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めがね
「めがねと言うものの本来は医療器具だったんだよ」
「はぁ、そうですか」
いつも通り話し始める先輩は、いつもと違う姿をしていた。
そう、メガネをかけていた。
「ちなみに、これは度は入っていない」
メガネをかけた先輩はまた違う魅力を発揮していた。
窓際で本を読む、清楚な美少女。
うん、そんな感じだろう。
「いつからだろうね。メガネが負のイメージで無くなったのは」
「まあ、たしかにそうですね。俺が小学生の時はめがねだと何かしら言われたりされてましたし」
「ああ、そうだ。メガネ=ガリ勉のような方程式は無くなっている。それはきっといい事なのだろう」
だが、と先輩は続けて言う。
「医療器具としての役割を果たしていないメガネがかなり増えたがね」