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02 荷物のように運ばれて
眠っている間に、どこかへ移動したらしい。
私は袋から出されていたようだ。
腕には鎖が繋がれていた。
どうやら奴隷になったらしい。
私は、馬車の中に荷物の様に詰め込まれている。
周りには、同じような歳の子供がたくさん。
彼等も、攫われてきたらしい。
環境の変化について行けず、泣き出す者もいるし、悲嘆にくれる者もいた。
中には、幼すぎて事態を把握できていない者もいた。
その方がきっと、幸せだろう。
ある意味羨ましい。
幸せを知らなければ、不幸になっても分からない。
何も把握できなければ、そもそも不幸という存在すら知らないまま。