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Rosmiua Fellnerd Phonebrayne  作者: U.O.T.E
エンジェルブレス
16/25

天使の蹂躙

 とはいったものの・・・。



 「どうするべきか・・・」



 とりあえずは、まだ気付かれていない。

 下手に出て行っても一方的に殺されるだけだ。

 さて・・・どうしようか。



 「このクソ羽虫!!」



 「・・・」



 振り向いた。

 よし、気が付いたみたいだ。



 「これでも喰らいなさい!」



 「・・・!」



 よしよし。

 まずはひるませることができた。



 どうやらあれは送信機兼生命維持装置のようね。

 一種のリミッターのような役割も果たしている。



 「天使、あんたにいくつか聞きたいことがある」



 「・・・拒否します」



 ああ、声まで天使みたい!

 ・・・心の底からムカついてきた。



 「拒否?あんたが今そんなことができる立場にあると?」



 生命維持装置も兼ねているというのなら、あれを壊してしまえばいい。

 簡単なことだ。



 「・・・あー・・・なるほど。随分賢いみたいね」



 さっき受けたので学習したのだろう。

 魔力を放出することで、妨害したのだろう。



 「あなたを大魔導士クラリス・ジュリエットと認識しました。これより粛清を開始します」



 「そうやって全員殺してきたっていうの?それなら死ぬ前に殺される理由を聞きたいものね」



 こうよくドラマであるじゃない。

 死ぬ前にうんたらかんたらってやつ。

 あれやってほしいわ、ぜひとも。

 そうしたらだいたい逃げれるから。



 「拒否します。これより大魔導士クラリス・ジュリエットの粛清を開始します」



 天使の手に握られた槍に魔力が集まっていく。

 それと同時に投擲の姿勢に入る。



 って、これじゃドライバーで無効化できないじゃん。

 やばくね?

 えーとえーと・・・どうしよ。

 とりあえずあたりを見回してみる。

 手近にあるものは、むき出しになった配管やらあたりに散らばった食器やグラスの残骸、死体など。



 さっきの解析結果によれば、例の生命維持装置は精密機械らしい。

 表面は樹脂によっておおわれていて、電気は通さない。ただし、ドライバーによるレーザーパルスは有効だが、魔力の暴風によって打ち消されてしまう。

 


 ならば、どうするか。



 「こうすんのよ!」



 配管に向けて、レーザーパルスを放つ。

 中を流れているはずのを沸騰させて配管を爆発、熱湯の雨を天使の頭上に降らせる。


 「!?」



 天使化によって強化されているとはいえ、元はただの人間。

 多少は驚くでしょう。そうしてできた隙をぬってすかさず脱出、廊下へと滑り込む。

 って、廊下かよ!



 「隠れる場所ないじゃないの!」



 すかさず、扉を吹き飛ばして天使が現れる。

 かなり、長い距離のため次の部屋へ逃げ込むのは至難の業だ。

 その前にあの槍で串刺しにされる。

 となると・・・。



 「飛び降りるしかない・・・?」



 ここは四階。

 下は森のため、うまくいけば無事でいられるかもしれない。運が良ければ木に紛れて天使をまくこともできるかもしれない。

 けど、やりたくないすごくやりたくない。



 「対象を確認。逃亡は愚かなことです」



 「ああ、もう・・・!|なるようになれ(Andiamo)!!」



























 何とか館の地下に到達する通路を見つけた。

 地上の豪華な感じとは違い、なんというか・・・不気味だ。

 クラリスがとらわれていた基地と雰囲気が似ていて、少し嫌な予感がする。

 これでは、魔法使いの儀式場というより科学者たちの実験場だ。



 「科学と魔法の融合・・・本当にそんなことしたっていうのか?」



 だとしたら、それは魔法界全体への裏切りになる。

 ・・・まずは魔法協会へ連絡すべきだったろうか。いや、やつは仮にも魔法協会の一員、決定的な証拠をつかまなくてはならない。

 それこそ、やつ自身に言わせるぐらいでなければ・・・。

 とりあえず使い魔に探させるか。



 「・・・なるほど、魔力無効化か」



 以前あったメタルヒューマンと同じか。

 ・・・これは一度引き上げる必要があるな。



 「招かれざる客がいると聞いてきてみたら・・・君か、大魔導士ケリー・ルブラン」



 「魔王バラレー・・・」



 一応護身用に魔導拳銃を持っている。

 これなら、魔力無効化空間でも簡易的な魔法を使える。



 「あなたのしたことは魔法界全体への裏切りにつながる。覚悟してもらおうか」



 「・・・罪を告白させようとしても無駄だ。君はここで死ぬ」



 背後からさっきの天使と似たような人物が現れる。

 そして、頭には例の装置が。



 「二体目の天使・・・!」



 「魔力の器が不十分だったため、不完全ではないがな・・・。それでも魔王三人分とほぼ堂々の力がある。大魔導士である君を殺すことなどたやすい」



 「チッ」



 魔導拳銃を打つものの、魔力障壁によってはじかれる。

 魔力無効化の影響がある空間でも、魔力自体は無効化されない。よって、魔力だけで魔法をはじき返すことは可能だ。最も、そんな莫大な魔力があればだが・・・。

 とりあえず逃げるしかないか。



 「逃げても無駄だ。天使よ、やつを殺せ!」



 「・・・」



 幸い、魔法を使ってくる気配はない。

 天使の武器が剣であることも相まって、避けられないことはない。



 「よし、出口!」



 クラリスからもらっておいた生体電磁パルスを使う。

 注意事項として『自分にも影響があるため効果範囲1メートル以内には近寄らないこと』だっけか。

 今の状況・・・あいつならこう言いそうだな。



 「|さあ、行くぞ(Andiamo)」
























 「・・・いって」



 なんとか助かったようだ。

 けがもなく、軽い打撲や捻挫程度だろうか。一応回復促進剤を飲んでおく。



 「うげえ・・・ゲロまず」



 絶対人が食べていい代物じゃないって。

 まあ、それより天使だけど・・・追ってきてはいないか。

 あの高さじゃ助からないだろうから、死んだと判断されたか館の外に出たからあいつのいう粛清対象から外されたのか。

 いずれにしろ、なんとかしなくては・・・。



 ケリーに渡した生体電磁パルスもおそらく天使には聞かないだろう。あれも原理はドライバーとほとんど同じだし。

 パルスやエネルギー、魔法の類はすべてはじかれてしまう。

 しかし、さっきやったように物理的なものならば有効・・・か。

 今私が使える物理的なもの・・・概念魔法ぐらいだろうか。


 

 前受けた説明では概念魔法によって生み出された武装は魔法としての領域を逸脱した存在となる。

 ・・・けど、使いたくないな魔法。

 一回だけやってみるか。

 天使とか一撃で倒せるようなもの天使とか一撃で倒せるようなもの・・・。



 「いや、お前じゃないから。それにお前はヤバイから」



 このタイミングでお前みたいな変な裂けめとかやばすぎるから。

 早く帰れよ。























 クラリスからもらった生体電磁パルスは天使にも有効なようだ。

 残り二つ・・・大事に使わないとな。

 しかし、地上に出たことで魔法が使えるようになった。まずは使い魔を放って・・・よし、とりあえずはクラリスと合流するか。

 その瞬間、背後で轟音が鳴り響く。天使の奴、もう立ち直ったのかよ。あいつは数分は動けないとか言ってたのに、一分ちょっとしか動きを止めれてないじゃねーか。

 ・・・まあ、逃げれたので良しとしよう。



 「現在武装への貧弱性を確認。粛清対象にあった武装を検索中・・・検索結果一件、ただちに対象武装に切り替えます」



 概念魔法による武装召喚・・・。

 あんなものまで使えるのかよ。



 「対象武装『トライブガンナー』装備完了。粛清を続行します」



 よりによって、遠距離系か。かなり厄介だな。

 だが、対抗策はある。



 「『わが手に抱くは大いなる野望の礎、そして目の前にいるはその贄なり』」



 魔王さんよ、あんたならこの魔法が何かは分かるよな?

 暗黒系魔法パレードトゥパーガトリ。効果範囲は極めて狭いものの威力は絶大、存在そのものさえも消し去るといわれている。その消費魔力も膨大で、とても俺一人分では足りなく一気に魔力が枯渇してその反動で死ぬことさえもあり得る。

 だが、それを補うのがマジッククリスタル。こいつには俺が数年かけてため込んだ魔力が詰まっている。これを解放すれば、一発や二発ぐらいなら打てるはずだ。



 「さあ、行くぞ・・・暗黒魔法『パレードトゥパーガトリ』!」



 

























 館の外周りはすべて天使たちによって包囲されていた。

 先ほど戦ったあの天使たちほどの力は感じられないが、マンツーマンの戦いに持ち込むことはまず不可能だろう。そうなると、先ほどの天使よりも厄介だ。



 それに、等間隔で包囲しているとか重要な位置を守っているというわけでもない。

 ただ、形上包囲してみました、という感じなのも気になる。



 以前ケリーに聞いたことがあるのだが、儀式を行うにあたって陣形というものがあるらしい。陣形というのは、儀式を行う際の魔法使いの配置で、その配置が極めて重要になるそうだ。

 天使たちを魔法使いに見立てると、そう見えなくもない。

 あまりそういうのには詳しくないのだが、確かに天使たち同士を一種の思念リンクのような形で結び付けているようだ。これもマンツーマンの戦いに持ち込めない理由の一つで、この思念リンクによってあの天使たちは集団にして個となる。つまり、互いの情報が常に全体に共有され続けているというわけだ。

 共有方法は例の生命維持装置によるものだろうか。・・・本当にあれ万能ね。



 「試しに一体捕獲したいけど・・・そしたら全部に情報が伝わっちゃうし・・・。厄介ねえあいつら」



 さて、本当に今回ばかりは厄介だ。

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