6/6
06 眠れない夜
私達はいつ死ぬのか分からない。
一日生き延びるのも命懸けだ。
今日生きている人間が、明日の朝には死んでいたなんて事は、よくある事だった。
ただ病気やけがで死んでる事もあれば、自分が食事を奪ってせいで、自分が殴ったせいで死んでることもある。
初めは皆、人が死ぬたびに泣いた。
悲しみに肩を震わせ、涙を流していた。
でも、三人、四人と犠牲が増えてくると段々なれてくる。
十人も死ねば、もうなれたも同然だった。
そんな現実が受け入れられなくて狂ってしまった者もいるけど、それはまだまし。
まともな人間はただ、夜の間に自分が死なないか怯えながら、眠れない時間を過ごさなければいけないのだから。
こんな生活、いつ終わるんだろう。