本格始動
本格始動
その日
俺とマコは山本ガレージに来ていた。
「これが真斗のマシンGPX250だ。
で、こっちが真琴のマーチだ」
そう、この日は
…俺のGPXとマコのマーチの納車日なのだ。
山本さんに一通りの説明を聞いた後、
ツナギ姿の陸兄が来た。
「おう真斗、
NSどうだった?」
「速いね、楽しいし
でも…普段使いは無理かな」
「そっか、まぁ…
たまには貸してやるからな
…じゃあ仕事に戻るわ」
俺とマコが椅子に座ると
、
山本さんは一冊の本を取りだし…
「今日集まってもらったのは、納車と
…コレに出てもらう為だ」
そう言ってページを開いた。
『ブルドックレース復活!
ー集まれ若き挑戦者ー』
と大きく書かれていた。
「開催日は約1ヶ月後。
マシンは今、陸が整備してる。
…見るか?」
そこには、
ブルドックと呼ばれる
一台のクルマがあった。
(軽自動車?
…にしては幅が広い気が…)
「おう、真琴ちゃん。
エア抜きするからブレーキ踏んでくれ」
「うん、分かった。」
そうしてマコと陸兄はエア抜きを始めた。
「ねぇ陸兄…コレって軽自動車?」
「…1.2リッター
インタークーラターボ
だけど…
知らないのも無理ないか…30年以上前のクルマだし。
確か、アメリカにも輸出してたんだよ、jazzって名前で」
「jazzって原付であったよね?」
「そうだっけな…
あ、そうだ真斗
クルマの免許取る気ないか?」
「えっ?
…欲しいけど二輪取ったばっかで金ないし…」
「知り合いが自動車学校の教官でな、
…安くしてくれるんだってさ」
「…でもクルマ買えないし…」
「…ちょっといいか?
山本さん、オレちょっと行ってきます。」
「おう、気ぃつけてな」
そうして、陸兄のNSについていく俺のGPX。
しばらく走るとある場所に着いた。
「…ブルーオート?」
「ああ、ちょっと出物があって。
…550ccの古い軽自動車だけどな」
そう言って陸兄は鍵を開けて中へ …
「…コレ?
…ホコリだらけで荷台錆びてるし…動くの?
…ところでさ、
何てクルマ?」
「スズキのマイティボーイだよ。
昭和60年式で5速マニュアル
まだ持ってきたばっかで詳しくは分かんないケド…
たぶん6年くらい動かして無かったのかな…
ホラ、このステッカー
6年前で車検切れてる」
「本当だ…」
俺はその小さなピックアップを本気で手に入れたいと思った。




