姉ちゃん家1
「…ホントにコレに乗るのか?」
「ちっちゃいね~
本当に四人乗れるの?」
…ミニを初めて見た、
二人の一言である。
「乗れるよ~。
…ちょっと狭いけど…」
「まぁ、
尚斗は前の方がいいな」
「えっ、何でだよ?」
「…お前の背が高いからだ。
絶対狭いと思うけどな」
「じゃあ、座ってみるか」
そう言って尚斗はミニの
リアシートに座ろうとフロントシートを倒し、その体を車内に入れるが…
「…無理だ…狭い」
「…やっぱり、つっかえたな…」
てな訳で、俺と深雪はリアシートに
尚斗はフロントシートに座る。
もちろん、マコの運転で姉ちゃん家に向かう。
「来たよ~」
「おじゃまします~」
「遅かったわね~
もう食べてるわよ?」
姉ちゃんにそう言われて部屋に入る…
「えっ、浩人君?」
「あ、お姉ちゃん!」
「あれ?
先生の子供って一人だよね?」
「えっ、
…先生、子持ちなんだ…」
(えっ?浩人君?)
「姉ちゃん…どうゆうコト? 」
「えっと…訳は後でね。
ホラ、早くしないと無くなっちゃうわよ~」
そうして、俺たちは焼き肉を食べ始る。
…しばらくして、
深雪は食べ終わり、
優美ちゃん、浩人君と遊んでいる。
俺とマコと尚斗はまだ食べ足りないので焼き肉を食べていた。
「なぁ、先生って
子持ちだったんだな…
」
「ん、そうだけど?
…何でそんなこと聞くんだ?」
(…何でこっそりと…)
「だってさ…」
「ねぇ、何の話?」
「えっ…いや、
別に…」
「…お姉ちゃんのコトでしょ?」
(あ、そうか…
尚斗のやつ知らなかったんだったな…)
「姉ちゃんの子供は優美ちゃんだけだぞ。」
「…いや、そうじゃなくて…
子持ちだったってコトが衝撃でさ…」
「そういえば姉ちゃん、
クラスの奴らに人気あるからなぁ~」
「いや…クラスだけじゃない、
一年の奴らからも人気だぞ?
先生が結婚してるってのも衝撃だったけど…」
「…ねぇ、
何でそんなに衝撃的なの?
お姉ちゃんが結婚しようが、子供が居ようが自由でしょ?」
「まぁ…そうだけどさ、
年上の女性に憧れる時期なんだよ。」
(俺は姉ちゃんにそんなこと思ったこと無いけど)
「ふぅん…
じゃあ、真人も…」
「俺は違うって!」