表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/34

12 ウルフたちの親玉

 森の奥に進むと大きな洞穴が見えた。

 魔物の気配を探ってみると、洞穴内に私がまだ出会ったことのない魔物がいることが分かる。


 しかも周りには他のウルフの気配もする。


 うーん、これは戻るべき?

 最初の時みたいに死にそうにはならないと思うんだけど、未知の魔物ってだけで少し怖い。


 でも逆にスキルのレベルを上げるチャンスなのかもしれないなー。

 魔物博士 のレベルが上がる条件がよくわからないけど、見た魔物の種類と数が関係しているのは間違いなさそうだ。


 いざとなったら帰還のスクロールで逃げることもできるし、挑戦しようかな。



 洞穴に近づくと白い体毛の大きなオオカミが洞穴内から出てきた。

 ファムウルフの一回りも、二回りも大きな体だ。

 体長2メートルは優にありそうだった。




 名前:ラクスウルフ

 種族:ウルフ

 レベル:3

 能力:HP 310

    MP 407

    攻撃 106

    防御 101

    魔力 250

    俊敏 180

    運  72

 スキル:嗅覚強化,統率,土魔法3




 遂に魔法きた! やっと私も魔法が使える!

 でも土って……なんか地味。もっと雷とか、闇みたいなカッコいいのがよかったなー。

 存在するかはわからないけどね。



 ラクスウルフが遠吠えをする。

 突然私の足元から私目掛けて土の槍が出てきた。


 私は思わず目をつぶる。あれ? 痛くない?

 目を開けるがどこにも怪我はしていない。

 あ、そうだった。魔法反射 のスキル持ってるから魔法が効かないのか。


 ラクスウルフは能力値を見たところ、魔法が主力の魔物のようだし私と相性ぴったりじゃん。


 他の値も高いから油断はできないけどね。


 そんなことを考えていると、今度は木の根っこみたいなのが地面から出てきて私を拘束しようと迫ってくる。

 根っこが私の体に触れた瞬間、弾かれて消えた。


 いやー私強いね。魔法反射が反則すぎ。


 ラクスウルフは私に魔法が効かないと悟ったのか、他のウルフたちと一緒に直接攻撃を仕掛けてきた。


 まずは雑魚ウルフから蹴散らそうか。

 近づいてくるファムウルフを1体ずつ確実に倒していく。

 ラクスウルフの攻撃は大きく速いが、避けられなくはない。


 雑魚の攻撃は多少くらっても、ラクスウルフの攻撃はくらうわけにはいかなかった。どれだけダメージ受けるかわからないからね。

 私防御力あんま高くないし。



 ファムウルフを全て倒しても私のHPはあまり減っていなかった。

 ラクスウルフの攻撃がギリギリ見切れるスピードで助かった。


 しかし私もなかなか攻撃を加える隙がない。

 このまま長引くと私の方が不利だろう。

 さっきから激しく動きすぎて息が少し上がっている。


 ウルフは私の様子を窺っている。おそらく私が疲れているのにも気づいているだろう。


 もし仲間を呼んで私と戦おうとするなら、逃げよう。

 疲れて私に隙が出来たときに殺されてしまうのがオチだ。


 でも1対1なら勝機はある。

 奴はどう出るかな?この間に息を整える。



 ん? なんだろう。ウルフの体から黄色いオーラのようなものが出始めた。

 まさか身体を強化するような魔法かな。


 こちら目掛けて突進してくる。

 くっ! 少し爪が掠った。

 ラクスウルフのステータスを確認すると、HPとMP以外の能力値が少し増えていた。


 すぐにもう一度攻撃がきて、やはり爪が掠る。

 このままでは直撃するのも時間の問題だ。


 ウルフが攻撃の勢いのまま少し距離を置いた。

 その瞬間にスキルの 突進 を使う。全身に溜めた力を開放しウルフまで一瞬で近づく。


 ウルフの目を狙いナイフを素早く振るう。

 よし、両目に傷をつけるのに成功した。


 ウルフは暴れだし、私に向かって攻撃してくる。匂いで私の大体の位置が分かっているようだけど、微塵も掠らない。



 ふふ、もう勝ったも同然でしょ。

 暴れているが、隙を見てナイフで攻撃していく。足から狙い動けないようにしていく。


 ウルフは息も絶え絶えで地面に横たわっている。

 HPを確認するともうわずかしか残っていない。


 ホーンラビットのスキルを消して、ラクスウルフのスキルを手に入れておく。

 その後とどめを刺して依頼完了だ。

 これで今日から私は魔法使い? いや魔法少女かな?


 おっと、忘れないうちにやっておかなきゃね。

 ラクスウルフの死体に手を触れ、腕輪の中に入れておく。


 いいマジックアイテムを買っておいてよかった。

 帰り道で大きな荷物が増えるところだった。


 私は軽快なステップで街へと戻る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ