼りずらいのが、家族や友人だが。良く我々を頼るへっぽこ刑事寄りかは、マシだと言えよう。まぁ、感性が我々探偵と違って凡人寄りなのが玉に瑕だがね」(継)
「そろそろコンビニだね、零人君は何か欲しいモノは?」(白)
「ジュース四つ、それ以外はお菓子を」(零)
「私も追加でブラック珈琲と、果物グミと目薬...サクサクパ〇ダを三十袋頼めるかい?」(継)
サクサクパ〇ダ、探偵の中の流行りなのか。そして話からして、探偵達は良く連絡を取り合っているのか。探偵達って、可愛いモノを好むらしい。
「案外可愛い物を頼むのね」(白)
「五月蝿い、今我々はコンプリートを狙っているのだよ」(継)
「飽きず、可愛げのある見た目だし、一口で食べれるのが我々の中ではとても嬉しい。糖炭水化物をとれるのは、少食の我々の味方だ」(継)
白檜さんとメイドさんがコンビニへと向かい、取り残される俺と秋影さん。捜月と同じ感覚で話せば良いのか、でも中学生の少女。
「継葉は今どんな仕事をしている?」(継)
「今は、捜月と数宮殺理、立花仁と共に恐喝王と言われる存在を、今日消した所だ。まぁ、我々は調べただけで、仁が顎を広げて脳髄を取り出していたよ。全く、惨めなモノだよ。だが、クズが死ぬのは惨めな方が、相応しい。そして、仁は殺るのが早すぎる。ビジネスと言われただけで「次の、次のビジネスなどあるか!私が止めてやる!!」とブチ切れて殺るとはな。アレでも捜月の助人とは...
ニヤリと笑って見せるが、仁さん...こわひ。落ち着いた人程怒ると怖い、これは本当の事なのか。正義の為でも女性は傷付けない、でも女性を傷付ける奴は最悪の手をもってソイツを消す。普段は損得感情なしに動く良い人だから、キレると怖いんだな。
「す、凄いな」(秋)
「彼の殺った事に、我々三人は引いていたよ。その分、信用できるが」(継)
「すげぇよな...」(零)
「零人さんは何か夢でもあるのかね?」(継)
「昔は、何かを目指していたんだけど、もう忘れたわ」(零)
「返ってきた様だ」(継)
袋を幾つも持つメイドさん達と、珈琲を配ってくれる白檜さん。ぺろぺろキャンディを咥え、カボチャのクッションに身体を預けて、タブレットPCを膝に置いて仕事を始める継葉。パソコンを弄り、執事と打ち合わせしている秋影さんと白檜さん。俺は何も出来ないので、駅まで仮眠。
気付くと工業地帯へと到着。ガス臭く、ホース?が無数に繋がり、塔らしき物からは白いガスが放出されている。以外にもライトで歩く、道を歩くには苦労しなさそうだが、ホース?が塔?の場所は暗い。
「暗いですね」(零)
「この暗さなら、監視カメラも機能しないな」(継)
「まぁ、期待してなかったからショックはないけどな」(秋)
「でもどうするの秋くん?」(白)
「ふむ、どうしたものか。能力を使うとするか」(継)
「聴き込み、人いるか...」(秋)
「能力?」(零)
「うーむ、まぁ探索系だと思ってくれて構わないよ」(継)
「本当は医療などの...」とボソッと言いながら、少しやるせない様な顔をしていた。五分程で「見付けた、数人いるらしいね」と言いながら走った。皆がそれを追い、人間とは思えない程に脚が速い。
「人数は四人、AKを持っているね」 (継)
「アサルトライフルか、なら白檜は後衛、継葉と零人と俺は前衛だ!」(秋)
「「了解」」(全)
「あと10mほどで到着する、話をしている様だ、一人はイヤホンを付けている。私達の足音には気付いていない、馬鹿だ」(継)
「なら俺が二人やる、二人は一人を頼む」(秋)
「殺しても?」(継)
「構わない」(秋)
フード姿の確認すると戦闘態勢に入り地面を蹴って、スイッチブレードを服から勢い良く飛ばし空中で掴みとる。全身に5パーセントのエネルギーを流し、スイッチを落ち込む。火花を散らして、素早く刃が姿を現す。両手首を瞬時にスイッチブレードで、相手が戦闘態勢に入る前に切断してから一歩下がって跳躍。空中で反転しクルリと体を半回転、着地と同時に地面を強く踏みしめて、顔面に右ストレートパンチをぶち込む。この動きを一秒以内に出来ないと、良く飼い主のエシリアに怒られた。
「良し!いっちょあがり!!」(零)
「そちらも勝たずいたか」(継)
「二人とも早いな、コッチは...気絶したか」(秋)
「皆強いね」(白)
苦しみに染まった生首の髪の毛を掴み、クルクルと回す継葉。容赦がない、七家と一緒の駆除タイプか。秋影さんは両方気絶、この一人と一番相性良いかも。桜満はまだ殺人を犯そうとは思っていないらしく、気絶だ。まぁ仕事に寄る、殺すモノは殺して、生かすモノは生かす精神だっけ。
「すぐ死ぬな此奴ら...先ず、こうなりたくなければ情報を聞こうか」(継)
「何だ...お前ら」(敵)
「質問はこちらからだ、分かるかね?オーケイ?」(継)
「日本じゃ武器は、銃刀法違反って言う犯罪行為なんだわ」(秋)
「分かった、話す。俺達はテロリスト、通称アリ。俺達は国会議員が乗る船を襲う為に、ここで話してたんだ」(敵)
「...今回の目的は、内閣総理大臣の殺害。彼奴は異能者に人権などを与えようとする変人、化け物だ」(敵)
「なるほどなるほど、じゃあ死ね」(継)
「此奴らとは別働隊らしい、恐らく飛行機で船を襲おうとする魂胆だろ。多分これはサブプラン、船の中から襲う積もりだろ」(秋)
明後日の仕事は、面倒なりそうだ。死体をその場で捨て、ワンボックスカーで空港へと向かう。時間を早くしないと、奴らの目的達成の確率を上げてしまう。相手の手を潰さないと、早く。
「相手の選択を潰す事はとても大切だ」(継)
「そうだな、早く向かおう」(秋)
「空港での男を捕まえて、全て情報を話してもらおうか」(継)
「他の奴動いてないのかな」(零)
「誰とか?」(継)
「捜月とかなら少しでも情報を得ている気がする、彼奴は何処からか情報を何時も手に入れている」(零)
「そうか、仕方ない」(継)
連絡をとるが、捜月は「悪いが知らない」と言われたので空港へ。こちらは暗く、人気がない。従業員さんがいるはずなんだ、全く居ないのは何か起きたんだ。
「おい、囲まれてしまったぞ」(継)
「能力が奪われなければ、一秒も掛からないんだけどな」(秋)
「どうするの?」(白)
「まぁ、片付けるしかない」(零)
「じゃあ行くぞ!」(秋)
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ネクタイを引っ張り、軽く緩める。スーツ何て違和感しかない、何故こうなったかと言うと内閣総理大臣の殺人予告を受けたからだ。個人的スーツはあまり好きじゃない、何故なら堅苦しいのは嫌いだから。七家から来たのは俺_灰神零人、紅井捜月、桜満黒兎、柔鳴離桜、香風鎌、花霞生屋、桜満英時、香風麗咽、紅井天音の九名。
一人一人がスーツ、ネクタイのカラーが違う。桜満家は黒色、柔鳴家_桃色、花霞家_緑色、紅井家_緋色、香風家_紫色の着物と和服、それ以外ならネクタイやら見える所に家の色を付けた服を着ることを義務ずけられている。理由は自分達の部下が直ぐ分かる様に、と言うヤツで色々と諸説あるが、これが始まったのは外国の文化が入り、青赤黒白の四色以外が増えた時期から始まったのは確からしい。一番有力な説明は天皇陛下に覚えて貰う為、と言うのが一番有力な説。それが今でも風習として残っている、まぁ少し面倒だけど。
八階層は高級感溢れる家具に、高い天井にクルクル回る大きなシャンデリア。一つ一つの家具に金の装飾が施され、宝石等が埋め込まれている。パーティー会場にいる人達も指に宝石の指輪をはめて、仮面を付けている。因みに俺達七家は仮面なし、何でだよ。余り大勢に顔見られたくないんだけど。
「だるい!」(捜)
「ここでそれは言わないで!」(天)
「当主だよ!一番この中で偉いんだから発言には気お付けて!」(黒)
「衣明達退けて、内閣含めて沈めるか。新しい代わりがくる期間は俺がしてやるから」(捜)
「多分独裁政治になるぞ[護られるはずの七家に殺される職業何かに着きたくないだろうし]」(零)
「いい政治には成らないだろうな〜」(英)
「眠いな」(鎌)
「俺飯食ってくるわ」(生)
「行ってらっしゃい」(麗)
そう言えば、九歳の子供がいるんだよな。麗咽ちゃん、戦闘系じゃないから今回苦労するなぁ。いや、九歳って事はあの受験を十歳になる前にクリアしたのか。どうやって探るかだよな、会議でメンバーを集めたけど。本当このメンバーで大丈夫か?麗咽ちゃんは時間に成れば寝かせておけば良いか。今午後1:15分だし。
「今回殺理は来なかったんだね」(黒)
「来なくて良いだろ、あんな奴」(捜)
「相変わらず仲が悪いようで」(零)
「生屋に着いて行ってくるわ、麗咽は?」(鎌)
「私もついて行く」(麗)
この船クーベルトンは十回層に分かれ、カジノやらプール何かがある高級な船。今回は異能者擁護会議である為に、国会ではなくこのクーベルトンにて会議を行う。理由は勿論、過激派の連中が一度議員を殺害したからだ。だから異能者擁護会議には、このクーベルトンが使用さられているが、今回過激派にこの情報がリークされた。この豪華客船にテロリストが紛れんこでいるらいて、そいつ等を殺処分か捕らえるのが俺達の仕事だ。
今は八階層のパーティー会場に皆がいて、総理もいるので問題ないと思う。俺達がテロリスト相手に負ける事なんて考えてないが、異能者相手でも俺たちも簡単には負けない。執事やメイド達もいるから数でも問題なし、他の層にもいるから奇襲も受けない。
「はぁぁぁああ」(捜)
「デカいあくびだね」(衣)
「ちょっと仕事でな、依頼する人間達に会うのに苦労した」(捜)
「だれに手伝いを依頼したんだい?」(幼)
「流石に依頼し過ぎだとおもうけど?」(継)
「うるせ」(捜)
「酷いな、私にも教えてくれも構わないじゃないか」(幼)
「うるせぇな、幼香の所為でちっちゃくなって色々と苦労させられたんだ」(捜)
「案外ねちっこいのかな?」(幼)
「探偵はネチネチしているのだよ」(継)
「なるほどなるほど、記憶しておくよ」(幼)
「俺はトコトン!ネチネチしていてね、汚辱は心の底から消し去る永遠の先まで覚えているよ」(捜)
「俺も酒飲もうかな?こう見ると美味しそう」(零)
「仕事中〜!」(朝)
「酔っ払うのは駄目ですよ」(七)
スピーカーから「楽団の人達の準備が終わりました。今回の楽団は、centipede」黒いスーツ姿の楽団達十四人が舞台に上がり、一人一人が楽器を黒い箱から取り出す。高身長が多く、小さな女の子もいる。指揮者が五分ほど捜月と話し、舞台に上がって指揮棒を指で謎り、指揮棒を掲げてる。皆が指揮棒を見ると、スイッチが入ったかの様に静かになる。指揮者の腕が動くと同時に演奏が始まり、異様な雰囲気に包まれる。
「凄い迫力だね」(黒)
「うわ......予想寄り上手い。レクイエム、ちょっとアレンジされてる」(捜)
「知り合いか?」(零)
「遠い親戚だ。家にコントラバスが置いてあったから、そこで弾いてるデカブツに聞くと全員できるって言うから、依頼した」(捜)
「あんな小さい子までグランドピアノを、誰が教えたの?」(黒)
「11歳にグランドピアノ三ヶ月で覚えさせたらしい、そこのフルート吹いてる白い髪の女の人居るだろ?そん人」(捜)
「指揮者って必要なのか?常に思うわ。棒降っる人じゃん」(零)
「あれ無茶苦茶仕事あるらしいぞ、詳しくないけど」(捜)
「俺には良くわからんなぁ」(英)
「英時はそもそもクラシック好きじゃないだろ?」(捜)
「良く分かってるな、ロック系がすき。零人は?」(英)
「俺はアニソン派だから」(零)
「黒兎は?」(英)
「僕?僕はボカロ厨だから知らないなぁ...捜月が家でストラディヴァリウスを弾いていたのは知ってる、位?」(黒)
「後で捜月も演奏するんだろ?何て曲?」(英)
「アメイジング・グレイス」(捜)
「日本語で頼むわ」(英)
「知らないのかよ、結構有名だけどな。黒人奴隷貿易に関わったことに対する悔恨、それにも拘らず赦しを与えた神の愛に対する感謝が歌われている、とかな?分かるか?」(捜)
「さぁっぱりだ」(英)
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「捜月さんに頼まれちまったからな」(紅)
「仕方ないよね」(蒼)
「今回のテロリスト集団が結構デカいんだろ?」(玄)
「俺達って三階層までの捜索だろ?五階層までは誰がやるんだろうな?」(紅)
「あの人から誰に頼んでも違和感ないわ」(玄)
「麗衣炙を八階層に居させて良かったの?」(蒼)
「捜月さんに依頼された時に頼んでおいた」(紅)
眠いな、こんな時間に会議をする何て議員達は大変だな。炎を使用するとここ豪華客船ごと吹き飛ばしてしまうから、捜月さんから止められている。金は貰ってるし、貰ってなくてもあの人なら聞くけど、殺して良いから遠慮なく殺すけど。
「憑李さんも来てくれるらしいよ」(蒼)
「表向きはムー大陸の王様の護衛らしいよ、王本人は護衛すら知らないらしいけどね」(蒼)
「確か神の子とか言われてる奴だっけ?」(玄)
「そうそう、無茶苦茶良い人らしいよ」(蒼)
確か、神の子共と言われる存在で、奴隷達を解放する事をしたり、新たな宗教を創り出した。他にも無能力者なのに色々と不思議な力を持ち、十二人の直属の部下を持っている。アソコの大陸の人達は髪が白髪なのに、黄金の髪をもっている長髪の男。
「で、その王様は何にしてんだよ」(紅)
「客船の人達と話し合ってるよ」(蒼)
「異能者の奴隷解放の会議でもあるから、他の異端者達と親睦が目的だろ」(玄)
「俺は余り好きじゃないな」(紅)
「何で?」(蒼)
「完璧な善人は親しみを感じないから好きじゃない、そもそも神嫌いだし」(紅)
「分かるわ〜」(玄)
「僕もそれ分かるな」(蒼)
話してて絶対面白くないな、親しみを感じないのは嫌だ。神とかと頭を下げられて、笑顔で手を降って親しみを感じる為に貧困層の金をばら撒くなんて、実際に存在するか怪しい。
「それらまだ百足の方がまだまし」(紅)
「だな。互いにカリスマ性を持つち、仲間を自分で集めたや他にも共通点があるが、まだ人を救うんじゃなくて殺してる方が俺達には親近感がわくな」(玄)
「このくらい三層に朝までいるのは、少しきついな」(蒼)
「暗いのか、ここ」(紅)
「気付かなかっまた...」(玄)
「一つ一つドアを開けて行こうか、倉庫とかに武器が隠されてる可能性があるしな」(紅)
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「潜り込めましたが、この後どうします?」(盗)
「そうだな、先ずは依頼通りに一人一人潰す」(昏)
「団長、何で分けたの?」(黒葉)
「三つに分けたのは一層ごとに戦闘できる奴を配置するのが目的だ」(昏)
「このパーティ会場で脚を喪わない様にしましょう」(墓)
「そうね、この団長チームで二つに分けること前提でも考えられるよね」(白)
「そうだ。ほかの奴らも二つに別れる事になるかも知れないし、少し俺と墓峯と黒葉は八階層に行く。リーク大帝国の王、シャル・リークを一目見たい」(昏)
黒い噂もあるし、十二人の人間達のレベルを確認しておこう。神の子の弟子が、どのレベルにまで成長しているのか、多少なりとも知る必要がある。俺達の依頼はテロリストの壊滅ではなく、ムー大陸を一つに纏めているリーク大帝国の王の暗殺。ムー大陸の消滅と、死体処理。俺の能力なら大陸何てすぐ消せる、まぁ魔法界に落とすだけだが。一番しんどいのは、大陸を消した後の残業だな。
「勝てるの?王の能力がもし、初見殺しだったら」(黒葉)
「俺が奴の能力を逆算するのが早いか、奴の能力が早いかだ」(昏)
「逆算とは?」(盗)
「これは能力者通しの、言っちまえば顕現系_"現象"を引き起こす能力。それは俺の自由意志や無黒の殺された子供達の様な例外を除けば、殆ど使用出来る...戦法?だな」(昏)
「黒兎君の創造力の力や、捜月君の緋色の自傷血漿は何系統なんです?」(墓)
「どう見ても顕現系...とは言いずらいよね」(白)
「奴らの系統は、俺達の能力と一緒の特質系に入る。別名電脳粒子扉系に入るとも専門家達には言われている、今の電脳粒子扉はこの世界が電脳世界VROOMRPG_端的に述べれば今居る世界がゲームの中何じゃないか?と言う説を唱える奴らの知識を持つ、思想の持ちつぬしが異能を研究し、付けた名前だ。この世界の外側の扉に触れている存在、だとな」(昏)
「何となく分かった」(黒葉)
「バグって言われている訳ね」(白)
「毒を吐かれてる訳か」(盗)
「言わるチート、ズル」(墓)
ゲームだと言われる理由は存在する。日本で一番有名な火山、富士山は俺の眼には見えない。この世界が電脳世界なら俺達の世界に、今富士山は存在しない。俺が富士山が存在するマップに移動する時、生成される。それは熾焔紅爐の能力の一つ、幽霊粒子は光寄り早く行動できる能力の一つだが、富士山の構築を確認する事は出来ない。
俺達の行動はプレイヤー、所謂神が創った世界。ならバクが存在するはずと、ならバグとは何か。それは異能?魔術?この理論なら異能はゲームマスターの能力を、限定的に使用できる。魔術はコマンド、呪文も言うコマンドで現象を起こす。ならバグの事を。俺達にバクを引き起こす事は不可能に近い。
俺達寄り優れた者、神々が俺達の思考を読み取る事が出来ない訳がない。俺達がバクを引き起こそうとしても、それは無数とも言えるシュミレーションされた中の、想定された行動の一つ。ならバグとは、俺達の様な特質系の世界の理さへ壊す能力達。それは神々が能力を与え過ぎたのではないか、と言われている。一般人にもバクは勿論発生する、この世に完璧な存在など存在しない。なら一般人のバクとは既視感、デジャブと言われるモノがそうだ。
「顕現系は広範囲で、シンプルながら強力。この場合の"逆算"は相手の思考回路を上回り、いや、演算能力の起きる結果を自分の演算力で妨害する。まぁ多少の嫌がらせ態度、とまぁ言われる事が多いが、俺の様な能力に詳しい者、頭が良い者、思考を読み取る者や様々な優れた能力が使用する場合には嫌がらせ態度じゃ済まない。その代わり、戦闘中に演算と逆算の同時計算。戦闘の判断、他の何かを同時に並行に進めて行かなければならない。まぁ俺の派生系、重力操作や電磁操作でバリア等を使用する能力者に、逆算を使うと直接攻撃できる」(昏)
「って事は、洗脳系の能力にも抵抗できる?」(盗)
「あぁ、抵抗可能で相手に押し付けも可能。まぁ奴らも頭良い奴が多いから、逆算できる奴は難しいがな」(昏)
「ん?」(黒)
「悪い悪い、十歳の子供には難しかったな」(昏)
教えるのが、俺は駄目だな。俺の教え方はある程度の知識がある奴に対して、教える様なモノだから難しいんだろう。それにしても、黒葉出身のリーク大帝国の王が、生物変化系だというは何となく理解してんだよな。
「軽く見に行くぞ、白音と盗牙はここらで待機しておけよ。少し話して来るから、な。"人間"って奴を見えくるわ」(昏)
「気お付けて〜」(盗)
「まだ騒がないでよ、団長!」(白)
「分かってるよ、でも彼奴らの事だから始めてるかな」(昏)
「そ、それって、大丈夫?」(黒葉)
「死体何て残らないだろ、彼奴人食いだからな」(昏)
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食事を取り、ジュースを飲みがから周囲を確認する。今の所は異常なし、八階層はの話だけど。下手に下がってヤバいやつと出会うのも、アレだしなぁ。捜月が依頼した人、犯罪者じゃなければ良いなぁ。
「一階下がる...うーむ」(零)
「下がれば?」(黒)
「勝てないじゃん」(零)
「勝つ気で行かないと強くなるのは無理だよ」(黒)
「しゃあない、行くか。テロリスト共と連戦したかクリスマスの日に、殺し合いはしたくないな」(零)
「クリスマスの日には、戦争も止まったと聞いた事がある」(捜)
「それ聞いたことある」(黒)
「こっちの業界でも同じこと起きるか?」(零)
「「ある訳ないじゃん」」(捜・黒)
「ですよねぇぇぇ!」(零)
「ほら、行ってくるんだ〜」(黒)
「分かったよ!行くよ!」(零)
「これはチョロい」(捜)
「行かなくても良いんですけど!」(零)
「ゴタゴタ言うな〜はよ行け〜」(捜)
「誰か着いて来てくれませんかね〜...チラチラ」(零)
「灰神零人が此方を見ている、仲間にしますか?」(捜)
「No!可愛後には旅をさせよ、って事でボッチで行ってら〜」(黒)
「最低だ!パーティメンバーに入れてくれよ」(零)
「悪いな零人、剣士は事足りてるんだ」(捜)
そんな茶番をし、七階層に降りる。七階層は寝室で、赤いフローリングに黄色ポイ壁が広がっている。パーティー会場に人が集まっているから、人が居ない。等と思っていると、首に包帯を巻いたスーツの男性のぶつかってしまう。反射的に「すいません!」と声をだし、我に戻る。腰に吊るされた二本の刀と、赤と白に分かれた不気味な仮面。
「こちらこそすまなかったな、前を見てなかった」(ウィ)
「......」(零)
「あ、あぁこれか。私はとある探偵から護衛の任務を受けましてね」(ウィ)
「なるほど」(零)
「では私はここで」(ウィ)
「はい」(零)
何故灰神零人が七階層に?ホーが俺達がサボってないか、確認する為に送って来たのか?まぁ下の階層でも見に行けと適当に行かせたんだろう。
13号室に戻り、イレギュラーズの皆と合流。さっきは軽い見回りをしに行っていた、零人に会うとは全く予想外だった。13号室には二つのベットとランプ、コンビニ弁当やジュースや麦酒が小さい冷蔵庫に入っている。
今回来たのは俺とアーサー、シャーロット・ワトソン_ルーカス・モーガン_アリア・ハリス_アメリア_ダーシー・エドワーズの七名。シャーロット以外は皆が戦闘ができ、シャーロットは参謀役だ。(ウィ)
「我々は今回、ホームズの護衛。彼は強い、でも..."怪異"の様なモノには体制がありません。神衣憑李さん曰く「神々に気に入られているから、それが逆に怪異を呼びかも、でも余り影響はない」と言われてました」(シャ)
「分かってる、あと一つは加具執と零人、紅爐のサポート。彼奴らは希望だと言っていた、なら救う必要がある」(ウィ)
「一番マズイのは、シャル・リークですよね?」(アリ)
「そうです。暗殺を計画くると言う事は、時空バリアの突破口を見付けたと判断しても良いでしょう」(シャ)
「私は獣の聴覚で感知しようか?」(ダ)
「我々の戦いは雑魚の排除だ。あの人の運命を操る能力で、零人と必ず戦闘する。奴の目的は分からない、でも必ず"彼の未来"の道には必要なんです」(シャ)
「俺は八階層に行ってくるから」(ウィ)
「俺も行く、暇だし」(加)
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エスカレーターで八階層に移動、六階層とは違い華やかな装飾がされている。六階層が寝室だから当たり前と言えば当たり前だが、金の装飾と芸術的な壁のイラストを見てら誰でもそう思うと思う。黒葉と墓峯とパーティー会場のレッドカーペットを歩いていると、家具の隙間に一枚の紙切れを黒葉が見付ける。
「団長、これ」(黒葉)
「どれどれ」(昏)
「何が書いてあったんです」(墓)
紙に書かれていたのは、ポエム的な何か。俺は人の闇に理解がある方だとは自負しているが、こればかりは理解出来ないな。
黒き魔術師は戦う事になる、遺る手足が半分に成ろうと。十二対が重なる時、この夜から追放されてしまった。貴方は皆が目指すべき存在であったが、貴方は暗闇に堕ちてしまったのだ。
天候が悪い日に、紅き血が流れる時、雷が降りて貴方は地獄から引っ張られるだろう。手足が亡くなり、頭も心を喪う事になる。
「って、これは誰の事だ?十二対は俺の自由意志の事を指名ているのか、他に十二枚の羽根を持つ者がいるのか現れるのか」(昏)
「他にも落ちてるかもですね」(墓)
「誰かが落としたのかな?」(黒葉)
「厨二が落としたと考えたいが、この船に七家以外に20寄り歳下は居ない。テロリストや今回の器も、例外にはいるがな」(昏)
「もしかしたら他の人も拾ってたりして」(黒葉)
「あるかもな」(昏)
「ありましたよ」(墓)
「何枚落ちてるんだろ」(黒葉)
「読み上げてくれ」(昏)
女教皇は孤立してしまう、何故なら貴方が最期に残った最後の足だから。貴方は魔術師に全てを注ぎなさい、でも彼を疑ってはいけない。完全には地獄から引っ張られないが、羽根を落とす程度で済ませられるだろう。
「不思議な...話ですね...」(墓)
「何枚あるか知らないが、繋げると一つの詩になるんじゃないか?あとは踊る人形の様な暗号とかか?」(昏)
「発送が毒されてますね」(墓)
「面白くなさそう」(黒葉)
「すごく分かる、まだ主人公の存在も示されてないからな」(昏)
「居たよ、私達を実験に使ってた人」(黒葉)
金の髪を持つ、分け隔てなく関わる人物。シャル・リーク、神の子と言われる存在。ムー大陸の人物は黒葉同様に白髪らしいが、奴は金の髪を生まれながら持ち、人格者と言われて国からも信者と言われる存在がいる。だが、噂は黒く、自身が神の子と予言される事は必然だも思う傲慢。幹部と信者から選び、強力な異能者を選んで弟子達と呼んでいる。
「貴方が朝乃さんですか?テレビでみる寄りお美しいです」(シャル)
「そう?結構気にしてるからかな」(朝)
「どう思う?」(昏)
「嫌い」(黒葉)
「お前の友達の仇は打ってやる、数も必要だしな」(昏)
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静けさがある暗い日に、悪魔は堕ちた奇術師の戦いに巻き込まれる。頭が潰れて行動が制限され、面白みのない戦いが続くあまりに訛った力で天使との決闘。頭が潰れて減った脚を護ろうとは思うな、貴方も脚の一本だと言うことは忘れてはならない。
「日本語なのに意味が分からない?」(無)
「俺も拾ったぞ」(蘆)
「何て書いてあった?」(無)
「そこいらに置いている物を拾わない方がいいと思う」(黒矢)
世界が泣いた日に、頭が潰れる事に寄り貴方の運命の輪は罅割れてしまった。それが最悪手で、自身の甘い香りが通じない美しき者には気おつけなさい。貴方は足でしかなく、美しき翼には勝てないのだから
「他の奴あるか調べて見ようか」(黒死牙)
「美しない文面だ」(黒上)
「死捕にでも連絡するか、情報確認もあるしな」(無)
成れない手付きでスマホ?を弄り、アプリから死捕の名前を探して選択する。数回のコール音がすると、ピッと音がすると不思議な事に死捕の声が聞こえる。
(もしもし?)(死)
「何か拾ったか?世にいう黒歴史を見付けたんだ、そちらは拾ってないか確認したくてな。テロリストどもの暗号かも知れん」(無)
(暗闇は吊るされた男の様に、明るくひっくり返ってしまう、たった一つの閃光に寄って。油断も隙も見せてはならない、性など変わらないのだから)(死)
(コッチで拾ったのはそれだけだぞ、そんな厨二ノートが暗号とでも考えているのか?時間の無駄だそ)(死)
「そうなのかも知れないな」(無)
「何て言ってるの?」(黒上)
「くだらないことだろ?」(黒死牙)
「くだらない事らしいな、少し腹が減ったから食事をとろう」(無)
「お前の食事は腹がえるんじゃなく、ゲロる」(黒死牙)
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八階層に戻って食事をしていると、突然なる銃声。何処からか現れる銃を構えた、顔を仮面で隠す男達。ナイフを取り出して衣明達の方へと移動し、テーブルの下に衣明と歌檎を避難させる。
「手を上げろ!」(敵)
「どうするの?」(衣)
「捜月達と部屋を別れたのが痛かったな、でも勝てる」(零)
「大丈夫?」(衣)
「殺せば問題ない、歌檎の眼を隠してくれ」(零)
テーブルから顔を出し、身体を捻って円形の斬撃を放つ。斬撃はテロリストの上半身を切断し、壁に多いな傷付ける。遺された下半身からは、血が噴き出して地面を赤黒く染める。(零)
「殺しは余り好きじゃないんだけど」(零)
「凄い」(衣)
「ここで居るんだぞ」(零)
「危ない事をしちゃだめだよ」(歌)
「悪い、俺は"死ぬ為に"生きて来たんだよ」(零)
捜月の方へと走ると、黒髪ロングのスーツ姿の青年と、捜月がシャル・リークと真剣な顔持ちで向き合っていた。何か、あると思い捜月の隣に移動し、腰を落としてナイフを構える。
「来たか、灰神零人」(シャル)
「来てしまったか」(捜)
「灰神零人は知っているかね、世界は我々だ。人間の思考で考えた事は作れてしまうと。我々は無数の細胞で構成された世界_一つの人間だ。言わば地球、言わば哺乳類の中の現生人類のホモ・サピエンス・サピエンス。我々は白血球か、癌細胞なのかは関係ない。地球と言うなの人間の細胞の一つだから」(シャル)
「でもね、我々は地球の中の人間_世界だ。我々の中の地球は神、私は自然から生まれた神の子。君は、天から生まれた零人。違うのだよ、地下の反逆者、昏亥と君はレベルが違う。堕天使は生まれたばかりのバグ、君の存在は"真の意識"を手に入れる過程の存在」(シャル)
「互いにこの世界とは違う存在、捜月や殺理、深縹と深紅の様な既存する世界の最大限で造られた存在とはまた違う。捜月と殺理はこの世界でのプランを無数にあるモノの過程を予測し、そのメインプランとスペアプランがこの世界を渦巻き、君達二人を越える世界のバグに成長しつつある。そろそろ消さなけへばならないぞ」(シャル)
「......ちょっと何言ってるか分かんない」(零)
「人に教える時は、端的が一番良いモノを」(捜)
「俺並みに教えベタだな」(昏)
細胞とか地球とか、俺は生物苦手なんだよな。グルコースとか胆汁とか、テストだけ分かってるけど、今となれば全然記憶にないんです。あと急にそんな事を言われても、すぐ様理解して戦闘に入れるのは天才レベルなんですけど。まぁ、何となくは分かる、何となくは。結局何したいの?厨二の相手なんてしてられないんですわ。国のトップでも厨二になる、でも24歳だよな。大二病?になるのか?
「可哀想に...」(零)
「違う意味で捉えた様だぞ」(捜)
「哀れ哀れ」(昏)
「神の子が生まれてきた事は何か意味がある、それは零人と昏亥の成長。そして神の降臨!」(シャル)
「精神科医行けば?」(零)
「矢張り、地海に堕ろすのか」(捜)
「ここで羽根を広げたら巻き込むな」(昏)
「堕ろす為には、紅井捜月...今はお前が邪魔だ」(シャル)
「天空を貫く神への挑戦」(シャル)
人差し指で円を描くと、正面にいる捜月の左半身が弾け飛ぶ。その事に気付くのに遅れ、捜月の左半身の再生を見てからテーブルクロスの影に向かって地面を蹴って隠れる。誰も気付かなかった、そして時空を貫いた。防御無視が必ず当たると言う"結果"の先撮り能力か。眼鏡付けた状態なら勝てないな、アレを頭に喰らうと即死だな。
「灰神零人。私は本当はテロリスト等と協力はしたくはなかった、でもね!君は殺す気で成長して貰わないと、ここで死んだら次の希望が産まれてくるはずなんだ。だから此処で死んでも構わないよ」(シャル)
「何言ってんだこいつ!」(零)
「さぁ?仕事のし過ぎで頭イカれたんじゃね?...俺も気を付けよ」(捜)
「狂人だな、お前らは他の団員にこの状況を伝えて雑魚の殲滅!」(昏)
「ここは俺達二人で相手する、零人は上で行われているであろう儀式をとめて来てくれ」(捜)
「儀式?」(零)
「言ってなかった、超端的に言うと彼奴らは地球の人格をお前...いや、女に堕ろそうとしている」(捜)
「堕ろされたらどうなるんだ?」(零)
「もう俺達じゃ手が付けられん」(捜)
「分かった、行ってくる!」(零)
零人は九階層に、俺達は此奴を倒すのか。どうやって殺すか、自由意志を使用するなら捜月を巻き込むしな。死神の知恵だけで戦闘するしかない、相手の指の動きと同時に逆算を始める。零人が間に合えば良いが、失敗すれば全て水の泡だ。テロリストを纏める飛時原連十に勝てるか、楽しみだ。
「さぁ、死神の知恵を見せてやるよ」(昏)
「久々の本気戦闘だよ」(捜)
「今日、此処で殺すとしよう...紅井捜月」(シャル)
「やってみな?この世には可能な事と、不可能な事が存在する。過去に起きた事を無かった事に、とかな。この運命は決定している、十二年前にな」(捜)
「憑李はどうした?」(捜)
「寝ているよ、一階層でね」(シャル)
____________________________________
腸を食い破り、飲み込む。手をちぎって小さくし、肝臓と共に口をほうばる。モゴモゴと口の中で弄びながら小さくして、心臓を掲げた状態から雑巾の様に絞って大量の血を口入れ、全て飲み込む。ゴクリっと暗闇に響き、他の団員は呆れた顔をし、括り付けられた奴らは怯えり失禁してる奴もいる。
口の中は苦味とコクがある、普段の人種は薄味で口いっぱいに入れないと味を感じれないが、テロリストとして裏金が出るのか臓器が美味い。味的に煙草も酒もしてない、素晴らしい!ウマウマ、ヤッパリ健康な人間が二番目に美味いなぁ。
「フゥ...まだ食いたい」(無)
「臭いなぁ」(蘆)
「血塗れ、美しい」(黒上)
「汚ぇだろ」(黒死牙)
「汚いから俺に付けないでくれよ」(黒矢)
「お前、飯の事を汚いなんて失礼だぞ」(無)
「汚い物は汚い、今零人と連十が出会ってるけど、下に行かなくても良いのか?食うなら早くしてくれ」(黒矢)
「脳髄吸ってからで良いか?」(無)
「早く行くぞ」(蘆)
「黒葉?」(黒矢)
「戦いだした、雑魚の殲滅」(黒葉)
「「了解」」(全)
紫の炎を放出し、通路を焼き尽くす。地面に拳で穴を開けて、広げて行く。近くにあった頭を掴んで潰し、クルクルと回して黒スーツに投げ捨てる。紫炎で部屋を焼き尽くすと、船が大きく揺れ動き三階層へと落ちる。
「何だ?」(無)
「穴空いた...」(黒矢)
「ま?」(黒死牙)
「どうするんです」(墓)
「やばいですよ!」(盗)
「団長はどうだ?」(無)
「今は戦闘に集中してる」(黒矢)
「捜月が塞ぐだろ」(黒死牙)
「捜月の能力は"吸血鬼の王"を"取り込んだ"時から水に触れると消滅する」(無)
「死捕は?」(好)
「船の明かりで」(紫)
「クソ!」(生時)
「力で塞げばいいだろ」(理)
「いや、そのまま放置で良い。俺ら以外がやってくれるさ」(無)
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銃弾の中を掻い潜り、弾丸をナイフで弾道を変えて回避する。ナイフと弾丸が重なり火花が舞うと同時にテーブルクロスの中に滑り込み、倒したテロリストから奪ったAKの弾丸をセットし、数人のリロード中に飛び出して乱射する。走りながらテーブルにあるステーキに被り付き、テロリストに間合いを詰めてナイフを頸動脈に刺して行く。
二階から地下の倉庫だっけ、ならテロリストがいるならそこらにまだ武器を隠している可能性が多いにある。総理がいる八階層を離れる事が出来ないのは、ハッキリ言って馬鹿としか言えない。面倒臭い仕事と割り切れないし、銃をもっている相手に俺らも100%勝てるとは言えない。当たりと所が悪ければ、俺達七家と言えど死ぬ。殲滅任務なら余裕なんだけど、護衛もやるのは難しいな。
兄貴が居ない分、俺も頑張らないとな。ステーキ素敵、美味いなぁ。毒なら捜月さんが反応するし、黒兎さんが治してくれる。でも、何度も使用できるわけじゃないから、救える人数は限られるし、戦闘を考えれば更に救える人間が減る。それに、この弾丸の中に麗咽ちゃん放置するのはな。
「俺らってこのままどうするのかね?」(生)
「戦闘が終わればバカンスだ」(英)
「時間も遅いし、眠い...」(鎌)
「でも、我慢だね〜」(麗)
「ヤッパリ地下に言ってくるわ、確か二階層から地下だよな?」(生)
「俺も行く」(英)
数は多い方が死ぬ可能性減るし、殲滅力が大きくなるが、防衛の任務の成功率は格段に下がる。捜月さんが色々と手を回しているから、地下以外は問題ないらしい。流石にあの人でも、他国の荷物には手を回しずらい。
二階層はリーク大帝国の食糧倉庫、一階層はシャル・リークの宝物らしい。その為、俺達は地下にはいるには許可がいるし、自由行動出来ない。チャッカリボディーガード、まぁ監視役が着いて回る。傍から見ると意味が分からない、日本に入る為には荷物確認が待ってる。何かあるのは確実、奴らの怪しい動きはコッチは把握してるから、どんなに危ない事をしても難を逃れられる。まぁ、裏切り者がいるから100%黒だとは分かってるんだよな。
「いや、一人で良い。俺の能力で軽く暴れて来るわ」(生)
「八階層は任せろ、でも...幹部以外は敵か分からない。敵が居たらだぞ」(鎌)
「分かってるって。でも、居るよな?」(生)
「あぁ、100%いる」(英)
「誰がいるの?」(麗)
「何れ分かるさ」(生)
パーティー会場からエレベーターでは無く、階段を使用して下に下がる。手摺りを握り締め、跳躍して階段を飛び降る_ショートカット。これなら早くに移動でき、階段は暗闇なので俺の姿を完全に捉えることはまず不可能。流石に手摺りを握り締め、飛ぶを繰り返すのは足首がジンジンする。
能力を使用し、身体を強化する。注射器らしき黒い機械の中にある緑色の液体を身体に打ち込み、自身の細胞を増やす。血管が浮き出し、一瞬赤い血液型が緑色に染まる。俺の能力は細胞を他の生物に変えてしまう、人間の細胞分裂の数は決まっている。だから俺は細胞を外部から増やし、俺の寿命の減少を多少マシにする。
俺の能力はだいたい予想出来たかな?生物の力を使用できる、シンプルな能力。え?筋力で自分の体重を持ち上げれる奴の身体を大きくしても、意味無いって?俺の能力には、そんな法則は関係ない俺には関係ない。
「入りたいんだが」(生)
「貴方は、生屋様ですか。はい、今ぼd」(的)
顎を掴み、顎だけを握り潰す。真っ赤っに染まった手を回し、血を振るい落として、顔面を踏み付けて頭を潰す。機械的なドアを蹴り壊し、ギャンブルをしていた数人を吹き飛ばす。
「ちょっと見せて欲しい物があるんですけど」(生)
「何だお前!」(敵)
「フゥ、俺の名前は良い。てめぇら、敵だろ?」(生)
「何言ってんだ、此奴?」(敵)
自白能力はない、此奴らワンチャン知らない可能性もあるけど、殺すか。多分ここら辺にあると思うし、武器があるなら確定黒枠。無くても此奴らほぼ黒だし、俺と英時さんの第一の目的は捜月さんから依頼された、シャル・リークの幹部を全員殺して、手脚を潰し残りを頭だけにする事。
「リーク大帝国の五人の幹部、ここにいるだろ?」(生)
「矢張り、あの某人形では騙せんか」(?)
「一人で五人を相手するつもりですか?」(?)
「たった十二人、そして全員が戦闘系統じゃねぇだろ」(生)
リーク大帝国は魔術師と関係ないがある、と言う事は魔術を使用する可能性。なら俺と同様の強さレベルの可能性があり、俺以上の強さは確実に存在する。笑ってられる状況じゃない、でも負ける戦いを俺はしない。裏切り者が一人、能力は全て把握してる。
「なら、ハルとサル...俺と一緒に殺るぞ」(?)
「了解〜」(サ)
「キャルは戦い好きだね」(ハ)
「全員相手してくんないのか」(生)
まぁ、当たり前だよなぁ。此処で戦力を削ぐ寄り、目的を進めた方が良いよな。奴らの目的は......そして、先ずはウラヌ・マリーの殺害が最優先。
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首を傾げ、もうかた方は指を頭に突っ込むで脳を破壊し殺害。地面を蹴って両手の肉塊を投げ捨て、膝を顎に入れて頭を貫通させる。脚を引き抜いて隣りにの女に拳で腹を貫き、体内から地獄の炎で破裂させる。赤炎を瞬時に消し去り、三層の倉庫を走り回る。
三人バラバラでの行動する理由、幹部の殺害。向こうの能力は把握済み、こちらは早くウラヌ・マリーを殺すかのタイムアタック。奴等の能力は化け物を生み出し、操作するか融合するかの能力。俺達の目的は捜月さんの依頼、なら全力で行動するしかない。
「ちょっとお待ちなさい、熾焔紅爐」(?)
「早くやろう」(?)
「確か、キルとエルだっけ?」(紅)
修道服を着た二人、一人は女性で一人は男性。男の子方は神父?の様な服装で、話に聞いていた幹部の十二人の二人だろう。久しぶに食うか?腹減ってるし。
「頂きまず」(紅)
「何いっt」(エ)
「ん?」(キ)
地面を蹴って二人の間を通り過ぎる合間に、心臓二つを抜き取る。宙に腕が二本空中で回転し、返り血で壁を赤く染める。心臓に牙を入れると血が噴き出し、俺の顔と服を汚してしまう。そして味は最悪。(紅)
「不味いな、もっと健康な肉を食いたいぜ。肝臓食ってから彼奴らの所に行くかな、船に穴空いた落としたし」(紅)
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青い大きな魔法陣の中心に既視感を覚える少女が鎖で拘束され、もがいているのが分かる。でも、黒いパーカー男の「犠牲に成ってもいいのか?」の一言で大人しくなつまて、魔法陣が加速し始める。
「反転した力」(零)
斬撃を放つが防壁に寄って防がれ、魔法陣を消す事が出来ないので身体にエネルギーを今流せる最大限の20%を巡らせ、防壁を回し蹴りで叩き砕き割って魔法陣を消す為に蹴りを放つ。俺の全身全霊の一撃を脚首を掴む、先程の黒いパーカー男が防いで見せる。
「衝撃吸収、身体強化」(連)
「な!?」(零)
「片手で止めるだと!?」(零)
俺の様に振動エネルギーや、ベクトルのパワーを吸収したのか?俺と似た様なモノか、厄介過ぎる。俺と同い歳か?何で!?違う、この世界に歳何て関係ないだろ!
身体を捻って解かせ、顔面に蹴りを入れるも吹き飛ばせない。数歩後ろに下がって、ナイフを逆手に持ってエネルギーを巡らせる。互いに腰を深く落とし、集中する。
「その子はなんで逃げない?」(零)
「気付いてないのか?」(連)
「は?」(零)
「お前と一緒に、"施設"でいた奴だよ」(連)
「......」(零)
嘘を言ってる様には見えない、でも本当なら何でだ?何故俺に施設の子だと言う必要がある?俺が救えなかった時の罪悪感、それとも...。
「教えてやるよ、器は地海だけじゃない。彼処にいた零人、お前も器の機能を満たせる。彼奴はお前を救ってるんだよ、その気持ちを無下にするのか?」(連)
「あの地獄にいたのか...」(零)
「お笑いだよ、人を救う何て」(連)
「そうだな」(零)
「お前は何でテロリスト何てやってるんだ?」(零)
「じゃあ聞くが!何で異能者が救えかも知れない会議を邪魔をする!」(零)
「差別が無くなるのはいい事じゃないか!」(零)
「......それが無くなったら、俺の復讐心は何処に捨てればいいんだよ!?」(連)
てめぇには分からないと思う、お前は天下の七家だ。俺の様な奴の気持ちは分からない、当然お前の気持ちも俺は理解出来ない。当たり前だ、他人何だから。俺はお前に勝手、この世に復讐心を溢れさせてやる!(連)
「この世に幸せな家系なんてない、なら世界を新たに作ってやる!」(連)
「そんな事をさせる訳ないだろ!」
互いに銃を抜き取って発砲し、弾丸同時が重なり火花を散らせると同時に距離を詰める。奴の拳のエネルギーを吸収、ナイフを正しく持ち替えて二.三度切り付ける。矢張り聞いて無いのか、表情一つ変えない。拳は全て吸収してから後ろに二三度蹴って距離を取りつつ、拳銃を発砲する。
ショック無効か吸収か、前者なら勝ち目が無い。後者ならばダメージを与え続ければ、何とかなる。発言からして後者だろうが、20%の拳を受けとめているなら長期戦は覚悟しといた方が良い。でも魔法陣が既に起動している、異能の類いなのか、それともアニメとかでいる魔法なのか。実際に魔術何てあるのか分からないけど、やばいのは凄く分かる。
「あの女は馬鹿だよな、他人の為なんかに命を懸ける何て!」(連)
「そうだな...」(零)
「最悪だよな、だって感謝され終わり。自己満足なんだよ、結局!」(連)
「それがヒーロー何だよ!」(零)
「おかしいと思わないのか、自分寄り格上を何故か守ろうとする。人間が常に抱える矛盾の一つだ!...世界は奴の敵、地球の器の一つだからな。救ってくれるヤツなんていない...来る奴は救うんじゃない、殺す為なのに...!」(連)
「だったら、俺が彼奴を救ってやるよ。世界の全てを敵に回しても!もし彼奴俺の為に"自分が死んだ方がいい"なんて、くだらない事を理由にして!自分の嫌なことで人生からから逃げ、この"レイト"を救えてると勘違いしているなら!俺が彼奴に、ヒーローって存在を見せてやる!」(零)
男が地面を蹴るのを視認し、数歩下がって拳の衝撃をナイフに流して、横腹に放出する。予想外の一撃だからか、男の腹は赤く染まる。何となく分かった、奴は自身の意識外からの一撃を吸収出来ない。ならまだ勝ち目はある、最悪切り札を出す。
「痛てぇ!」(連)
「反転した力...今ので分かったか?」(零)
「拗らせた頭じゃ理解も出来やしねぇ!」(連)
「俺は分かったぜ、お前の弱点を」(零)
「何故か俺の攻撃は防がれてしまう、なら俺も本気をだす」(連)
奴の体から蒸気が噴き出し、筋肉が多少膨らんで負わせた傷がミルミルと再生して行く。船が大きく揺れ動き壁の方を見ると、透明な木の根の様なモノが船を覆っていく。複数の異能、俺寄り多いいのか。何だこれ、創造主の力か。
「黒兎か」(零)
「本気でやろう」(連)
「なら俺も本気で行くか」(零)
魔法陣が突如輝きが増し始め、起動に近ずいているのが俺でも分かる。男を無視して、魔法陣に向かい走り出す。男が俺に蹴りを擦り出すも身体を捻って躱して、魔法陣へと向かう。
魔法陣を描き消そうと脚が魔法陣に触れると、周囲が凍った様に止まった。視界が白に統一され、脳内に「遅かった」この言葉が浮かんで、何度何度脳内再生され「貴方は気になりませんか?」無機質に聞こえる、思い出したくもない声。過去の先生の声にそっくりで、嫌になる。「何が気になるんだ?」と頭の中に疑問が浮かぶと「異能が無い世界ですよ」この言葉を聞いた瞬間に、一瞬で頭が白く成った。
暗闇の世界が光に包まれて景色が変わり、見覚えのある男性と白髪の女性が子供を連れてこちらに歩いているのが分かる。見たとこ美男美女の夫婦が、子供を公園に連れてきたと言う事だろうか。
「走るなよ、すぐ転けるからな」(?)
「転けちゃうよ、転んだら痛い痛いだよ」(?)
「大丈夫だよ!」(?)
「病み上がりでも無茶をするのは誰に似たんだか」(?)
「誰に似たんでしょう?ふふ」(?)
その二人は幸せそうで、理想の家族と言った所だろうか。十分した所で、黒髪の男と金髪の背が低い子が子供を連れて来て、楽しく話をし始める。この景色を、何処かで見た気がする。
異能がなければ、公園で遊んで、夕方帰る事も出来たかな。俺はこの世界では何をやってるだろう、案外子供とかいるいるのかな。
「黒君の美鳴兎君も元気だね」(?)
「衣明の所もじゃない」(黒)
「!?」(零)
まさか、ここは異能がない幸せな世界。違和感がある、何故......「気付いたかな?」また聞こえる声。だが、何故か楽しそうに聞こえる。「汚物はこの世界にはない、幸せな世界だよ」感情がある様に聞こえる、聞きたくない。
「どういう意味だ?」(零)
「異能に出生が関わっている人間は存在しない、君の義理の弟さん二人とか。だってあれは異能が遺伝していれば生まれてない、汚物だよ」(?)
「違う、この世の人間に汚物何て存在しない」(零)
「何も違わない、この世界には必要ないから消えたんだよ。全ての希が叶った世界だよ?」(?)
「巫山戯るな!こんなのは偽りの幸せだ」(零)
「ある男は災害に巻き込まれず、本当の親と兄弟と暮らせた。妖怪として生まれてきた悲しい生き物は、弟達や親に大切にして貰えた。名探偵と女優は限られた寿命ではなく、本当の寿命で死ねる。他にも色々この世界には幸せだよ、だってこれは今言った人達の幸せなんだから」(?)
そうだ、異能何てなかったら...今頃皆殺し合いじゃなくて、楽しい高校生活を送って、凄い奴らだから有名に成って慕われて、死後も有名な人物として語り継がれる逸材達だったんじゃないか?
何度も何度景色が変わり、幾千幾万の他人の人生を見せられた。大きく揺れた大地、親の目の前で泣き崩れて死んで行く子供。ボロボロの服を着た大人が「おにぎりを食べたい」の一言で倒れ、二度と立ち上がる事がなかったり、大きな波に飲み込まれ、瓦礫に潰れる人間達。火砕流に襲われ、何度も何度何度人が死に誘われる。その後に人達の幸せを見せられ、必要ない者達が居ない世界。居ない、世界に居ない。助けられない、でもまだ生まれて罪悪感など感じたことが無い。
奴は感じていた、だから...今戦っていた奴の方がヒーローに向いているんじゃないか?俺は殺しが向いてて、奴は違う世界があれば良い人になった。その世界を見た、この世界の不純物は...ただ一つ。この俺何じゃないか?ナイフはある、必要ない世界は俺の世界。なら、消すのが"正義"。消さないのが"悪"なのではないか?気っとそうだ、そうでなければならない。何度も言われた、オレの存在価値。売られた俺の、無意味な存在。だがこの世界にとっては、不純物として価値があってしまう。なら俺が撮る事ができる最前の作とは、俺自身の消滅。
「死ぬか...」(零)
ナイフを掴んで、ナイフに突き刺す瞬間、気付く。ナイフが動脈に刺さらず、微かに声がする。押し込もとするが、ナニカ見えない手に止められて自殺する事が出来ない。眼をこらすと、髪が水色の何処か懐かしい少女が目の前に立ち、俺のナイフを血を流しながら止めていた。
「何だ、何で止めるんだ?...地海!」(零)
「やっと、気付いてくれた」(地)
「君が死ねば、私が消える必要は無くなるの...」(地)
「聞いていた通りって、ことなのか」(零)
「...」(地)
唇を強く噛み締め、血を流しながら下を向いて、涙を貯める少女にできる事は...これが最後なんだろう。地海のやりたかった事は分かる、施設で生き残った最後の二人だからだ。あと数人居たんだ、ストレスとか虐めとかで皆が死んだ。守りたかったんだ、気っと、自分を犠牲にしてでも。
「なぁ、お前はこんな死に方を望んだのか?」(零)
「嫌だよ、君の為じゃなきゃ死にたくないよ。私にも大切な友達とか、拾ってくれたお父さんとかいるの。嫌だよ!」(地)
「どうして欲しい?」(零)
「どういう...こと?」(地)
「「察しろ」」(零)
「「「言えよ、お前が今何をしたいか。して欲しいか、叶えてやる。この器に頼る、偽物の世界を偽物の世界で上書きする事もしてやる。どうだ?」」」
「助けて...私を...皆......助けて!」(地)
「分かった。お前をこの世界から、奴らから救ってやる!」(零)
この世界が本当に幸せなのか?少数の人間の存在が消され、多くの人間が笑ってる。この世の命は、価値なんて同じなはずだ。誰だって幸せになる権利がある、存在を消されて生きる事さへ、だれも権利も何もかもも失うこと何て俺には許せない!
「久しぶりだな、これを使う何て」(零)
「これ?」(地)
「覚醒の瞳」(零)
眼に力を入れ、心のストッパーを外して行く。視界が変わって暗闇に、中心には黒い機械のキューブが添えられている。キューブは扇風機の様な物にあおがれ、冷やされている。何度も何度もガチャガチャと動いて、形を変えている。形を変える際に、ドクンっと一瞬心臓の様に跳ね、膨らんでいる。
「そして君が君で居られる世界」(零)
キューブに掌を向けるとキューブは変化し、元の地球概念空間にどもる。戻る一瞬「あと、1回」とボヤけた数字が浮かぶ。地海の骨や筋肉、服までもが透明に見え、一人一人が持つオーラ量などが細かく分かる。
「目の色が...虹に」(地)
「あんま好きじゃないから見ないでくれないか?」(零)
「ご、ごめん」(地)
「怒ってはねぇよ」(零)
「その眼って?どうするの?」(地)
「まぁ、この世界は振動エネルギーも衝撃吸収も出来る場所は存在しない。だから、無限のエネルギーを持つこの瞳で異能結界を作る」(零)
「あんな高等技術できるの!?」(地)
「出来なきゃここから逃げ出す事が不可能なんですけど」(零)
「...何時から?」(地)
「......施設にいる頃から。早くやるから」(零)
ナイフが壊れない様に補強し、全身に強化してから異能結界を発動できる程のエネルギーを込め、地面に突き刺して足で踏み付ける。ナイフから世界が書き換えられて行き、あっという間に世界が変わる。縦横斜めにビルが並ぶ、簡単に言えばビルしか存在しない世界。ビルとビルの幅は51m、ここならトリッキーに動いたら他のビルに落ちるまで常に空中だ。
「異能結界...|偽物の誓い詩《lostWonderWorld》」(零)
「す、凄い。私達、今ビルの窓に立ってるけど、大丈夫なの?」(地)
「ビルの横、今俺達が立ってる窓ガラスがある所に重力が存在している。まぁ物理法などないにも等しいが、ビル一つが地球だと思ってくれ」(零)
「これからどうするの?」(地)
「「お前の概念払ってさっきの男を倒す、ただそれだけだ。ちょっと眼を瞑ってな」」(零)
ナイフを地海に当たらない様に振るい、地海の身体に植え付けられた概念を切り裂く。地球概念が死亡と同時に異能結界の外側の地球概念空間が、罅割れて人々が泣け叫びながらクルクル回って、血を流して死んで行く。そんな光景を地海に見せたりする訳には行かないので、泣け叫ぶ前に耳を塞ぐ。完全に地球概念空間が消滅すると胸が何故かグッと重くなる。地海をお姫様抱っこして、異能結界を一時的に解除する。
「さぁ、決着付けようか」(零)
「雰囲気が変わったな」(連)
「連十さん...」(地)
「知り合いか?」(零)
「うん...」(地)
「俺の計画には必要だからな、その為に死んで貰うんだ。少しは敬意を払う必要があると、思ったんだ。今と成っては夢も潰され、俺には何も残ってない。後は弔い合戦と行くか」(連)
「弔い合戦か、俺はお前を止める!」(零)
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天候が荒れ、肉と骨切り裂く風を微風で察知して躱して行く。三人で逆算しても手数が多く、当たると即死は確実。ウィリアムは弟子と戦闘中だし、こっちは百足とイレギュラーズのトップと共に戦闘中。直撃するなと思うと視界に見えている場所に瞬間移動する能力_幽霊紫炎で回避しながら、内閣とか大臣を七階層にポイポイっと捨てる。
「おい黒神音!」(加)
「あぁ羽根か、広げて操作ミスると死ぬぞ?」(昏)
「...」
「王の力で殺るか?」(捜)
「あれやるなら一人で良くね」(加)
「疲れるんだよな」(昏)
「ならやり方を変えるか」(捜)
「やり方?」(加)
「羽根を広がるんだよ」(捜)
捜月の肩甲骨辺りから骨が皮膚を貫き、骨の形状を変えて羽根の形をとる。皮膚が無いので全く飛べない、あの日見た羽根はアレとは形状が異なっているが、能力が変わるのか?まぁ、何がやりたかいかは理解した。ミスディレクションね。
「吸血鬼の能力使っても良いのか?」(昏)
「問題ねぇ、そして!緋色の吸血鬼」
爪が長く、緋色の瞳が紅い瞳にじわじわと染まる。白い髪も紅く染まって、フランスで戦った頃に姿が戻る。あのころは「此奴、白髪がこの歳で...可哀想に」なんて思って他が、白髪に成っても似合っているのイケメンは全員死んでくれても良いんじゃないだろうか?
「何が起こった?」(シャ)
「一時的に吸血鬼になる、そんなとこだ」(捜)
「羽根を広げた意味が分からないな、的を広げただけだよ」(シャ)
「その意見は的をえてるな、でもそれでは一歩足りない。殺理風に言うと、「最後に割る所を忘れている、これならバツになっちまう」ってヤツだ」(捜)
「何が足りない?」(シャ)
「案外頭が弱いらしい。羽根を広げるメリットの方が、デメリット寄り多いって事じゃないのか?」(捜)
「態々(わざわざ)教えても、な」(昏)
「っ!」(シャ)
「業々(げふげふ)」(加)
「今それ今それ使われてないけどな」(昏)
「そっちもだろうが!」(加)
リークの指の動きを見て、逆算と同時に走り出す。発動しないのを見て他の能力を使うのか、軽く微風を感じる。地面を蹴って横に避けると地面に罅が入り、大きなクレーターを作り出す。テーブルを掴んで回転させる様にリークに投げ付けてから、テーブルに隠れながら昏亥とすれ違う一瞬、時がスローモーションの様に見える。能力を使用していないのに、この景色は昏亥しかいない。
「捜月から預かっていたコレを渡そう」(昏)
「ないと思ったらお前が持ってたのね」(加)
「妖怪に鍛えさせた、あの頃寄り斬れ味が向上している」(昏)
「そりゃあ有り難いな、手入れサボってたし」(加)
黒神音から名刀_十六夜を受け取り、鞘から刃を引き抜く。波の様な波紋が特徴的な機械的な刀、メカメカしい柄や鞘で予想通りの重さで、89キロの刀身に鞘は3キロと言う馬鹿が考えた様な代物。質量とかは抜きで、人間には持ち上げる事は絶対に不可能。重さを乗り越えて持てるのは十六夜に認められた者と、自身を鍛える者以外持つ事は許されない。
俺は十六夜に認められたが、生憎筋肉質では無くてね、物を軽くすると言う現象が魔法界ではあって、その現象を俺の能力で使用する事によってようやく刀を持てる。まぁ振るい瞬間は元の重たい十六夜に戻る訳で、何とか魔法界で筋力強化魔術を習得する事で触れる様になったと言う長い長い経緯が、あと30分位話し足りない。
「サンキュー!コレでようやく本気を出せる」(加)
「室内では戦い憎いからな」(捜)
「日本刀か」(シャ)
「後は放置で良いか?」(昏)
「問題ねぇ、後は俺一人でm」(加)
上から轟音と共に船が大きく揺れ、窓から見える海が通り割れる景色。吹き飛んだモノが地面に直撃したのか、一万m以上の水柱を作り出す。四人が視線を向けて、同時に苦笑い。
「誰の...?」(加)
出た声は震え、もう起こる事を察してもうダメだった。誰か〜医者様はいませんか〜のノリで、今から起こる事を阻止できる人間は居るだろうか?炎系以外で頼む。
「俺が知る限りあのパワーは知らん」(捜)
「家の理道でもあの規格外はない」(昏)
「ヤレヤレ、我々の戦いは津波で幕を閉じるとはな」(シャ)
「こんなことができるなら、打ち消す事も可能だろ」(捜)
「なら俺達には関係ないな」(加)
地面を蹴ってテーブルを踏み台にから中で反転、天井を踏み締めて斬撃をシャルに目掛けてうち放つ。斬撃は窓から雷が現れて、相殺される。まぁ予想通り、あんな攻撃は軽く防いでくれるよな。次はどうかな?天井を蹴ってそのまま天井をダッシュ、距離を詰められるのが怖いのか、微風を感じるのでシャルの前に瞬間移動。俺がいた位置は細切れになっいる、だが怖いので見ない。俺の一振をシャルは焦った様に手を振りながら半歩下がり、俺は左腕を飛ばすと同時に裏へと瞬間移動。首に刃を振るうおうと、刀を振るう前に黒神音に首根っこを掴まれて、壁へと叩き付けられる。
「痛てぇな!」(加)
「弱くなり過ぎだ、ブラフだ」(昏)
「おっと、これはなにか危険そうな展開だね。奴には片腕を犠牲にしても良い覚悟がある」(捜)
「探偵のスイッチを今は入れるな!危なければクロックアップするさ」(加)
「何で黒神音は本を片手になんだよ」(加)
「文書を謎りながら、相手に触れるとその文書が実現する」(昏)
「今のは殺ったと思ったが...そう上手くは行かない」(シャル)
「誰が犠牲になる?」(捜)
「今助けてやったカリを返せ」(昏)
「わかったよ!アレ使うと...嫌なんだよなぁ......クロックアップ」(加)
左目が熱くなるのを感じ、頭がずっと整理させるのが分かる。筋力強化と脳の回転数を上げ、王の力を使用できる。クロックアップは俺達器に、最低限の力を付与した状態。今は青に左目が輝いているが、時間が経つ事に白に変わって筋力強化が薄まって行く。言わば短期決戦型の戦闘スタイル。もう一つはオーバークロックアップ、こちらは黄色から段々と赤に近ずく。あちらは長期決戦も短期決戦もいける。でも、クロックアップ寄り後々の疲れが凄い。俺の王は復讐、罠や攻撃特化、索敵もこなせる自身で最強だと思っていた。でも、防御がまじでゴミ。シャルは俺の姿に驚いたのか「な!青だと」と驚きの声をだした。王の力の事を知るのは数少なく、こう言う時に披露するのが一番楽しい。
「「さぁ、今神話の復讐劇を再現する時だ」」(加)
「神話は?そんなモノはどうでも良い」(シャル)
「皆が皆神話の共演者さ、今と成っては思い出す奴も居ないけどな」(加)
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静かな空間に突然鳴るスマホを手で探り、眼を細めながらスマホ画面を確認する。音で察しているので、別の部屋にいる母からの電話をとる。細くてちぎれそうな意識の中で、母の声を聞きながら脳内で「嫌だな」何て思いっても、目を擦りながらお風呂場に向かって綺麗に掃除をする。夜勤帰りの父の為にお風呂を洗って、ボタンを押す。それが終わるとキッチンに立って、洗い物を開始する。
昨日も遅くなって寝るのが遅れ、四時間程の睡眠時間で足取りはフラフラの中、仕事で疲れた父親の為に頑張ってはいる。鍵の音がして、父の「ただいま」が聞こえると「おかえり!」と元気良く答える。父はすぐ様自分の部屋に入って、「台も汚いし、まだ掃除してないのかよ」毒を吐きながら寝間着に着替えている。台を片付けながら聞こえるのは父の罵倒や、俺への理不尽な言葉。
「彼奴、映画映画言っときながら、行ってやったのに何もしてねぇな。コッチは疲れながら連れて行ってやったのに、本当に我儘なクズ」(父)
先日、好きな小説の映画があった。家の近くには映画館が無くて、自転車で三十分近くかかる場所にある。好きな小説の映画なだけあって見たくなって、叔父から毎日祖母の介護をしているお礼として毎月給料の様なお小遣いで、一人で自転車をこいで映画館に向かおうと計画していた。それを父に話すと「ん?友達と行く訳じゃないのか?友達と行くとばかり思っていた、父さんが連れてってやるよ。一人で行くのは危ないし、映画行った後に帰って来るのもしんどいだろ?どっちにする?好きな方を選べよ」と言われので、父親の言葉に甘えようとした。その日は日曜日に行くとになった。が、土曜日の日、父親から一通のメールが来た。その日は兄貴と母、父さんの三人でパチンコ屋に息抜きで行くと父さんが言い出し、三人で行くとこになって俺は祖母と二人で家で待っていた。父さんからのメール内容は「寿司か映画行くか」この選択しだった。俺は父に映画と返信し、数秒後に来たメールは「じゃあお寿司なし」俺が「皆で行くの?三人で行くの?」と送信すると「おう三人だけ、きまってるじゃないか」と送られて来た。少し俺もカチンと来て「パチンコ行って?」と送ってしまった。
毎日毎日洗い物や洗濯、父親が帰って来る前に風呂を沸かす。そんな俺の努力、毎日父さんが帰って来る時の「おかえり」や、笑顔は無理して演技には見えないように、毎日毎日毎日布団の中で練習した。幼い頃に父が兄バカリ可愛がり、俺の姿を見てくれなかった時期に、布団で啜り泣いていた頃に毎日毎日毎日毎日、自分は独りだと、思って絶望していた。一人になると心の底から不安の言葉が脳内に上がってくる。そんな日々を繰り返すと、しまいに笑顔何てモノは忘れて、無表情になって行く。毎日ペンを紙に滑らせて、先生に気の利いた"正解"を答えるだけの変わらない日々。淡々(たんたん)としている俺の口調と声色は、独りで誰も聞いていないと思うと、別人の様に変わってしまう。
誰も居ない公園で、独り自分の人生について考える。勉強と言うもので踏み場を作って、今安心しても好きなモノで生きて行けない。理不尽という名の怪物に、十年そこらの努力は無に帰る。近ずく学園生活の終わりを、小学二年生ながらに感じていた。ふと、母の料理風景に目を向けると、家畜の肉がまな板に置かれて、斬られているのを見てある事を思い付いた。父と母を殺せば、この狭い家と言う名を付けられている世界から、安全に抜け出す事ができるんじゃないかと思った。でも、親戚がいるので断念した。いっその事通り魔が俺の心音を繋げる心臓を、あっさりと貫いて殺してはくれないかと思った。死ぬのは何故か怖い、何時か死ぬのは目に見えて分かっているのに何故か恐怖が首筋を舐める様な、吐き気がする気持ち悪い気分になった。
そんな欠陥品でも、大切だと家族の事を強く思う。偶に胸の奥から抑えきれないナニカが、爆発する時がある。それは怒りや悲しみが小さな胸から溢れ、最期には吐瀉物になって涙と共にトイレに流される。自分の跳ねる心臓を落ち着かせる為に、小さな頃に胸を撫でてくれた事を思い出しながら、自分の胸を何度も強く叩く。何で父と母の理不尽な言葉が、何故胸に突き刺さるのかの結論を俺は出した。それは家族が"大好き"だから、理不尽な言葉を言われて眼球が、一瞬水晶体に水滴が零れたかの様に綺麗に瞳に浩がって映るんだ。
家に帰った父は俺にキレ散らかし、何度も疲れを自身の所為で無く、自信の息子に注いだ。パチンコに行かず、煙草を吸わなければその疲れはない。そんな本音を押し殺して、ズボンを強く握り締めて父親の地獄の様な言葉の数々を耐え抜いた。甲斐性なしやら、死ねや消えろを何度も言われようと、いずれは俺が家族を強く大切にしているのを理解してくれると思っていた。親戚から「彼奴は人を殺す」と言われても、「家族に不満がある眼をしている。いずれ殺される」と罵倒されようが、俺は「いや、家族好きだよ。殺さない殺さない」と答えておいた。父は「まぁこんな良い父親はいない」と話してはいたが、良い父が理不尽に息子を起こるだろうか?否。する訳がない!
小さい頃は自分寄り弱い奴を、助けるのが好きだった。いや、虐められてる奴等が可哀想で、手を差し伸ばしたくなるんだ。今でもそれは変わらなくて、助けてしまう。自己満足だ、良い事をしたい俺の。でも、悪い事が出来ない人間何ていない。俺は脳内で合理化を初め、ここまで頑張っているなら金をくれても良いと思い、買い物を頼まれた金から俺はお金を抜き取って、ツナマヨおにぎりやらクリームパン等買った。お菓子も余り買えたえず、玩具も外食も余りの我慢空間。皆がゲーム機のカセットの話をしているのを、俺は黙っていていることしか出来なかった。十七年間ずぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっと、我慢して来たんだ。少し位構わない、だってそうだって、父親は煙草やビール、コーヒーにパチンコ、他にも沢山の事に金を賭けている。なら、良いんだよ。俺は健康になる為に、人生の楽しみを作る為に俺は飯を食い繋いでいる。
父さんは映画を嫌々連れて行って、数ヶ月間俺に罵倒を続けた。感謝の心で、数週間は高校生になった心で、涙を浮かべない様に震えた溜息を吐いて、地獄の様な旅に耐えた。でも、俺はあるモノを手に入れた、赫能移植型メモリーを手に入れた。黒服はコレに一本、無料で手に入れた。
「これは?」(?)
「これは赫能移植型メモリーっと言って、中に異能が入ってる」(男)
「コレを打つと、俺は異能者に...」(?)
「そうだ、コレで復讐できるぞ」(男)
「あと何本ある?」(?)
「あと四本、でもそんなに打ったら一年以内に死んでいまうぞ?買ってくれるのは嬉しいが」(男)
「ありがとう、四本あるなら世界を変える事が出来るな」(?)
俺は初めて人を「殺した」胸の奥から喜び感情が、有頂天になになって、腹を腹を抱えて地面を何度も殴り続けた。その手で父さんと母さんを殺す為に、家に寄って殺した。手が赤くなって、殺した嬉しさは堪らなく、抑えきれない。椅子に座らせて、卵を焼いてから人参とウインナーを皿に盛る。二人の正面の椅子に自分も座って、Bgmをかけてホークとナイフを掴んでご飯を食べた。とても美味しかった、家族と楽しく食べる何ねんて何年ぶりだろ。
「父さん、仕事おつかれ。美味し?」(?)
「美味しいよ」(?)
「なら良かったよ。作った甲斐が有るよ」(?)
「上手になったね」(?)
「うん、そりゃあ毎日御飯を作ってるからね!腕が上がるのは当然だよ」(?)
「成績も上がってるって?毎日勉強頑張ってるらしいな、良し!父さんが映画を又連れて行ってやる」(?)
「また拗ねないでよ?」(?)
「悪かったって、グッズ買ってやるから許してくれよ」(?)
「それならしょうがないな〜許してやるか〜」(?)
「母さんは?」(?)
「この前行かなかったから行こうかな?パパも一人は暇でしょ?」(?)
「よく分かってる〜」(?)
「三人でだね!」(?)
「彼奴は仕事だし、お義母さんもその日は居ないしな。お前が大好きな寿司でも買いに行くか」(?)
「やったぜ!」(?)
「用意しておけよ、断知人」(?)
この件で俺の生活は楽になったが、何処からか兄が異能者だとバレた。俺の友人らは捕まり、酷い死に方をした。異能者に近ずく者は悪人だっと言う理不尽極まりない、魔女裁判を見ている様だった。異能検査を受けさせられ、友達は皆普通ったのに、他にもいるかも知れない、そんな事で拷問されて男は死んだ。女の子の友達は、性的暴行を毎日受けて、性病にかかって暗闇の牢獄で息を引き取ってしまった。おれは何も出来ずに、見ていることしか出来なかった......
背中が痛い、何が起こった?朝飯だべたっけ?アイツらの肉を冷蔵庫に入れるのを忘れて、何言ってんだ俺。レイトの奴、あんな一撃を放てるのか。海か、見えないな。
体からガスを噴射し、海中から取り出し飛行する。船の方向へ移動しようと体を動かすと、脚に感覚が突然無くなって脚に感覚が戻って、再生した事を察すると脳内で理解出来ない事がある。どうやって攻撃、斬撃か。スピードを上げてから船内に戻ろうと飛行するが、突如俺を襲ったのは台風でも感じたことの無い風圧。俺の体は風へと吹き飛ばされ、言う事を聞かずにもう一度海にちゃほん。うっすら見えたレイトの姿は、パンチを放った後の構え、空気を殴った無茶苦茶な空気法。その後海中を移動し、何とか戻って部屋を見渡すが、レイトの姿がない。地海を運んで移動するには限られた船内で、両腕を使用不可能なのは奴がフリ。あの一撃が最大の一撃で、俺の様に貯めたエネルギーの放出だと考えたい。突然頭に違和感を覚え、ゆっくりと視線を上げる。地海を姫様抱っこし、俺の頭を踏み付けるレイトの姿。妙に威圧感があり、女性的な顔が気にならない美形。男装しているイケメンな女性って感じが、覇王のオーラを纏って俺を見下す。
ゆっくりと体を動かし、噴射して離れて、全力のスピードで相手背後に回って回し蹴りを後頭部に吸い込まれる様に入る。が、俺の脚は既に煙を発し、肉が生えて再生へと向かっていた。予測外の出来事に反応が遅れ、レイトの姿を確認すると、ゆっくり「次は理解でいると良いな」っと微笑んだ。地海の服を掴もうと手を伸ばすも、次の瞬きが終わると俺の両腕が宙にクルクルと舞っている。既にレイトの姿は無く、俺の両腕と共に宙にいる地海の姿で今は何となく分かる。背後にナイフを掴んでいるレイトの姿を、左端で目視してから今自身が出せる最大のエネルギーを消費して、身体を強化とガスで最高速度で迎え打つ。何となく奴は俺を殺す気がない、それは分かってるのが腹が立つ。俺に今更死にたくない何て微温湯に浸かりながら、死ぬ死ぬ詐欺して気持ち良くなってる奴とは違うんだ。拳をレイトのナイフ寄りも早く、間合いに入って今度こそ直撃、とは成らずに俺の拳はグシャグシャに飛び散った。ナイフは俺の身体を切り刻み、拳が突如消えて腹に衝撃を感じて、地面を滑って壁に叩き付けられるが、何とか海に落ちる事は間逃れた。
「がハッ!」(連)
「まだまだ行くぞ」(零)
口から流れ出す血液とゲロを胃袋から吐き出し、口を拭う。レイトが地面を蹴って走り出し、俺へと蹴りを繰り出す。直撃する全然で、脳内を使用して肩で防御の大切をとるが、時空が歪んで足の直撃タイミングを逃して海への底へと叩きつけられる。巫山戯るなよ、こんなのは何かの間違い、そうに決まってるよな?俺の攻撃は絶対に命中し、相手の攻撃は絶対に当たらないはずなんだ。時空を歪める?何だあのパワー!空を蹴って、空気を俺に殴ってぶつけたのか。最強、体術の中で一際目立つ最高の延々と煌めく希望の炎。純粋な戦闘なら、誰も奴には勝てない。
「これが、眼の力の最大限であり...俺の最強状態だ。要するに、無限のパワーを手に入れる」(零)
「む、無限のパワー?」(地)
「そんなのチートだろ」(連)
「まぁちっと重い制約を背負ってるけどな」(零)
にっと笑いながら地海をキャッチするレイトを見て、苦笑いしか出てこない。でも俺の最後は決まってるんだ、今更こんな奴が出て来ても予想通りだろ。勝つとは言えない、背負ってるモノが違い過ぎる。でもな、今更負ける気で戦うのは野暮ってヤツだ。恐らく、エネルギー強化を身体に巡らせ、永遠に眼の能力でエネルギーが尽きないなら、奴は身体を補強しながら強化。ふふ、バグと言われるのがよく分かる。あれはまだ、成長期にも入っていない青葉。真紅に燃える様な特質はまだない、何れ奴は何かを成し遂げる。そう、決められ生まれてきたんだ。素晴らしい、あの姿は......最期位は、勝つか。負けても奴の成長だな。
「楽しいぞ」(連)
「ダメージ、俺を越えれるかな?」(零)
「お前を越える!」(連)
「俺と同じ様に強化と補強、良いぜ!楽しもう!!」(零)
「その前に、地海は此処でいてくれ」(零)
「えっえ?」(地)
「大丈夫だ、此処に居れば死ぬ事はねぇよ」(零)
「もう大丈夫か?」(連)
「もう大丈夫。お前の心を折る!」(零)
その言葉を合図に、同時に地面を蹴って殴り合う。拳と拳が重なり、衝撃波が船を揺らして罅を着々と入れて行く。俺のスピードが上がれば、それ以上の速さで返される。レイトの拳以外に当たらない、肉が俺のスピードに殺される。いや、威力に殺される、と思う。奴のナイフの反転した力は、ナイフで放つ能力だが、今はこの世界がナイフの中だと思える。心の底から惜しみなき賞賛を遅れる、そう思う。これが異能結界、高校生が習得できるものじゃないと聞いてはいた。だが今俺の目の前は、普通の景色に見える結界内。多分異能結界を使いこなしている、エネルギー消費を抑えるために自分の範囲55m程、張っている。常識の道では決して辿り着く事がない、狂気とも言える感情か過去か、天才と言われたシャルでさへ21歳でも習得出来ないモノ。自身の力を高める為に、等も死にかける必要がある。体得するのに何年かかった?かかった後に使いこなせるまでの手練。敗色濃い戦いを幾つもを超えた先に届きうる、俺にとって道の世界。経験が比にならない、そもそも差があり過ぎる。
「ほらよ」(零)
「ァ...ぁぁ...」(連)
なぁ父さん母さん、お前達は俺が犯罪者になったら泣くだろう。その涙は誰に対する涙なんだ?愛する息子へか?兄貴へ対する哀れみか?自分達の顔に泥を塗られたからか?そんな理由は俺にはどうでも良い。俺をこんなふうに変えたのは、お前達が俺を愛さなかったからだ!
「はぁ」(連)
「疲れたのか?なら早く負けを認めろ」(零)
「あぁ...そうだな...頭が可笑しくなった、異能の使い過ぎだな」(連)
覚えているか、お前達の事だから覚えてないだろ。俺は覚えている、あの日の事を。俺一人だけが小さな台で飯を喰い、お前達3人目は大きな台でご飯を食べていた。何でだ?椅子が三つしか無かったから?違う!なら俺が一緒に食べたいと駄々をこねたら、何故俺に怒った!
俺は悲しかった、でも家族で一緒に食べたかったんだ。大好きな、大好きだった俺の家族で。でも親父、アンタは俺を否定した。母の説得で、何とか兄貴と代わってご飯を食べる事が出来た。でも「一緒に食べても良いが、黙って食えよ」は、可笑しいよな?普段はあんなに楽しそうで、皆笑っているけど、俺との食事は膨れっ面だ。
でも、でも、俺は満足だった。嬉しかったし、独りで御飯を食べる寄り御飯が美味しく感じたんだ。心の底から、楽しい食事だった。今は、その食事の風景を思い出すと、イライラする。俺だって人、息子なんだ!双子で顔も一緒で、俺の方が頭が良かった!足も俺の方が早い、俺の方が優れてる!何故、何故彼奴だけを可愛がる!可笑しい、こんなモノは絶対に違う!差別されるのは、嫌だ。おれは異能者じゃない、皆が言ってたんだ。「異能者は愚図」なら、兄貴寄り優れているんじゃないか!?でも...何で俺が異能を手に入れたら、そんな眼をするんだよ...可笑しいだろ......
コミユニケーションが苦手な俺寄り、明るい兄貴の方が良い。それがどうした?俺は嫌われモノになっていいのか、なわけない。俺も生きてきたんだ、なら幸せになる権利がある。そして、アンタ達は俺が差別だと、訴えかけた時、もう終わった話だと俺を怒った。許せない、絶対に。昔は俺の方に向いて、少しでも可愛がって、普通の親子の様にと思った!でも、今更遅い。俺は20になって、もう遊園地も、子供ながらの遊びも出来ない!キャッチボールやもっと遊んで見たかった。殺す、俺の人生を狂わせたなら、その命をもって謝罪するのが親の責任だろが!!
欲しかった、夢見た景色を。常にある、いや、常にあった理想の景色。あって欲しかった、瞼の裏に映る家族の笑顔。嫌だ、俺は手に入れるんだ。...もう意味なんてないのは分かってる!俺だって努力した、したんだ!だって色んな知識を得て、性格を切り取って、貼り付けて貼り付けたのに...一つも手に入らなかった!
何が足りなかった?誰かの一番になる為なは、何が足りなかった?明るく振舞っても、努力しても何も入らない。楽しくないのに、良い子にしたのに、誰もが振り向いてくれる様な性格だったはずだ!何故一番になれない、優しく振るった。本当の優しさ何て一滴もないのに、俺の心のパズルはぐちゃぐちゃに成っても頑張った。誰かに相談何て出来ない、しても頑張れの四文字が飛んでくる。大っ嫌いだ!この嘘吐きの世界も、大好きな家族から「嫌いだ」と「出来損ない」と罵倒され「永遠に寝てても構わないぞ」と言われても、嫌いになれなくて、泣きそうになる自分を何度も殺して生活してきた。どうして?何でここまで殺っても俺は一番に成れない?可笑しい、一番になりない!愛されたい!
何時からだ、俺が妄想して暖かい家族を夢見たのは。朝はキッチンの音で目覚めて、父親が俺より早く起きて新聞紙を開いて、参考書を渡されて勉強しろと言われる。テストは厳しくて、でも俺に期待してくれているのが分かるんだ。それが嬉しくて、頑張るんだ。そんな家族風景に何時から飽きて、誰かに仕えたり、養って貰って、満面の笑みで幸せだって言える風景を、毎日寝る前に涙を流して布団の中に潜って啜り泣く毎日。理想と現実が対比されているかの様に、正反対な毎日。
段々と分かる様になった、犯罪者の気持ちが。自身が可笑しく成って行くのは、分かってたんだよ。昔は幽霊やUFOが怖くて、夜中のトイレに行けなくて、でも女の子が誰かに泣かされてたら、何故か"助けたい"と思ってしまった。割り込んでヒーローズラして、虐めを止める。そんな自己満で満たされて、そんな幼少期なんて過ごしてしまったから、人を傷付けるのに罪悪感を感じてしまう。
嗚呼、多分認められたかったんだ。おれは最低だ、人殺しで、駄目人間だ。俺の死に誰も悲しむ筈がない、沢山の人を踏み台にしてきた。結局生まれた時から誰にも愛される事なんて無かった、今となっちゃどうでもいいや。もう黒に染まった俺なんて救う価値なんてなかった、誰でも救えるヒーローでも俺は救わない。昔から俺は悪くないと、悪くないと言い聞かせてきたけど、今気付いたんだ。誰も悪くなったんだ。それは理不尽というモノが、きっと前に出て来ただけだったんだろうな。あぁ、沢山の人を殺して、手に入れたモノは何も無いなんてな。一番この世で笑える、ギャグかもな。にしても今日は寒いな。一段と冷る、"色々"...な。
「っく!時間か...」(零)
「大丈夫?」(地)
「問題ねぇ」(零)
「お前は俺が戦った中で、「一番」強かったよ」(零)
「...ッ!...ふっ...ありがとうな。お前に俺の夢を託して、俺は潔く消えるとしよう。敗北者として、ヒーローに憧れた子供として......」(連)
「な、何言ってんだよ!生きる事から"逃げる"な、生きろよ!まだお前はやり直せるんだ、俺は見たんだよ!御前が沢山の人に囲まれてる......風景を!」(零)
「死なせてやれ」(捜)
「そ、捜月?...お前も何言ってんだよ、"助け"るんだよ。抑えてくれ!」
「......誰だって"助け"られることがいい事とは限らない。この世界は弱いモノを救う制度が存在し、消える事は許されない。"逃げる"ことが悪だと断罪され、電車に引かれて死ぬ奴を悪く言うだろ?引かれて死ぬ奴の気持ち何て考えた事のない恵まれた奴等が」(捜)
「今はそんな事関係ないだろ!」(零)
「彼奴らも、連十も死にたいんじゃねぇ、消えたいんだ。誰だって辛い事を経験してる、だから自殺する奴は見下しても構わない、それは違う。死ぬと覚悟する前に、何度も何度も諦め切れないコトが重なって心が傷付き壊れて行く。このまま彼奴が生き延びても、最期にはソイツ本人じゃないかも知れない、なら本人と言う自覚感情がある状態で死なせてやってくれないか」(捜)
「訳分かんねぇよ!弱い奴を守るのは当然だろ!」(零)
「それが一番の重みなんだ。"逃げる"事を許さず、"導く"事ををしない。生き続ける事はDNAに記述された、切り離せない"絶対"の人間という名の大きな生命体にとっての"決定事項"なんだ」(捜)
「...放っておけない、死ぬ奴を目の前で......」(零)
「生きて生物は"進化"する、この地球と言われるワールドマップで。理由はない、最大限進化したらその一種の種はナニカと戦わされるのか、この終わらない悪夢から解放されるのは前代未聞の答えのない問題だ。死ぬ恐怖も、俺達が子孫繁栄の為に血を受け渡す、その"歯車"の一瞬の出来事。ネジが壊れるだけ、そう心を凍らせて、死ぬ人間を覚悟して見届けるのが、今この瞬間に生きてるモノのやるべき事何だ」(捜)
「そういう事だ、ナイフを貸してくれ」(連)
ナイフを手渡すと、連十は強いナイフを握り締めて、やすらなかな笑いで喉元を切り裂いた。映画のワンシーン、そう言われても納得出来てしまう様な、そんな不思議と綺麗だと思える、そんな一瞬の出来事。
暗闇の中を、一歩、一歩と進んで行く。身体が熱く、汗をかきながら歩いた先には見知った顔が有った。涙が浮かんで、視線を下に下げる。「早かったね」微笑んだ声が、俺の鼓膜と涙腺を揺らした。震えた声で「何で、いるんだよ」これしかなかった、考えるアタマは俺にはなかった。「待ってたんだよ」この言葉を聞いて、涙が止まらなくなった。胸の奥から突き破って来る罪悪感と感謝、この二つが俺の涙腺を緩くする。みんなは笑って、俺の肩に腕を通して、赤い道を歩き出した。
今なら分かる、俺が何に者に成りたかったのか。誰かのヒーローに成りたかった、でも...信頼も可能も愛情さへも裏切ったのは俺なんだ。愛情を感じられないのは、至極当然なんだよ。そんな裏切り者をここまで育ててくれて、おれは幸せだった。頼る事はあまりしなくて、それでも幽霊とかが怖いビビりな奴。でも、ヒーローは沢山のひとに囲まれて、感謝されてる姿をみると、俺も成りたいと思った。けど、ほんとに救いたかったのは、こんな残念な失敗作の俺自身を、救いたかったんだ。一人で独り言を言って、自身でキャラ作って、慰める。そうやって、慰めて来た。...もうヒーローになる必要は無い、心から大切だと思える人達に出会えたから。
「早く行くぞ、シャルリー...」(零)
「レイト君!」(地)
「異能の使い過ぎだ、こんな数分で落ちるのは珍しい」(捜)
これが俺が最期に聴いた声だと分かってるが、能力の使い過ぎで記憶が消えてしまって、連十の勝負の記憶がない。ナイフで自殺したのは分かってるけど、全くと言っても良い程記憶がない。生き残った弟子達は牢屋に入れられ、暗殺を望んだとして日本で投獄する事になった。俺達が船から家に戻ったのはクリスマスが終わる寸前で、ムー大陸が消滅した。大ニュースとして取り上げられたが、捜月は平然と「いいんじゃねぇか?日本や世界に影響はない」と言っていた。地海は黒兎の八咫烏に所属することになって、今は医学の勉強に励んでいる。今日はクリスマスをもう一度仕切り直しって事で、皆でシェアハウスでクリスマスパーティーをやる。
「シャル・リークは?」(黒)
「さぁ?どうだったかな...」(捜)
「言う気がないんだな」(零)
「今日は秋影さんも来るんだよ」(黒)
「楽しみだなぁ」(零)
あいつの事は俺の脳は覚えてないけど、俺の魂は覚えている筈だ。おれはこの世界で何が出来るのかは、俺次第なのかな。
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ムー大陸を魔法界に送り付け、色々の手間のがかかる作業を終わらせる。俺達は夜十一時半にアジトに到着したが、赤いサンタ服に即座に着替えて、今日食べると決めていたチョコケーキを皆で囲む。シャンパンや日本種を開け、乾杯する。
「団長」(無)
「覚えているよ」(昏)
ワイングラスに赤ワインを注ぎ、団員達よ席に置いて行く。黒葉の分はシャンパンを注ぎ、電気消す。シャルリークの生首をケーキの隣りに、据えて小さな蝋燭にマッチで火を灯す。血の香ばしい匂いが部屋を包み込み、奴が新たな世界では楽しそうにやっているのが分かる。顔が苦痛で歪み、笑みがツイツイ零れるからだ。ムー大陸ごと、消えれて良かっただろう。まぁ、ムー大陸は消滅では無く、魔法界に転移しただけだが。それでも面白い事には変わりない、全ては納得がこの世界の心理だからだ。グラスを掲げて「今日はクリスマス、中央に据える愚かな道化師を堪能しながら、大いに喜ぼう。ケーキの旅立ちを、黒葉の友人の仇を」掲げていた赤ワインに口を付け、下舌で味わいながら道化師を見て、奴の最期を思い出して頬の筋肉を緩める。
「来年は大きな仕事があるから、結構団長も張り切ってる?」(蘆)
「この世界を塗り替える、その時から奴らの成長が始まるんだ」(昏)
「そうそう黒葉、サンタさんから、貰って来た物を、お前の部屋に置いて置いた。サンタさんに感謝しろよ?」(昏)
「分かった!ありがとう皆、サンタさんを探してくれて」(黒葉)
「名探偵が探してくれたんだ、お礼なら彼奴に言え」
まぁ、全員でサンタさんの格好が似合う、70代位のお爺さんを探しただけだけどな。黒葉が喜んでいるな良かった、皆も楽しんでいる見たいだし。今回のクリスマスパーティーは大成功だな。一つの大陸は消える事にはなったが、仲間の笑顔に比べれば安いものだったな。此奴らと演奏も出来た、今日は楽しかった。
「来年も一緒にしようね、クリスマスパーティー」(黒葉)
「そうだな、俺達の寿命が尽きるまで続けていこう」(昏)
彼等は朝まで騒ぎ続け、夕方まで睡眠をとることになった。長いパーティーは彼等にとって短く、非常に楽しい事に成っただろう。来年もおくれるかは、まだ見えない運命次第なのだろうか。
[おまけ...裏話]
百足キャラクターを登場させる時は、だいたいクラシックを聞きながら書いてます。ので、百足で一番やりたかった楽団の演奏が出来て、僕、満足。
[外伝・お題...自分のモチーフに着いて]
「ようやくだな〜」(英)
「俺の戦闘有っても良かったんじゃ?」(秋)
「何故か描写されなかったね」(黒)
「面倒くさがりだからな」(昏)
「まだ良いじゃない、私今回出番ないんだから」(霊)
「そうだな、殴って出演させるか」(昏)
「本編を一週間以上もサボってる様だしね」(黒)
「彼奴は茶番で、俺達の関係を書いてたな」(英)
「確か、またいい物語を思い付いたって言ってたわね」(霊)
「本編にどうせ持ってかれるから、書かなくて良いだろうけどな」(英)
「主人公が可哀想な道を進むから、もう書かないでやってくれ」(昏)
「お題の事に着いて話しましょうか」(霊)
「堕天使は厨二臭いが、悪くない」(昏)
「俺月だな、黒が好きだから気にってる」(秋)
「僕は、未知何だよね。何とも言えない」(黒)
「私は太陽、ピッタリでしょ?」(霊)
「俺は英雄譚」(英)
「まぁ、モチーフを誇れるのはいい事だ。地獄絵図や過去の誘捕をモチーフに持つやつも居るからな。本当可哀想だよ」(昏)
「最後だけ違うね?こんな天才の投影だよ?」(誘)
「黙れ、早く俺を元にした主人公の暗殺者を書け」(英)
「私の名前が苗字の朝顔は?」(朝)
「...逃げるんだよ〜スモーキー!」(誘)
御愛読ありがとうございました、途中適当になってストーリーは捨てました。キャラの感情に視点を当てているので、まぁシャルまでやると長いなってことで全カットです。ごめん、シャル。最後にケーキ役として出番上げたから、許してくれたまえ。あと、書き方途中変えただけなので、中の人は変わってないし、増えてもないです。一人で書くのは辛いわぁ、誰か協力して下さい...まぁ...コミュ障だから無理だけど。