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7 ルコールの森

 窓からの射し込む日差しで目が覚める。

 んーもう朝か……まだかすむ目をこする。


 結局昨日は宿に帰ってきてすぐ寝ちゃったなー。

 あ、寝たらMPも回復するみたいだね。

 これならどんどん魔法を使っても大丈夫そうだ。使える魔法はまだ手に入っていないけど。


 お金を稼ぐ目途もたったし、今後は依頼をこなすのもいいけどまずは能力値の強化が先かなー?

 ちょっと今日は、草原の先にある森の中に行ってみよう。

 まだ見たことのない魔物を発見すればスキルのレベルが上がるかもしれないし。

 上がる条件はわからないけど。何でも試してみないとね。


 強化すればもっともっと強くなりやすくなるはずだしね。



 それにしても……なんでこんなに強くなりたい! なんて思ってるんだろーな。私。

 1人だけ勇者じゃなかったことがそんなに悔しいのかな? 自分の事なのによく理解できない。

 強くなれば勇者になれるかもと、心のどこかで思っているのかもしれない。

 勇者に憧れているのかな――?


「ふぅ……」私は一息つく。

 今はそんなこと考えても仕方がないか。

 今できることをやっていけば、いずれわかるようになるはずだし。


 ベッドから起き上がり、シャワーを浴びて頭をすっきりさせる。

 とりあえず今日は森に行こう!





 街から東に真っ直ぐ歩いて、草原を超えた先の森に着いた。

 来る前にギルドへ寄って森のことを少し聞いたけど、その際にこの辺がルコール地域と呼ばれていることを今更ながら知った。

 ルコールの街、ルコールの城……単純な世界だね。

 そしてここがルコールの森ということだ。


 森には特別危険な魔物もいないそうで、Eランク程度の実力があれば余裕だそうだ。

 まあランクはFな私でもなんとか大丈夫だろう。

 魔物を倒している内に強くなるさ。


 森の中に入ってすぐに早速、見たことのない魔物を見つけた。



 名前:ホーンラビット

 種族:ラビット

 レベル:1

 能力:HP 30

    MP 10

    攻撃 18

    防御 5

    魔力 4

    俊敏 12

    運  5



 青い毛並みに1本の角が生えているウサギだ。角は真っ白でとても綺麗に見えた。

 可愛いけどあの角で攻撃されたら痛そう。あんなに尖っていたら軽い怪我じゃ済まないでしょ。

 HPは少ないけどスライムに比べると全然強そうだった。


 やば、気づかれた! ホーンラビットと目が合う。

 ホーンラビットが私に向かって角を突き刺すように突進してくる。

 思っていたよりは早いけど、予想通りの攻撃だったので難なく躱す。

 でも私から攻撃するほどの余裕はない。


 何回か同じ様に避けていると、角が突進した先にあった木に刺さった。どうやら勢いをつけすぎて、急には止まれないみたい?

 角を抜くのに手こずっている内に、後ろからナイフで切りつけるとあっさり倒してしまった。


 

 なんだ。冷静に動けば思ってたより弱い。卑怯でもなく、私の作戦だ。

 その後も何回もホーンラビットに出くわすが、倒し方さえわかれば雑魚でしかない。


 鼻歌でも歌いながら次の獲物を探す。




 名前:オリーバウルフ

 種族:ウルフ

 レベル:1

 能力:HP 30

    MP 7

    攻撃 18

    防御 10

    魔力 2

    俊敏 13

    運  7



 少し森が開けた場所で、灰色の毛並みのオオカミが現れた。

 ステータスはホーンラビットとあんまり変わらないし大したことないんだけど、牙を出しながら威嚇してきて怖い。

 普通の中型犬くらいの大きさだしね。



≪魔物博士2が魔物博士3にレベルアップしました≫



 頭の中に突然声が響く。え、こんな時にレベルアップ?


 オリーバウルフに神経を集中させていると、後ろの茂みから何かが動く音が聞こえた。

 私は思わず後ろを振り向いてしまう。

 すぐオリーバウルフに視線を戻すけど、その時には私に飛び掛かってくるところだった。


 とっさにナイフを持っていない左腕で顔をかばう。

 左腕を咬まれた。めちゃくちゃ痛い。血も結構出てるし……


 痛みを我慢して右手のナイフで何度も突き刺すと、オリーバウルフは腕から離れ地面に倒れた。

 よかった……なんとか倒せたみたい……


 そういえば!

 私は思い出した様に後ろを振り向くと、ホーンラビットが私に向かって突進しようとする瞬間だった。

 間一髪のところでこれを躱して、再度突進してくる間に体制を立て直す。

 ついでにスキルの確認もする。


 

 魔物博士3:倒した魔物の能力値1%を自分の能力値に加算する

       見た魔物のスキルがわかるようになる

       1体の魔物のスキルを一時的に自分のスキルに加えることができる




 なるほど、今までスキルまでは分かってなかったんだね。

 てっきり魔物はスキルを持っていないのかと思い込んでいた。


 ホーンラビットが近くの木に刺さるまで避けてから、今度はコイツのスキルを確認してみる。

 そこには先ほどまでは見えなかったスキルが表示されていた。



 突進:MPを消費して一気に加速し、前方に突進する



 今まではこのスキルで攻撃をしてきたってわけか。

 使えるかどうかは置いといてとりあえず自分のスキルに加えておくことにする。




 名前:アンナ・キドウ

 職業:高校生

 レベル:3

 能力:HP 37/37→30/40

    MP 7/7→8/8

    攻撃 12→15

    防御 8→9

    魔力 15

    俊敏 13→15

    運  14

 スキル:魔物博士3,突進



 ……うん。ちゃんと自分のステータスに追加されてる。これも念じるだけでいいみたいだね。

 ホーンラビットを倒した後もスキルはそのままあった。


 それにしても左腕が痛い。HP自体はそこまで減っていないけど、今日はもう帰って休もう。

 

 そう思い来た道を引き返そうとすると、さっきまでオリーバウルフがいた付近から物音が聞こえた。


 今度は何なの?

 後ろを振り向くと2匹のオリーバウルフと、1匹の一回り大きな茶色い毛並みのオオカミ。




 名前:ファムウルフ

 種族:ウルフ

 レベル:1

 能力:HP 50

    MP 8

    攻撃 30

    防御 10

    魔力 3

    俊敏 13

    運  7

 スキル:嗅覚強化,統率



 え、茶色いの強すぎじゃない? 私帰りたいのに……

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