第2章-2 聖女ですけど
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ねぇ、ちょっと聞いて、ワタシ可愛い!!
髪の毛なんかプラチナブロンドできらっキラっしてるのっ!!
もう、物語の中のお姫様そのものって感じで、ワタシね今キラッキラッなオーラでてるのっ!
いや、信じられないかもだけど、ワタシが一番驚いてるからねホント、マジで!
「ははーぁっ、リア様がな、儂に笑ろうて下すったんじゃー」
「おめぇだけじゃねーわい!
儂にも笑ろうてくださったがじゃ!」
「爺共はひっこんどれや。
いやいや、あれは私に向けてくれた笑顔じゃろがいっ!」
「はぁー、今日も天使様のお顔を拝見させてもろうたけぇ、寿命がまた伸びたわいのぅ」
「半分棺桶に足突っ込んだ婆ぁ共がこれ以上長生きしてどうするがや?
お迎えを断りすぎとーとじゃなかがか?
いい加減、天使様も迷惑しとーとやなかか?」
「置きゃがれ、糞爺共が!
天使様の前であんま汚なか言葉使うんじゃなかよ。
汚いのはアンタらの面だけで十分なんやけ、お釣りがでるやろがっ!」
「よっしゃ婆ぁ、よう言うたわ、ならば戦争じゃあっ!」
「ちょっと、アンタら五月蠅いよ!
あんまり騒ぐとシーナ様に言いつけるけねっ!」
「……申し訳ございませんです……」
とね、モブキャラ達が毎日押しかけてきて、色んな人に愛想笑いしなくちゃいけないの。
ちょっと疲れるー……
あとねぇ、もうコレ我慢なんないんだけど、みんなクサイ。
これは耐えらんないっ。
でもね、こっちでもお兄ちゃんはね、お日様の匂いがして好きー。
もう早く帰ってきてくれないかな?
はやくハグして、お兄ちゃんの匂いクンクンしたい!
そうよ!元気がなかったのは、ワタシのお兄ちゃん成分が足りていなかったのよ、きっと。
でもまぁ、このモブ共も食べ物くれるしー、しょうがないから付き合ってやるかーって感じ?
だけど、あんまり美味しくないんだけどね、異世界の食事って。
それでも、サツマイモみたいな甘いお芋蒸かして持ってきてくれる。
これはねー、ちょっと美味しいの、うふふっ。
「ははーぁっ、ありがたや、ありがたや」
ワタシが笑顔になるとすっごいオーラみたいなのが出て、みんながハッピーになる。
正直、劣等感の塊であるワタシには、こんなことされても違和感すごいし。
なんか『気持ち悪い……』とか、赤いプラグスーツの子みたいな気持ちにしかならないんだけど。
でもまぁ、美味しいもの食べると笑顔になるんだからしょうがないよね?
だって、教会の食事とかひどいもんだから……
塩味だけのスープとかってもうね……
豚にでも食わせろ!
とか過激なこと言っちゃいそうになるもん。
いや、もう異世界のワタシのキャラじゃあ、そんなこと言えない空気感たっぷりなんだけど。
なんたって彼らにとっては、『天使様』で『聖女様』らしいからね、ワタシ。
みんなにチヤホヤされて、感謝されて、ちょっとしたことで感激されて、病みきってたワタシの劣等感が癒されていくようだったの。
色々不便ばっかりな異世界だけど、お兄ちゃんがそばにいてくれるしね。
異世界旅行きてよかった!
もう、前世とかど-でもいいーわっ!
あぁでも、ピザ〇ラ食べたいなー、デリバリーしてくんないかな?
ねぇ、お兄ちゃん、お願いね♪
でもね、1つ気になってて。
お兄ちゃん元世界の記憶、無いんじゃないかなって。
なんか前世の知識や常識はあるし、話す言葉も以前のままだし、記憶喪失なのかな?
あと少し心配なのは、ちょっと異世界に染まりすぎてるみたい。
ワタシがみてないところで下品な言葉使ってるのが玉に瑕かな。
お兄ちゃんは王子様キャラだから、オラオラ系は似合わないのよね。
異世界で言葉は通じるし、読み書き、計算も問題ないってことはー。
結論、ここはきっと誰かのゲームの世界なんだろうね。
ふふんっ、ワタシは異世界には詳しいのよ!




