真琴の自動車教習所
そのバイトはある人物に車の運転を教えるコトらしい…
それって個人指導?
「なるほど…
マコにうってつけだな…
それで、誰に教えるんだ?」
「小篠くんって覚えてるよね?」
(小篠 豊…マコに勝負を挑んでボロ負けしたヤツか…)
「ああ、覚えてるよ。
ってマコ…弟子に?」
「うん、弟子にする気は全く無いよ。
今度、ハコのレースに出るらしくて…それでね」
「ふーん…でもさ、
何で行き先が自動車学校なんだよ?」
(しかも俺の通ってる)
「だって小篠くん
免許まだなんだもん。
(まだ中学生だよ?)
無免許で公道を乗らせる訳にはいかないでしょ?
(サーキットだと
つまんないしね)
…青森さんから通してあるから大丈夫だよ」
…青森さん…
車校にどう通したんだよ?
俺の通ってる自動車学校では、
トヨタのコンフォートを使用している。
そして、GT-Zを
卒検で乗れるらしい…
「なぁマコ、
コンフォートGT-Zって知ってるか?」
「知ってるよ。
確か…
叔父さんのトコのお客さんが乗ってたよね」
コンフォートGT-Z
ベース車両はもちろんコンフォートで、
エンジンは2リッター直列4気筒DOHCで、
強化クラッチやスーパーチャージャー等か付いて約160馬力。
トータルでの扱いやすさと、モアパワーを狙ったチューニングらしい。
最高速度は204km/h。
(リミッターカット済み)
外見は、
フロントスポイラー、
黒のウレタン風リアスポイラー、
専用マフラー、
エイトスポークホイールで
タイヤはPOTENZA GIII。
(車高は3センチダウン)
全体的に地味系で、
ハチマル車っぽい。
「それって…
豊口さんだよ。
ココの人って分かったときには驚いたよ…」
「それってもしかして、
真人の担当の人?」
「そうだよ。
…よく分かったな?」
「うん、何となくね…」 (真人の部屋を掃除してたら、
書類に書いてあったんだもん)
「真人…着いたよ」
そんな声で俺は目が覚めた。
「悪い、また寝てた…」
「しょうがないよ。
だって最近、遅くまでお仕事でしょ?
それに昨日は大変だったし…」
「…マコ、
何で仕事だったこと知ってんだよ? 」
「えっ?
一緒に暮らしてたらそれくらい分かるよ~」
ピロリラリ~
「電話…
小篠くんからだ。
もしもし、
…うん…え?
分かった、…じゃあね」
「何だったんだ?
…まさか寝過ごしたとか…」
「よく分かったね…
起きたら二駅寝過ごしてたんだって、それでね」
マコの話によると…
小篠は電車を乗り換えて
こちらに向かっているらしい。
ある女の子と一緒に…
「それで、その女の子は
…ボクのことを知ってて、中学生ぐらいで
車の免許を取りたい人なんだって…」
…アレ?まさか…
「それって
…優希さん?」
「うん、よく分かったね」
…てか、優希さん…
「免許持ってないんだ…」
「うん、色々忙しかったみたいでね…」
(…ホントは身長が小さすぎて取れなかったんだけどね)