第2章-1 妹ですけど
2章は妹視点になります。
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「何勝手にいなくなってんのよ?!
ワタシになんの断わりもなくっ!」
お兄ちゃんの葬儀が終わり1か月。
何もかもが唐突過ぎて、しばらく現実を認識できないでいた。
ワタシは順調に腐っている。
そりゃコミュ障だし、友達いないし、暗いし、対人恐怖症で目もあわせらんない。
お外出るの怖いし、人が怖いし、何してもワタシは許されそうにない。
生きててごめんなさい。
生まれてきたことが間違っていました。
それがワタシの罪です。
最近やけに眠気がひどくて意識がハッキリしないのです。
そういえば、最近食事をしたのはいつだったっけ?
いつだってワタシは存在を消してしまいたい。
仲の悪い両親だって、邪魔者のワタシに生きていて欲しくないはずだ。
だから、お兄ちゃんが助けてくれないと生きていけないんだよ?
ねぇ?こんな時に、何でお兄ちゃんがワタシのそばにいないの?
お兄ちゃんは来月高校卒業してこの家をでるはずで。
ワタシはお兄ちゃんと一緒の部屋に引っ越すはずで。
ワタシのこと誰も知らない土地で高校生活を始めるはずで。
だからきっと、今までのワタシの人生は仮初のもので。
きっとこれから本当の『御堂 理香』としての人生が始まるんだって。
せっかっく信じていられたのに。
お兄ちゃんのバカ……
ご飯ないし、ネット繋がんないし、スマホ止まっちゃうし、カード使えないじゃん。
なんでワタシのお世話してくんないの?
わがまま言わせてくれないの?
ワタシがお兄ちゃんナシで生きていけるとでも?
いつから勘違いしていたっ?!
それなのに……
本当、どーしてこうなった?……
気が付いたら、お兄ちゃんがいた。
「お兄ちゃん、一体どこ行ってたのっ?!」
「ああ、イモかってきたんだよ。
リア食べるか?」
心配したのに!
何で、そんないい笑顔なのっ!
人の気も知らないで!!
でもお腹すいてるから食べるんだけど。
「……食べる……。
ねぇ、勝手にいなくなったら心配するよ?
お兄ちゃん、ワタシのこと嫌いになっちゃったの?」
「リアは優しいなぁ。
まだ小さいのに本当に頭がいいんだな。
お兄ちゃん嬉しいぞ。
偉いなぁ、いい子いい子」
ワタシが落ち着かないと、お兄ちゃんはいつも優しく頭をなでてくれる。
お兄ちゃんのナデナデ……久しぶり。
はぁー……癒される。
ってか、ワタシの話ちゃんと聞いてた?
答えになってないじゃんっ!
もうっ!そーいうとこだよ。
「わたちぃは、お兄ひゃんがいらいとらめなんだかや。
呼んだらすぐに来てくれなぃと駄目なんだかりぁぇえ?!」
アレ……?
ワタシ、なんでこんな舌っ足らずなんだろ?
今気が付いたけどなんか、すっごくしゃべりにくい。
そりゃぁ、もとから一日誰とも会話しないような生活だから……ヒッキーだし……
上手く口がまわらないのは当たり前なんだけど。
なんか、久しぶりに見るお兄ちゃんは随分と若返って……って、子供じゃんっ!!!
いや、イヤ、嫌、いや……それはちょっとちっちゃ過ぎるって、どこの名探偵なのよっ!
しかも、なんか顔つきも違うし、え?!
お兄ちゃんこんなだったっけ?
お兄ちゃんが子供の頃って?
いや、相変わらずカッコいいけど、いやむしろ今は可愛いけど!
え、ちょっとなんか違う性癖に目覚めそうで怖いから自重して欲しいくらいなんだけど。
つまり、これってワタシは異世界に転生したってことでおけ?
ここまでお付き合い下さり、ありがとうございます。
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