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少女A  作者: 奏桜
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母の職業はいわゆる水商売と呼ばれるもの。だから少女は友人との会話でなされる親の職業についての話が大嫌いだった。…それはどう答えていいかわからないから。


そして、少女は母の職業自体も好きではなかった。…酒に酔い、夜中に少女たちに絡むなる母を正直面倒くさいな、とは姉弟誰もが思っていたことだ。酒に酔っている時の母は感情の起伏が激しく、ちょっとした事ですぐ機嫌を悪くするからとても神経のいる接し方が必要だった。

そんな母を危ないな、とは思っていたのだ。なのに怖くて何も言えなかった少女はとうとう最悪な事態に直面した。


酒に酔った母が姉と取っ組み合いの喧嘩を始めたのだ。まだそれだけなら良かった。だが、激昂した母は姉のことを包丁で眉間を切りつけてしまったのだ。幸い傷は浅かったが出血が酷く、少女たちはそれ以来、酒に酔った母がトラウマとなってしまった。


母とあまり顔を合わせないようにしていた少女。家出をして祖母の家に行った姉。家では口を聞かなくなった弟。次第に家に寄り付かなくなった母。家庭崩壊寸前となってしまい、少女は精神的にボロボロだった。

それがあったのは少女が中学二年生のこと。


学校ではいつも明るく笑顔だった少女の異変に気づいたのは幼馴染の絵が上手い女の子と、いつも絡んでいた女友達二人。

どうしたの、と聞かれた少女は精神的に参っていたのと、この三人なら、と思ってありのままのことと今の自分の気持ちを吐露した。


両親が揃い、ある程度の暮らしをしてきた友人二人には重すぎる内容だったのだろう。あるいは衝撃的すぎてどう接していいか分からなくなったのかもしれない。

それからその二人はまるで腫れ物を扱うかのように少女に接し、しまいには関わらなくなってしまった。


少女はそれがとても悲しく、裏切られた、と感じた。大丈夫、何があっても受け止めるから、そう言ってくれたはずの友達が離れていったのだ。そう思うのも無理はないだろう。

少女と友人との間に挟まれた状態だった幼馴染は、友人の方へと行ってしまった。


同じ部活動で、いつも四人一緒で、さらに重役についていた。それなのに一人が欠けた。部員は何事かと密かにうわさし合う。部活に居づらくなった。部活動での居場所がなくなってしまった。これ以上ないくらいに少女は追い詰められていた。

完全にそうなったのは少女が中学3年の春のこと。

そこから少女は、三人を含めたあらゆる人が怖くなり、目を合わせて話すことが困難になった。だが少女は、学校で嫌な目に会おうとも休むことなく登校し続けた。それは、家にいるよりかは学校にいる方が楽だったからだ。

ここまでお読み下さりありがとうございました。次回の更新は三日後を予定しております。

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