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5 ギルド初依頼

 ピンクスライムを倒すのに疲れたので街に帰ってきた。朝ご飯しか食べてないからもうお腹はペコペコだ。

 近くで見つけた適当な食堂に入りご飯を食べることにする。


 出てきた料理はお城でのご飯に比べると随分と劣るが、そんなことはどうでもよかった。

 空腹とは最高のスパイスのようで、あっという間に食べてしまう。

 ふぅ。満足満足。お腹一杯だ。




 食堂を出ると辺りは暗くなってきた。次は今晩泊まるところを探さなくちゃな。

 また近くで見つけた適当な宿に入る。あんまり綺麗そうには見えないけど、その分安そうだしね。


「こんばんはー。今晩泊まりたいんですけど大丈夫ですか?」

 宿の扉を開けて受付へと向いながら言う。受付にはおばちゃんが座っていた。


「ええ、どうぞ。1泊銀貨1枚ですよ」

 受付のおばちゃんに銀貨1枚を渡し、代わりに鍵を受け取る。

「そこの階段から上がって角の部屋だよ」

 おばちゃんに説明されたとおりに階段へと向かう。


 銀貨1枚ってのは安いのかな? 相場は分からないけど、ここら辺では普通なのかもしれない。

 それにしても今日は疲れた。早く汗を流して寝たい……



 階段を上り、角の部屋に入る。狭い部屋にベッドが置いてあるだけのシンプルすぎる部屋だったが、今の私にはそれで十分だ。

 早速シャワーを浴びる。そのまま髪を乾かさずに、ベッドに倒れ込むように横になった。


 ピンクスライムから受けた擦り傷がヒリヒリ痛い。シャワーが染みたみたいだ。

 あ、そういえばHPはどうなってるかな? まだ減ったままなのかな?


 確認してみると、一切回復していなかった。どうやら自動回復はしないみたいだ。

 寝たら回復するのかな? それか回復魔法を使わない限りは自然に回復を待つしかないとか?

 まだ色々わからないことが多い。


 まあそれはおいおい考えることにしよう。今はとにかく疲れて、眠い……





 窓からの日差しが眩しい。窓から射し込む日差しによって目が覚めたみたいだ。髪はボサボサ。乾かしてないから当然か。

 そんなことよりも筋肉痛がやばい。

 手を少し動かすだけで体中を痛みが駆け抜ける。


 あんなに体を動かしたのは久しぶりだった。普段運動しないからこんなことになるんだ……

 今まで運動してこなかったことを恨む。



 思い出したようにHPを確認してみると回復していた。寝るのが回復するタイミングみたいだね。

 もっと重症の傷でも回復するのかはわからないから、極力ダメージ受けないようにしないとだ。


 ボサボサ髪を直し、身支度を整える。宿を出ると、昨日と同じ食堂で朝ごはんを食べる。

 




 さて、今日はギルドに行って依頼をしようかな。

 少しでも稼いでおかないとお金は減る一方だし。それにこういうのは最初、あまり稼げないのが普通だろう。

 早いうちに依頼にも慣れておかないとね。


 ギルドは昨日と同じ様に大勢の人がいて賑わっていた。ちょっとこの騒がしさは嫌だな。長居はしたくない。

 昨日と同じ受付のお姉さんがいたので話しかける。

「あのーすみません、依頼受けたいんですけどどうすればいいですか?」


「こんにちは。あら、あなたは昨日登録した子よね。あなたはFランクだったからあそこの掲示板に張ってあるFランクの依頼だけ受けることができますよ。受けたい依頼の紙を受付まで持ってきてね」

 そう言って、お姉さんが指を差した方には人だかりができている。

 なるほど。あそこが掲示板なのか。ちょっと近づきにくいなー。


 頑張って掲示板に近づくとそこには大量の紙が貼ってあった。

 どうやら紙には依頼を受けるためのランクと、依頼内容、報酬が書かれているみたいだ。



 掲示板にはA~Fランクの依頼が貼ってある。 最高ランクがAなのかな?

 私が受けることができるFランクの依頼を見てみると、近くの草原で薬草をとってきてくれだの、家の片づけを手伝ってくれだの、簡単な……つまらない依頼しかない。

 報酬も安いので初心者向けなんだろうな。


 でも今日の私には丁度いいかな。筋肉痛が辛いからあんまり戦いたくないし。

 薬草採取の依頼の紙を受付へ持って行く。


「えっと、ヤグミ草の採取みたいね。近くの草原に生えてるから取ってきてね。たくさん取ればそれだけ報酬も出しますよー」

 ヤグミ草なんて言われてもどんなのか私には分からない。

「ヤグミ草ってどんなのなんですか?」

「ランクの表示されるプレート持ってるでしょ? それをね物体に近づけて魔力を込めて念じると、その物体の名称がわかるからそれを使ってみてね」


 お姉さんが丁寧に説明してくれた。このプレートにそんな便利機能がついてたのかー。

 なくさないように気を付けなくちゃね。



「ありがとうございます。ちなみにランクはどうやったら上げられるんですか?」

 Fランクでは魔物退治はないようだった。今日はこれでいいけど魔物を倒して能力値を得ると同時に、報酬も欲しい。

 そのためには早くランクを上げないとだ。


「説明長くなりますよ? それはですね――」

 お姉さんの説明をまとめると依頼をたくさんこなして、かつステータスが高ければランクアップの依頼が受けれるそうだ。

 このステータスの基準は特に決まってないようだけど、プレートが勝手に判断するみたいだ。

 依頼をたくさんこなすというのも数が重要というよりも、どれだけギルドや、依頼人に貢献できたかが重要みたい。


 最初冒険者に登録する際にプレートがステータスを読み取ってからランクを設定するみたいで、強ければ最初からDランクやCランクで登録できるようだった。

 最高はAランクの上にSランクというのが存在するらしいけど、昔いたとんでもなく強い勇者のために用意されたランクで、今は誰もSランクの者はいないみたい。


 つまり私はプレートにも弱いと判断されたってことなんだね……ちょっとショックだ。

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