プール
とりあえず三人は
教室で真子を待つ。
「えっ…真琴ちゃんもプール入るの!?
よっしゃあぁぁ!」
マコからプールに
入ると聞いて、全力で叫ぶ尚人…
「…ねぇ真斗…
何で尚人君
叫んでるの?」
その光景を見て、
若干引いているマコが聞いてくる。
「この学校ではな…
男女別にプールに入るんだ。だから…
女の子の水着を見れないんだよ…」
「そうだ!
何で男女別なんだよ!
…俺はなぁ…
女の子のスクミズ姿を見たことないんだよ。
やっと夢がかなうぜ!」
そう言う尚人を見て…やっぱりマコは引いている。
「真斗居る〜?」
そう言って教室に入ってきたのは、
姉ちゃんだった。
「やっぱりここにいたんだ〜。
はい、これ!」
そう言って姉ちゃんは、俺とマコに袋を渡した。
そこには水着やタオルといったプールの用意が入っていた。
「じゃあ行こっか!」
「えっ…いや…でも…やっぱり真子先生か?」
尚人は水着姿の姉ちゃんを観て混乱していた。
確かに姉ちゃんは美人だよな…
俺が言うのもアレだけど…。
マコはまだ出てきて無いけど…
マコの姿を見たら、尚人…どうなるんだろ?
そんなコトを思っていると後ろから、
と背中を押された…
「えっ?尚人!?」
そして、俺はプールに落ちた…。
「ちょっとやりすぎたかな?」
そう言って俺を見ながら微笑む少女。
「マコかよ!」
「プールといえばコレでしょ?」
まぁ確かになって…
あれっ?
「…尚人は?」
「…真琴ちゃんが来たときに
……鼻血出しながら急いでトイレに行ったわよ…」
…姉ちゃん…
小さな声で
アレを隠しながらって言ったよな…
あいつ我慢できなかったんだな…。
それから、
姉ちゃんはマコの25mのタイムを計る。
「マコちゃん速いわねぇ」
「…そうだね…」
思った以上にマコは速かった。
タイムは教えてくれなかったが、
男子の平均タイムを軽く超えているらしい…。
「さてと、タイムも計ったことだし…
30分遊んでいいわよ~」
そんなな姉ちゃんの声を聞いたのか、
尚人が戻ってきた。
「尚人、大丈夫か?」
「…まさかあんなに可愛いとは…
ブツブツ…」
尚人は俺の話をスルーして独り言を言っていた…。
プールで泳ぐマコを見ながら思う…
あの華奢な体になんであんなパワーがあるんだ?
俺をプールに落とす程の力強さ…
そしてあの
力強いのに繊細でしなやかな動き…
「…ねぇ真斗?
さっきからボクのコトじーっと
なんで見てたの?」
えっ!?
いつの間に隣に!?
「…その…キレイでさ…」
「キレイって?」
うーん…
しなやかって言うのかな?
「なんかこう…
…繊細って言うか、力強いって言うか…
まぁそんな感じかな?」
「そっか…
やっぱり分かるんだね」
「分かるって?」
「それってね
大切にしてるコトなんだよ。
…お兄ちゃんに言われたの
『まず、車に乗るときは、
力任せにせずに 自然に任せるコト。
パワーをねじ伏せるんじゃなくて、動きをゆだねるんだ』
ってね」
なんかカッコイイな…
「それを考えながら動くとね
自然といい動きになるんだよ」
「…だからあんな動きが出来るんだ…」
「うん。
ところでさ…
ボクの隣に乗ってて酔わなかった?」
「全然大丈夫だった。
それどころか楽しかったよ!
あんな一瞬なのになんかワクワクしてさ!」
「うん…合格だねっ!」
へっ合格!?
「えっ何が?」
「実はね…」
えぇぇ!
テストドライバー!?
次回は真琴ちゃんの叔父さんが出てくる予定です。
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