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ゲームとセール

…ウチのリビングで二人の少女がポテトを食べながら、

他愛も無い会話を交わす。


…どうしてこうなったかと言うと…


ワックで俺がトイレに立ったときに深雪に気づいて、トイレを出たときに目が合った…


それで質問返しをされていると…

「ねぇ真斗、どうしたの?」

ポテトが入っている紙袋を持ったマコが来た。


「…真琴?」


「えっ…もしかして…ユキちゃん!?」


「…えっ!?

知り合いかよ!」


まぁ、それから…

二人がメル友だと分かったんだ。

で、どこかでゆっくり話そうってなって

…ウチに来た。


ちなみに、

山本のおっちゃんには連絡してあるらしい。


「…それでさ、

真斗はどう思う?」


「えっ?

ごめん、聞いてなかった

…何の話?」


「…尚斗君のコトどう思うって話だよ〜」


「ちょっ!

真琴ちゃん!?

…イニシャルで

って言ったよね?」


「いいじゃん〜。

イニシャルで言った人のコト分かんないし…」


(なんなんだこの会話…まさか…)


噂だが、深雪が好きな人は…

イニシャルi

って噂を聞いたことが有るような…


「…えっと…

深雪って尚斗のコト…」


「…バレちゃったね?」


「もう〜

真琴ちゃんのせいだよ〜」


そう言いながら笑い合う二人…


俺には

なんだか姉妹のように見えた。

…ちなみに深雪はマコよりも背が高く、胸も平均ぐらいある美少女だ。


ピンポーン〜


「ん?誰だろ…」


「ボクが出るよ」

そう言ってマコは玄関へ…


俺にリビングで深雪と二人きりになった…。


「なぁ、深雪…

本当に尚斗のコト…」

俺がそう聞くと…深雪は顔を真っ赤にして答えた。

「…好き…だよ。」


「…そっか…」

俺はその後に続く言葉が見つからなかった…


…しばらくの沈黙…


「よぉ、真斗〜。

…なんで深雪が居るんだ?」

…その沈黙を破ったのは尚斗だった。


「えっ…!?」

深雪は固まってしまった…。


「深雪ちゃん。

こっちだよ!」

そう言って自分の部屋に深雪を連れて行くマコ…

一瞬の出来事だった。


「…なんで深雪がいんの?」


「…飯食いに行ったら偶然居てさぁ…

で、マコが連れてきた。」


「…サニトラでか?」

「おう、けっこう気持ちよかったぞ荷台」


「…なんで二人が知り合いなんだ?」


「メル友なんだとさ。」


「…おかしくね?

なんでアメリカに居る真琴ちゃんとメル友になれるんだよ?」


(全く気づかなかった…)

「…確かに変だな…」


「こりゃあ、裏で何かあるな…」


「…てか…

何の用だよ?」


「おお…実はな…」

そう言って尚斗はコンパクトディスクを取り出した。


「…ついに出来たのか!」

俺と尚斗は半年前からゲームを作っている。

造るのは尚斗だが、アイデア、話の構成や設定などは俺の担当だ。


「…8割な…

声が足りないんだ…」


…声…


「まぁ…最低でも二人だな…」


(…まてよ…

俺の作った設定だと…)


「…マコ!」


「えっ、真琴ちゃん!?」


「…イメージにぴったりだと思わないか?」


「…確かにぴったりだな。

(…ボクっ子だし…)

でも、真琴ちゃんが良いって言うか…」


「大丈夫だ。

マコはきっとやってくれる!…ハズだ…」

「ハズってなぁ…」



「真斗、

買い物行こっ?」

そう言って部屋から出てきたのはマコだった。


(マコのやつ気ぃ利かせてるな…)

「ああ、分かった。」


「じゃ、二人共

留守番頼んだよ〜」


(マコ…ちょっと強引過ぎないか?)


キョトンとする二人を置いて、俺とマコはサニトラに乗り込んだ。


「何処に行くんだ?」


「360だよ。

お姉ちゃんから、

セールやるから来てって言われて…

…時間無いから飛ばすね?」

そう言って、

360へと向かった。



俺たちが360で駐車場の空きを探していると

「…あ、姉ちゃんのミニだ!」

「本当だ!

トナリに止めるね。」



「姉ちゃん…

まだやって無いじゃん…」


「馬鹿ねぇ…

勝負はもう始まってるのよ?」


「優美、がんばるからね。」

マコと手を繋いでいる優美ちゃん。


(こんな小さい子が何を頑張るんだ?)




「お待たせいたしました、

これより

感謝セールを開催いたします!」


店員さんがそう言うとドアが開く…


ドドド!


一斉に大量の人

(主に主婦の方々)

がセール品を求めて一目散に走る。


「すげぇな…

俺も作戦通りにッ」



「お客さん…

何やってんですか?」


何って…

見て分かんないか?


「立ってるんです」


「…両手にカゴ持ってですか?」


「こういう作戦です」


店内とこんなしょーもない会話をしている間に

カゴには物が入ってゆく。


…すごい作戦だな…


姉ちゃんとマコが品物を取って

美優ちゃんが小さな体を生かして

人混みをすり抜けて俺の持ってるカゴに入れていく…


…美優ちゃん大活躍だなぁ…



カゴが満タンになり、姉ちゃんが会計をしていると…


「ん?メールだ…」


「誰からなの?」


「尚斗からだ…

マジで!?

マコ、コレ見てみろよ!」


そう言って俺は、

尚斗からのメールをマコに見せる…


「えっ?

…よかったぁ〜

うまくいったんだねっ!」


「えっ?なにが!?」


そう言って会計を終えた姉ちゃんが、

俺から携帯を取り上げる。


「ユキちゃんと尚斗君…やっと実ったのね!」


「…なんで姉ちゃん知ってんの?」


「だって、担任だもん。

…生徒のコトは把握してないとね?」


「深いトコまで?」


「…女の子としてのアドバイスをちょっとね」


…どうやらクラスの女子の恋愛事情などをほぼ把握しているらしい…。


「…真琴ちゃんを悲しませることは許さないから。

…全部分かっちゃうんだからね?」


「姉ちゃん…

俺がマコを悲しませることをすると思う?」


「八割冗談だってば〜

…本気にした?」


(…八割って何だ?)


「ねぇ…真斗

コレからどうするの晩ご飯?」


「えっ?

(マコは知らないんだな…)

今日は、焼き肉だよ

…姉ちゃん家でさ」


「そうなの真琴ちゃん。

セールの日わね、

みんなで焼き肉をするのよ」


「そうなんだ…

あ、

焼き肉のタレ忘れちゃった!

買ってくるね〜」


「…マコ、タレは甘口だぞ〜」


「分かったぁ〜」



「さてと、

ダンボールに入れよっか」



「お兄ちゃん、コレ買って〜」


「優美ちゃん、それは?」


「サララップだよ。

無いってママが言ってたの」


…しっかりしてるなぁ


「良いよ。

…優美ちゃんの欲しいものある?」


「いいの?」


「良いよ。

優美ちゃん頑張ったから」



「うーん…」


お、悩んでる。

可愛いな…

「どうしたの?」


「…こっちが安いけどこっちも捨てがたい…どうしよう?


…お兄ちゃん、

どっちがおサイフに優しい?」


…10円差かぁ…

優美ちゃん、この歳でシビアだなぁ…

さすが姉ちゃんの子


「両方いいよ」

(なんか、

かわいそうになってきた…)


「えっ!?いいの?

ありがとお兄ちゃんっ!」


そう言って俺に抱きついてきた。


やっぱ可愛いなぁ〜

ナデナデ…


「なんか優美ちゃん見てると…

昔のマコを思い出すなぁ」


「…お姉ちゃん?」


「そうだよ…

ってマコ!」


優美ちゃんをナデナデしていると

目の前にマコが居た…


「…ボクのコト思い出すの?」


「ああ、確か優美ちゃんと同じくらいのから一緒だったよな?」


「…でも、ボクにはナデナデしてくれなかったよね?」


「そりゃあ…」


「お姉ちゃん、嫉妬してるの?」


「………」


(…嫉妬?)

ナデナデ…


「…やっとしてくれたね」


…こんな小さい子に嫉妬するのか…


しかし、二人をナデナデするにも…

身長差がありすぎて体勢がきつい…


「…何してるの?」

あ、姉ちゃん…

「二人をナデるのは…きつい…」


「そりゃあそうよ。

真琴ちゃん…

タレ買ったの?」


「あ、今から買ってくるね〜」


「お兄ちゃん、優美も〜」


そういやまだ、

買ってなかったな…



買い物を終えて、

ダンボールに入れた荷物をサニトラに荷台に乗せる…

トラックって楽だなぁ。


「ねぇ…

尚斗君に連絡してみたら?

…大勢の方が楽しいし、買い過ぎちゃったし…」


「そうだな、

ちょっと多いよな…

電話してみる」



「ああ、それでさぁ…メシ姉ちゃんトコで食うんだけど…

ん、メシ?

焼き肉だぜ。

…美雪も来るのか…ちょっと待って」

(サニトラ二人乗りじゃん)


「私のミニで行けばいいわよ」


「ああ、こっちの話。

じゃあ迎えに行くわ」


こうして俺とマコは二人をミニで迎えに行くことになった。



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