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第3章-17 生存競争の問題

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「南リードニウム街ではなく、北リードニウム街であるべきもう1つの理由ですが。

 これが本命です。

 この街は自由市場としてだけではなく、砦としても建設するつもりなのです」


「砦だと?!」


「はい、都合の良い事にこの辺りは高台になっています。

 迎撃用の砦としてはうってつけですからね。

 何より盛り土をする費用が浮きます。

 財布に優しいのは正義ですからね」


「しかし、本気でタルボット家が兵を進めてくると思うのか?!」


「そうせざるを得ないでしょうねぇ。

 どちらにしろ辺境伯ともあろうものが鳴り物入りで始めた、暗闇の森開拓計画が頓挫しつつある。

 面子から言っても、投下した資本から見ても、もはや計画中止の判断ができる程の政治的センスはないんじゃないですかねぇ?

 現当主様の風説を聞く限りでは。

 そうなると現状では、何が何でも金が要る訳ですよね?

 教会関係や、王家からのクレームが入ったとしても、政治的正当性の根拠に乏しくても。

 辺境伯としてはやるしかない。

 どっちにしたってこのままじゃタルボット家は潰れますし。

 最後の賭けとしてはブリングハム植民地化からの、潤沢な資金を湯水のように垂れ流しての、開拓計画大成功、という一発逆転を狙うしかないといったところですか」


「ううむ……となると。

 大聖堂から手を回してもらっても止められない、か?」


「はい、お家断絶の危機ですからね。

 ぶっちゃけ、誰が何と言おうと聞かないでしょう。

 どうせ、結果で納得させちゃるわい!

 今に見とれよ!

 くらいに、もう頭沸いてんじゃないすかねぇ?

 はぁ、メンドクサッ!」


「お、おう?!

 いきなりぶっちゃけたな?

 おい、どうした?」


「いやね、もうこの手のバカは見飽きてんすよ?

 ほんっとね!!

 勤勉な馬鹿ってマジ手に負えないんすよっ!

 もうね、完全な努力の方向音痴!

 良い事してるつもりで、やってること逆効果ばっかなんだから、いい加減頭悪いの自覚して人の言うこと素直に聞いてりゃいーのに……

 おまけに自分は正しいって狂信的な信念で動いてるから、まーったく聴く耳持たないし……

 おまけに無駄に偉いとか、もうね。

 振り回される人達の多さを考えたら、俺は涙が止まらないっす」


「お、おうっ……

 そ、そうか……まあ、何だ?

 なんとも身につまされる話ではあるな」


「でしょう?!

 尻拭いする方の身になれっつんだよ。

 ほんっと堪んないっすよ!

 神輿は軽いに限るっての!

 無能な怠け者の方が万倍マシですからね。

 必要なことしかしないから」


「う、うむ。

 何だか、とても居た堪れない心持ちであるな……

 アルよ、まさかとは思うが?

 お前、わざと当て付けに言ってはいないよな?

 そうだよな?」


「なんすか?

 司祭様見に覚えでもあるんすか?

 いや、まあ全然司祭様には関係ないすから。

 ただちょっと昔の痛い記憶ってだけですから」


「いや、お前いくつなんだよ?って話だな。

 12歳で、どんだけの苦労人なんだよ?」



 何だか随分と脱線してしまったようだが、司祭様とも大分ぶっちゃけて話せるようになったので良かったね!



「ねー、お兄ちゃん」


「ん?

 何だリア?

 つまんない話ばっかで飽きちゃったか?

 ゴメンな」


「ううん、そーじゃなくてね。

 あんまイチャコラしてんじゃねーぞ。

 妹を嫉妬させて楽しいかコラ。

 あとでちゃんとワタシに構ってよ」



 リアはちょっと目が座っていた。


やだ、この娘拗ねた顔も激可愛いじゃない?


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