1
処女作ですのでお手柔らかに見ていただけると嬉しいです。会話は一切ありません。多少残酷な描写も入ります。苦手な方はブラウザバックをば!
その日、一家四人がその短い生を終えた。そのうちの一人、この物語のヒロインはとても絵が上手く、その筋の方々からも『イラストレーターのタマゴ』だと言わしめた程の実力の持ち主であった。
家族が死に至る原因を説明するには、家庭環境から話さなくてはならない。
若い夫婦の間に次女として、真夏の暑さが多少和らぐ早朝、その小さな命は誕生した。
少女が生まれてからの三年間は穏やかで楽しい日々だったらしい。優しく家事が得意な母。働き者でありながら家族サービスを忘れない父。面倒見のいい姉。家族のアイドルとして笑顔を振りまく幼少の頃の少女。まさしく理想の家族像、と言ったところだった。
だが、少女が一歳の時に両親が離婚してしまった──原因は父の実家と反りが合わなかったこと、らしい──。姉と二人で母方の祖母の家に預けられた少女は、毎日のように泣いていた。母は少女達を祖母に預けたきり、家に帰ることは少なかった。姉も混乱していただろうに、いつも少女を慰めてくれていた。…少女にとって優しくて可愛い、自慢の姉だった。
そして、その三年後。急に家に帰って来た母は姉妹を連れて引っ越した。…そこで言われたのはたった一言。「新しいお父さんだよ。」という言葉だけだった。
少女にとって『新しいお父さん』に良い印象はなかった。何故か、いつも蔑みの目を向けられていると感じていた。…幼い少女にとってそれはとても怖かった。
転機が訪れたのはその少しあと。母が新しいお父さんとの間に子供を授かった。少女達は「お姉ちゃんになるんだよ」と言われた。そして、不安がっている暇もないほどすぐに、弟となる小さな命は誕生した。
そこから五人で暮らしたのは一年にも満たないくらいの期間だった。父と母が別れてしまったのだ。少女は母と姉、弟と一緒に母の実家へと戻り、生活をするようになった。
だがそれも数年だけ。祖父が病気で亡くなってから母は実家を出て母と子供の四人でアパート暮らしを始めた。
少女が小学校に行くまでは母はまともな「母親」だった。しかし、いつの間にか母親としての姿はなくなっていた。それが大変でもあり、さみしくもあった。
ここまでお読み下さりありがとうございました。次回の更新は三日後を予定しております。




