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11 Dランクになるために

 Eランクの依頼を掲示板で探す。

 ランクが上がっても、採取依頼の割合が多いなー。流石にお手伝いとかはないみたいだけど。

 

 でも1つ面白そうな依頼を見つけた。


 最近ルコールの森でウルフたちの動きが活発化しているから、その原因を探ってきてほしい。とのことだった。

 確かに1回目に行った時よりも、昨日の方がはるかにウルフたちの数が多かった。


 いつものお姉さんに話しかける。

「あの、この依頼をお願いします」

「お! 昨日ランク上がったばっかなのに早速次のランクに向けての依頼かー。アンナちゃんは頑張り屋なんだね。」

 お姉さんは私の頭を撫でてくる。ちょっと恥ずかしい……


「依頼はルコールの森の調査かー。たいしたことないと思うけど、念のために出されたギルドからの依頼ね。まあアンナちゃんなら問題ないでしょ」

「ということは報酬も高かったりしますか?」

 ちょっと期待を込めて聞く。


「他の依頼と比べると多少は高いわよ。話は変わるけど、アンナちゃんは収納系のマジックアイテムは持ってる?」

 収納系? マジックアイテム?

 初めて聞く単語だった。


「持ってないんですけど、なんですか? それ」

「やっぱりかー。この前のヤグミ草採取の時もただの袋だったもんね。マジックアイテムっていうのはね――」


 マジックアイテムとは魔力が込められたアイテムのことで、特別な能力が備わっているらしい。

 能力値を上げたり、スキルを手に入れたりだ。

 収納系は文字通りアイテムの大きさよりも多くの物を入れておくことができるものらしい。


 てか私、今まで普通のアイテムすら買ったことがなかった。回復アイテムとか冒険者の基本のはずだよね。街では衣・食・住とギルドの施設しか使っていなかった。

 忘れていたけど魔物がいるんだから、傷を治すためのアイテムとかそりゃ売ってるよね。


「それでね収納アイテムは本当に便利! っていうか、冒険者には必須のアイテムだから絶対に買っておいた方がいいよ! ランクが上がってくると倒した魔物を持ち帰る必要も出てくるからね。食べ物とか入れておけば、かさばらないし」

 

 確かにそれは便利だね。今まではお昼ご飯もわざわざ街に戻って食べたりしていたくらいだ。


「ありがとうございました。早速この後買いに行ってみます」



 お姉さんに教えてもらったお店を回って買い物を済ませた。

 口の上手い店主に乗せられて、金貨10枚の値段の収納アイテムを買っちゃったけど。

 

 しかし性能は素晴らしいと思う。かなりの量の収納スペースがあり、品質の劣化も起きない。

 アイテムは腕輪の形をしており、仕舞いたい物に触れて念じるだけで収納することができ、反対に出したいと念じれば簡単に出すことができる。

 

 中は見れないので何を入れたかを忘れないようにさえすればいい。

 とりあえず買ったばかりの食糧と帰還のスクロールだけ今は入れてある。


 帰還のスクロールは今まで行った事のある街に一瞬で移動することのできるマジックアイテムだ。

 少し高かったがいざという時は役に立つだろう。


 まあ回復アイテムなんかいらないでしょ。自動で回復するし、今までだって使ってこなかったんだし。



 別にお金を使いすぎて買えなかった、なんてことはないんだからね……




 森についてすぐにオリーバウルフ達が私を出迎える。

 最初に来たときとは違い、出会うオリーバウルフのほとんどが群れで現れた。


 しかもレベルが少し上がっていた。

 多少レベルが上がっていたところで私にとって、雑魚なのは変わりないけど確かにおかしい。


 この森で何かが起こっているのは明らかだろう。

 


 森の中を進むにつれ攻撃の手が激しくなってきた。

 ファムウルフも現れ出して、連携して私に攻撃してくる。

 咬まれたり、タックルを受けても防御が上がっているおかげでそこまでダメージは受けないしあんまり痛くない。

 

 しかもスキル 再生 によりHPが少しずつ回復して、軽い傷だったらすぐに塞がってしまうので問題はなかった。


 けどこの依頼、私じゃなかったら無理じゃない?

 Dランク程度の能力がある私でさえ、結構な数の攻撃を受けてしまっている。

 Eランクには少し荷が重い依頼だと思う。


 私も連戦に次ぐ連戦で少し疲れてしまった。

 周囲に魔物がいないことを確認してから、木陰で休憩する。


 もしかしてボスウルフなんかが現れたのかな?

 そのせいで手下のウルフたちが凶暴になっているんじゃ。



 軽く食事を済ませた後、さらに森の奥へと進んでいく。

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