制服
「お兄ちゃん!」
真斗がお菓子(主にポテチ)を買って帰ると…優美ちゃんが抱きついてきた。
(やっぱ可愛いなぁ〜)
そう思いながら真斗は優美ちゃんを抱っこした、
「優美ちゃん、少し重くなったね」
そう真斗が言うと、笑顔だった優美ちゃんは少し怒って
「女の子に重くなったって言ったらダメなんだよ?」
(やっぱ、小さいのに女の子なんだなぁ)
「ごめんね…優美ちゃん女の子なのにね。
じゃあ、おっきくなったね」
「うん!」
(可愛いなぁ〜)
真斗は優美ちゃんを抱っこしてから、
リビングに向かう。
「久しぶりだな、真斗!」
「あ、陸兄!」
陸彦…優美ちゃんの父親で、真子の夫。
陸彦と真子はお馴染みで、
陸彦は真斗が小さい頃から弟のように接してきた…。
「お父さん、お姉ちゃんは?」
「ああ、もうすぐ来るよ…」
「あれ?
マコと姉ちゃんは?」
「ああ、それは…」
「お楽しみだよっ!」
「そっか…」
(何だろな…気になる。)
「似合うわよ、
可愛いわね〜」
扉の向こうから声が聞こえた…
(姉ちゃん?、
…とすると、マコと何かしてる?)
しばらくすると、
真琴の部屋の扉が空いて真子と真琴がでできた…
「お姉ちゃん可愛い〜」
「ねぇ…真斗、
真琴ちゃん可愛いでしょー」
(何で高校の制服!?)
「真斗、どうかな?
ボク…変じゃないかな?」
(か、可愛い!
制服がこんなにが似合うなんて…)
真斗の通う高校の女子の制服は、
いわゆるセーラーみたいな物で
勿論スカートだ。
(スカート姿のマコ…始めて見た…)
「変じゃないよ。
うちの高校の制服
すげー似合ってる!
「よかったぁ
…ボク、スカートあんまり履かないから…変じゃなくてよかった。」
「変なワケないじゃん!
マコは女の子なんだしさ…」
(ショートカットに童顔…小さめの胸。
モロ俺の好みだぁ!
…ああ可愛い…)
「良かったわね〜
真斗の好みみたいでね」
「姉ちゃん…何故それを…」
「そりゃ真斗のお姉ちゃんだもん。
…何でもお見通しよ…この子のコトもねっ!」
(この子って…まさか!)
そう言って真斗の部屋の押し入れから真子が取り出した物は
…クマのぬいぐるみだった…。
「クマさんだぁ〜」
「えっ…真斗、
高校生だろ?」
(うっ…陸兄、
それを言わないで…)
「…真斗、コレって…
ボクがあげたクマさん…だよね?」
「ああ、そうだよ…
あの時のクマさんだ…」
「あの時
…二人共大泣きしてて、ぬいぐるみを交換して…
別れたのよね…
でも、何で押し入れの中に?」
「…それは…」
「何なのよ?」
「は、恥ずかしいから…」
「…確かにな…
真斗は男だし、高三だし…そんな歳じゃ無いよな…。
まぁ…隠す気持ちは分かるな」
(さすが陸兄…)
「でも、かわいそうだよ…」
「いつもこの子をどこに置いてるの?」
「…それは…言えない…」
(言えない…
抱いて寝てるなんて…)
「…まさか、抱いて寝てるなんてコトは無いわよね?」
(…なんで分かった?)
「今、なんで分かったんだって思ったでしょ?」
「えっ…なんで?」
「だって顔に書いてあるもん、真斗は顔に出やすいからね」
「…」(マジかよ)
「まぁ冗談は置いといて…
真琴ちゃんのコトで来たのよ」
「そう言えば、
なんで真琴が制服着てんの?」
「ボク、お姉ちゃんに『コレ着てみて』って言われただけだから分かんない」
「姉ちゃん…どうゆうコト?」
「それはね…
真琴ちゃんが無事に渋谷高校に入れたからよ。」
「えっ…本当に?」
「でもボク、試験してないよ?」
「真琴ちゃん、あっちの高校で成績トップクラスだったみたいじゃない。
だから校長先生が特別にいいよって…」
(そっかぁ、だから姉ちゃんが制服を…)
「でも何でお姉ちゃんが制服を?」
「そっかぁ…真琴ちゃんは知らないんだよね。
この辺の高校ではね…担任になった先生が生徒に制服を渡すのよ」
「俺は事前に姉ちゃんから貰ったけどな…」
「…お姉ちゃんが担任の先生!?」
「うん、真斗と同じクラスね」
「ありがと、お姉ちゃん!」
そう言って真琴は真子に抱きついた。
これからどうなるんだろと思いながら真斗はポテチを食う。