表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女A  作者: 奏桜
5/5

5

今回で完結いたします

この事件の真相は最初、秘密裏に処理されることとなっていた。あまりに酷く、凄惨な事件だったからだ。


だが、少女が秘匿するにはあまりに名の知れたクリエイターであったこと。そして遺書の中に今苦しんでいる人にぜひ届けてほしい、というメッセージと絵が残されていたことから、ありのままを報道することとした。


警察が懸念した通り、この事件は多くの反響を呼んだ。少女を擁護する声はもちろん、批判や疑問、否定的な意見もたくさんあった。


この事件は確かに大きな話題になった。海外メディアでも報道され、少女の絵は高値で取引されるようになった。だが、それも長くは続かず、3ヶ月もすれば「あぁ、そんな事件もあったな」位の認識になった。


だが、この事件をきっかけに変わったこともある。

一つ目は法が整理されたことだ。今までは家族間のことについては行政はあまり触れられず、事が大きくならないと発覚しない案件がたくさんあった。頼りたくても頼れない子供たちが多かった。親の言いなりになるしかない子供が多かった。それを改善するための法が作られ、虐待や家庭間でのトラブルが減った。

それはひとえに、少女が起こしたような事件が二度と起こらないように、少女の二の舞になることを防ぐためだ。


また、少女が描き高値で取引されるようになった絵で得たお金は全て寄付に回した。これは少女の遺族が強く望んだことだ。「自分たちは何も気づいてあげられなかったけど、少女の意思はひきつげる」そう言った遺族の、特に少女の祖母の目はとても還暦を迎えたそれには見えなかった。


こうして凄惨な事件の幕は閉じた。


少女は最後まで戦った。親にも、社会にも。少女が亡くなって月日がたった今でも、少女の意志を受け継いでいる団体は少なくない。一人の少女の勇気ある行動でこの社会は変わっていくのだ。

それを見られない少女を心底残念に思う。だから私が見届けてあげよう。死にたくなる日もあるけど、少女の代わりにしっかりとこの目で焼き付けてあげよう。


これが少女:相川未夢(あいかわ みゆ)の叔母である私ができる、最大の贖罪なのだから。


ここまでお読み下さりありがとうございました。これをもちまして完結、とさせていただきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ