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第3章-19 素直な気持ちの問題

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 正直やり過ぎたと思う、反省はしていない。



「なあ、リアなんかお願い事あるか?」


「うん?

 どうして?」


「なんかな、スキルの名前がな?

 心願成就って言うんだよ?」


「わお!

 なんかスゴいじゃん?!

 ご利益ありそう」


「まあな。

 しかし、これ思いっきり仏教じゃん。

 こっちの神様関係ないじゃん。

 つか、ブッダがこっちで言う神様なのかね?

 俺、神様なんか信じてないぜって思っただけなのに」



 リズが息を呑んで、俺を凝視してきた。


あっれー?


今、マズったかな?俺。


もしかして、もしかするとだけども。


意外にもリズって敬虔な信徒だったりするのかな?



「あーっ……

 まあ、何だ、そのー、アレだよアレ。

 なんてーの?

 神様になんか頼る前に、自分の力で何とかすることを考えなきゃダメだぜってことだ。

 神様だってお忙しいこったろうからな!

 俺達みたいなミジンコ野郎の言うことなんざにイチイチ真面目に構ってられっかってな。

 相応のお布施してから出直してこいや、神様なめんなってな!

 そういう意味だよ。

 信じてないなんてのは、こっちのことなんか気にしてんじゃねぇよ。

 こっちはこっちで勝手にやるからさ。

 お前に迷惑かけねーよ、ほっとけや。

 申し訳ないからってな。

 なぁ?」


「……え、ええー?……」



 ヤバいくらいにリズは引いていた。


そりゃそうだよな。


この世界の住人には頼るものがない。


俺の記憶とは違う世界なんだ。


明日のことも見えない、不安な日々を送っている。


心の拠り所が必要なんだ。


信仰ってのはそんな弱き人々を救う祈りなんだ。


俺は、何を冒涜しちまってたのかをようやく思い出した。


神を批判するなんざ、正に狂人の所業だってことを。


あまりにも、言葉のチョイスにセンスなさ過ぎだわ……



「……バカ……おにい、ほんっとバカ……

 いつもの一番大事な所で失敗するやつじゃん!

 やるなよっ、絶対にやるなよって、それどこの芸人よっ?!」



 全力でフォローしてみたんだがな……


なぜか、リアからは吐き捨てるような全力のダメ出し。


もう、いいや、俺疲れたよ、パ〇ラッシュ、なんだかすごく眠いんだ……



「アル様!」


「は、はひっ!」



 うっわー……リズさん、完全に目が座ってらっしゃる?



「これだけは申し上げておきます。

 私は、貴方に従います。

 例えアル様がどんなに背徳的で、冒涜的な信念をお持ちになられていても。

 神をも恐れぬ忘恩の徒であろうとも。

 そんなことには一切関係なく、私は貴方のお心に沿うつもりでいます。

 今はまだ、アル様が私を信用されておられないのはよくわかっています。

 ですが、これだけは申し上げておきます。

 私は、何があろうと貴方の味方です。

 いついかなる時であろうと、そしてこれからいつまでも貴方のお側に侍るつもりです。

 アル様が必要ないとおっしゃられてとしても。

 私個人の一念を貫き通す所存です。

 ですから今後一切、私にいらぬお気遣い等は不要です」



「え?

 あ、ああ。

 はい。

 そうですね、うん……

 よくわかりませんが、わかりました」



 なぜか頷いておかないといけない気がして、なんだかよくわからん内にすごい勢いで押されてしまった。


とてもスッキリした様子でリズは微笑みかけてきた。



「はい、それだけは決して忘れないでくださいませ。

 もうっ、お願いですよぅ」



 得意の上目遣いで、リズの腕が俺の腕にからんでくる。


豊かな胸の感触が俺の神経を刺激する。


かすかにアネモネの花のような香りがする。



「はい……

 あの、リズさん当たってる(おっぱい)から」


「はい。

 当ててんのよ(おっぱい)、でございますわ♪」



 ドキドキしてる。


正直、俺は直球に弱いんだよ。


普段そんな素直に生きていないからな。


きっと本音で生きていける程の強さを持ち合わせていない。


素直な言葉を受け止めきれない。


返す言葉を持ち合わせちゃいない。


これじゃ、ちょっと持たないかも知れないぜ……



「はい、はーいっ!

 そこまで、そこまででーっす!

 リズさんは、ワタシの許可なくお兄ちゃんへの接触禁止です。

 この取り決めが守られなければ、ワタシにも考えがありまーす」


「はい。

 勿論、リア様のお申しつけには従いますわ」



 リズは素直に引いてくれた。


なんか惜しいな……


って、いやいやそうじゃない!



「ありがとう、リア。

 助かったよ」


「……ホンットお兄ちゃんはチョロイン過ぎっ!

 もう、ワタシが居ないと危ないんだから!

 ちゃんと気を付けてください!」


「ああ、わかったよ……」



 まだ、感触が残っていた。


今夜は眠れないかもな。

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